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  • 【70年を読む】丸山眞男『日本政治思想史研究』|〈解題〉宇野重規|東京大学出版会

    文・宇野重規本書は戦後日本の政治学を主導した丸山眞男のデビュー作である。1940年から44年までの間に発表された三つの論文から構成されるが、特に江戸時代における「国民主義」の形成を論じた第三論文に至っては、出征のその朝に新宿駅で同僚の辻清明に原稿が手渡されたという。いずれも鋭い緊張感の下、丸山独自の鮮やかな論理展開が示されるが、今となっては古めかしい文体の下に、若き日の政治学者の知的興奮と不屈の精神がうかがえる。 しかし、この本を現代の僕らはどのように読むべきなのだろうか。伊藤仁斎−荻生徂徠−本居宣長を中心とする江戸思想史の研究書として読むなら、問題点は明らかだろう。何より、著者自身、後年認めているように、江戸の「正統的イデオロギー」である朱子学が仁斎・徂徠らの批判を受けて解体したという図式自体がもはや成り立たない。朱子学が社会的イデオロギーとして普及したのは古学派の挑戦と同時代であり、そ

      【70年を読む】丸山眞男『日本政治思想史研究』|〈解題〉宇野重規|東京大学出版会
    • 「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響

      「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響 儒教の祖・孔子を祭る「孔子廟(びょう)」の用地を那覇市が無償で提供しているのは、政教分離の原則を定めた憲法に違反するとの判断を、最高裁が示した。政治と宗教の関わりについて、これまでに比べ厳格な判断を示したと言える。この判決は、今後の文化支援・文化行政にどのような影響を与えるのだろうか。 文=志田陽子(武蔵野美術大学教授) 久米至聖廟 出典=一般社団法人 久米崇聖会ウェブサイト(https://kumesouseikai.or.jp/facilites/) 孔子廟とは 「孔子廟」は中国の儒教(儒学)の創始者とされる孔子を中心に、歴代の儒者の霊を祀る施設である。儒教は中国から伝わった思想だが、江戸時代には、幕府が封建制度を維持するために奨励した。この流れから、日本国内の各地に孔子廟が設けられており、史跡

        「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響
      • 摘発されないカジノ、宇都宮でブーム…「違法への呼び水」と懸念も

        【読売新聞】 大阪府でカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画が進む中、金銭を賭けずにポーカーなどを楽しむ「アミューズメント・カジノ」が宇都宮市内に相次いで開店し、にわかにブームとなっている。店関係者は「新たな大人の社交場にした

          摘発されないカジノ、宇都宮でブーム…「違法への呼び水」と懸念も
        • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

          昨日の続き。本日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は16問であるが,そのうち2つの学部が10問を占めた(教育と商)。昨年もそうだったが,偏りが激しい。 18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問7 下線部Gの事態は(編註:アメリカ大陸にはそれまで存在しなかった感染症が持ち込まれ,ヨーロッパ大陸にはトウモロコシやトマトなどがもたらされた),アメリカ大陸に到達した航海者の名にちなみ,何と呼ばれるか,記述解答用紙の所定欄に記しなさい。 <解答解説> 盲点事項。歴史好きは当たり前に使っている言葉だが,言われてみると高校世界史にはなかった。正解は「コロンブス(の)交換」。なお,新課程の世界史探究の教科書・用語集には記載されるようになった。フライング出題である。 19.早稲田大 文化構想学部(2つめ) <種別>難問 <問題>3 次の史料は,桑原隲蔵『考史遊記』(岩波書

          • 新緑がまぶしい季節、昭和天皇のお墓【武蔵野陵】をお参りに行って来た!

