動物との共棲を目指して設立された「動物王国」で人気を集め、作家としても活躍した“ムツゴロウさん”こと畑正憲氏。23年4月5日に87歳で惜しまれつつこの世を去った彼の麻雀の腕前は相当なもので「10日間不眠不休で打ち続けた」こともあるという。ここでは『ムツゴロウ麻雀物語』(中公文庫)より一部抜粋。親交を結んだ阿佐田哲也氏らとの思い出を振り返る。(全2回の前編/続きを読む) ◇◇◇ 東京大学2年生の時に麻雀を覚えた 私は麻雀を、大学2年の冬におぼえた。これはオクテの方である。 満州じこみだと威張る父、寮で習いおぼえた兄が相手だった。私はルールブックを読みながらついて行った。たわいもない家族麻雀であり、一荘をこなすのに4時間かかったりした。 動物学科に入ってから、同級生5人が、すべて打てるので驚いた。さほど上手くはなかったが、実験のしこみをした待ち時間などにヘイを乗りこえて前の雀荘で遊んだものであ