インディーズ界のカリスマ・ロック・バンド「THE FOOLS」のボーカリストだった伊藤耕氏の死亡をめぐる国賠訴訟について、ライター、鳥井賀句さんのレポートをお届けします。 ●初公判の様子 2017年10月17日に北海道月形刑務所で服役中に死亡した伊藤耕氏(当時62歳)が亡くなったのは刑務所や病院で適切な処置がなされなかったからだと、伊藤氏の妻の満寿子さんが国を相手取り2019年10月30日に損害賠償を求める裁判を起こしたニュースは、音楽ファンの間でもかなりの関心を集めた。その初公判がこの3月26日に東京地裁の第803号法廷で行われたのでそれを傍聴してきた。 まず原告代理人の島昭宏弁護士が今回の伊藤氏の遺体は司法解剖をされず、死体検案書には『肝硬変からくる肝細胞ガン破裂(推定)、出血性ショック』とあったが、その後遺族側が死体解剖をしてもらった結果、死因は『絞扼性イレウス(腸閉塞)による出血性