            土曜日、日曜日と仕事が入ってしまい、急に今日休みになりました。 昨日自宅で飲んでいて、明日どうしようかとあれこれ考えていたら…ふと 「昭和天皇大好き!と公言しているけど、まだお墓参りに行ったことがない」 事にふと、気が付きました。そんなわけで… 武蔵陵墓地に、来たー!! 八王子市まで足を伸ばし、武蔵陵墓地へ。 季節は夏を思わせる陽気、ラジオからは文化放送『くにまるジャパン極』なんぞを流し、ゲストの刈谷俊介さんの縄文時代の話を楽しく聞きながら、下道をトコトコ走っての到着です。 入り口には交番もあって、怪しい人がいないか、見張って…いるのかな? 平日ですから、駐車場の車も少なく、人出も見当たりません。 と言っても初めてのお参りです。とりあえず、案内板を確認しました。 案内板には、表参道から大正天皇のお墓である『多摩陵』、貞明皇后のお墓『多摩東陵』に参詣し、すぐ隣にある昭和天皇のお墓『武蔵野陵』

              新緑がまぶしい季節、昭和天皇のお墓【武蔵野陵】をお参りに行って来た!
            • [1]水戸黄門、八幡の藪知らずへ!~江戸時代に書かれた水戸黄門漫遊記~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

              [まとめ]江戸時代に読まれた一寸法師 - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~ いやっふー! 妖怪だ妖怪だ。水戸藩は妖怪と縁があったとかいうウワサを聞いたことがあるのですが、どこを調べたら出てくるのか分からないのです。ご存じならぜひ。 2022/10/24 18:16 b.hatena.ne.jp ご質問の答えにはなっていないのですが、水戸藩と妖怪の関わりと言って、ふと思い出したのが、水戸黄門が八幡の藪知らずに入ったエピソードです。 八幡の藪知らずは、千葉県市川市に今でも存在する禁足地です。 このエピソードは『義公黄門仁徳録《ぎこうこうもんじんとくろく》』[江戸中後期成立か。呑産通人(呑産道人)作]が初出だと思われます。 『義公黄門仁徳録』は、現在の『水戸黄門漫遊記』のベースになった作品です。 この作品は、徳川家の人物のことを書いているので、当然江戸時代には出版する

                [1]水戸黄門、八幡の藪知らずへ!~江戸時代に書かれた水戸黄門漫遊記~ - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
              • 世界一神社を見に行ってきた

                新潟県三条市に、世界一神社というものがあるらしい。 聞くところによると、日本屈指の超パワースポットだという。 しかし、辿り着くのがとても難しいと言う。 どういう事なんだろう・・・。 ということで、早速見に行ってきた。 横浜を出て、国道17号線を北上する。 魚沼市内から国道252号線へと入り、国道290号線へ。 カーナビを頼りに山道を進んで行く。 しかし、ナビに頼れるのはここまでだ。 なぜなら、この先は林道となっているようで、カーナビからは道が消えているのだ。 スマホのGoogleマップでナビゲーションしながら、世界一神社を目指す。 え? ホントにここに入っていくのか!? ハイエースで入っていくのには無理があるような道を進んでいく。 対向車が来たら、どちらかが数百メートルはバックしなければならない山道をどんどんと進む。 てか、対向にバイクが来てもすれ違い無理でしょこれ。 しかも、クルマの両側

                  世界一神社を見に行ってきた
                • 森三樹三郎『梁の武帝―仏教王朝の悲劇』(法蔵館文庫) - 🍉しいたげられたしいたけ

                  久しぶりのマイ書評。老眼の進行とともに読書量が極端に落ちている。 もう十年以上前になるが、急性仏教かぶれを発症して仏教関係書をいろいろ読んだことがある。 仏教の篤信者として知られた中国南朝梁の皇帝・武帝についても知りたくなって関係書を検索したが、ヒットした一冊の森三樹三郎『梁の武帝―仏教王朝の悲劇』は版元品切れで確かAmazonマーケットプレイスではとんでもなく高値が付けられていたのだった。 その時は代わりにつか吉川忠夫『侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運』(中公新書)というのを読んだのだった。これはこれで好著でたいへん面白く読ませていただいた。 www.watto.nagoya なおこちらも中公新書版は版元品切れで、志学社からの復刊が新刊で手に入るようだ。 侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運 (志学社選書) 作者:忠夫, 吉川 志学社 Amazon 面白いなんて書いたがそれは国と時代

                    森三樹三郎『梁の武帝―仏教王朝の悲劇』(法蔵館文庫) - 🍉しいたげられたしいたけ
                  • タノカンサァ(田の神様)、南九州のあちこちで出くわすぞ - ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

                    田んぼの畔で見かける。辻に立っていたりもする。神社や公民館で出会うことも。 タノカンサァ(田の神様)の像がものすごくたくさんある、鹿児島県と宮崎県南部には。その数は確認されているだけでも2400体以上にもなるそうだ。 地元の者にとってタノカンサァは風景の一部という感じ。それでいて、なんだか気になる存在でもあるのだ。 姿はいろいろ どこにいる? 信仰のあり方いろいろ 子孫繁栄の神様 島津氏の領内で広がった 源流はもっと古そう 姿はいろいろ まずは、タノカンサァ(田の神)の姿を見てもらいたい。 こちらは鹿児島市川上町にあるもの。「川上の田の神」と呼ばれている。紀年銘から寛保元年(1741年)に作られたものらしい。道沿い立っていて、田んぼを見守る。 川上の田の神 「触田の田の神」。鹿児島県姶良市の稲留神社の境内いにいる。元文2年(1737年)製。 触田の田の神 いいカオをしている! 鹿児島県薩摩

                      タノカンサァ(田の神様)、南九州のあちこちで出くわすぞ - ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。
                    • 「離婚後共同親権」慎重に検討を 福岡大・小川富之教授に聞く | 毎日新聞

                      インタビューに応じる小川富之・福岡大教授。「離婚後の父母が協力し子を健全に養育するためにどんな法制度が必要か。海外の制度がどう機能したかを学び、議論しなければ」と話す=東京都新宿区で2019年11月9日、中川聡子撮影 法務省が、離婚後の子育てに関わる法制度を検討する研究会を設置した。論点の一つが親権制度だ。日本は父母が離婚した場合、どちらか一方が親権を持つ「単独親権」制度をとるが、別居する親の当事者団体からは「離婚しても親には変わらない。海外は離婚後も共同親権が主流で、日本も共同親権を認める民法改正をすべきだ」と主張する声が上がる。こうした声を受け、離婚後共同親権の導入に向けた国会議員の活動が活発化し、肯定的な報道も相次いでいる。しかし、そこに問題はないのか。海外では何が起きているのか。欧米の家族法制にも詳しい福岡大・小川富之教授(家族法)に聞いた。【聞き手・中川聡子】

                        「離婚後共同親権」慎重に検討を 福岡大・小川富之教授に聞く | 毎日新聞
                      • HOOEY ジンメル 貨幣の哲学

                        社会学はむろん社会を相手にする学問だが、19世紀末から20世紀初頭の確立期にすでに相手にする仕方によって、二つの立場が分かれていた。わかりやすくいうと、ひとつは「方法論的個人主義」で、個人を起点に社会を考える。もうひとつは「方法論的集団主義」と呼ばれているもので、家族やグループや組織の特色から社会を考える。のちにフリードリッヒ・ハイエク(1337夜)が好んだ分け方だ。 個人主義の見方は、個人の行動の意図や判断や動機を重視する。マックス・ウェーバーの「理解社会学」などが代表になる。ウェーバーは社会的な行為そのものを解釈していくことが社会を理解する方法だと考えた。そのためこの見方からは、極端な場合は社会なんてものはなく、行為の実体の個人だけがいるという見方にまで進む。これは「社会唯名論」(ソーシャル・ノミナリズム)ともいう。 集団主義の見方は、社会を有機的にとらえ、個人がどんな行為をしてもそこ

                        • 「日光東照宮が史上初めて拝観できなくなった」報道に疑問符を飛ばす人々…「戊辰戦争時にもあったけど」「日本の歴史は明治から始まった説」など

                          山本八重さん🌸 @aizu_sniper_yae 会津のおてんば娘・山本八重です★ 尊敬する兄の影響で銃器マニアに成長した戦乙女は歴史系ご当地キャラとして会津から世界へ進出! だいたい銃砲、歴史、ご当地ネタ多め。ニチアサ&ニチヨル必視が鉄の掟。ならぬことはならぬ。(アイコン絵:一休先生)※ぱろでぃです moeno.sakura.tv

                            「日光東照宮が史上初めて拝観できなくなった」報道に疑問符を飛ばす人々…「戊辰戦争時にもあったけど」「日本の歴史は明治から始まった説」など
                          • 中島隆博『中国哲学史』(中公新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                            4月5 中島隆博『中国哲学史』(中公新書) 7点 カテゴリ:思想・心理7点 「哲学」というと、どうしても西洋のものということになり、中国や日本のものは「思想」という形で括られることが多いですが、本書は、あえて「哲学」という言葉を使い、西洋哲学や仏教との比較や対話も試みながら、中国哲学の歴史を描きだしてます。 中国の思想を紹介する本は数多くありますが、基本的には諸子百家を中心にそれぞれの違いなどを論じたものが多いです。そうした中で、本書は、中国内の関係(例えば孔子と老子)だけではなく、中国の外から来た思想との関係(例えば儒教と仏教、キリスト教)を見ていくことで、より立体的な中国哲学の姿を構築しています。  索引なども入れれば360pを超える本で、内容的にも難しい部分を含んでいるのですが、今までにないスケールで中国の思想を語ってくれている本であり、中国社会を理解していく上でも興味深い論点を含ん

                            • 庚申塔(こうしんとう)って何

                              寿命を縮めないために 江戸時代に大流行した民間信仰 旧暦では60日に1度、庚申(かのえさる)の日が巡ってきますが、この夜眠ってしまうと人の体内にすんでいる三し(さんし)という虫が天に昇り、天帝にその人の日ごろの行いを報告するという道教の教えがあり、罪状によっては寿命が縮まると言われていました。寿命が縮まっては大変。この日は身を慎み、虫が抜け出せないようにと徹夜して過ごしました。日本では既に10世紀ごろには盛んだったようで、「枕草子」、「大鏡」などに記述があります。この教えが広まっていく中で仏教や庶民の信仰が加わり、江戸時代には全国の農村などで大流行しました。 身を慎むことから始まりましたが、徐々に米や野菜、お金を持ち寄り、皆で飲食・歓談して過ごす楽しい集まりになっていきました。また、さまざまな情報を交換し、農作業の知識や技術を研究する場でもありました。この集会を3年18回続けた記念に建立し

                                庚申塔(こうしんとう)って何
                              • 稲生神社、南区妖怪伝説です。 - 広島歴史探索の後は、お好み焼き「そば肉玉」じゃね

                                稲生神社は、 広島市南区の南区七大伝説の一つ、 先日の河童猿猴伝説に次いで「妖怪伝説」のある神社です。 稲生神社は、 三次の妖怪話として有名な稲生物怪録(いのうもののけろく)! 妖怪を退散させた稲生武太夫(いのうぶだゆう)が祭られています神社です。 こちらの稲生神社は、いのう神社ではなく、いなり神社と読みます。 広島県三次市では、稲生物怪録に稲生武太夫の武勇伝が書き残されていて、 三次市では、この伝説を元に世界妖怪会議が行われているそうです。 その稲生武太夫を祭られています稲生神社は、妖怪を退散させたことから、魔除け・強運を招く神様と言われています。 稲生武太夫公は、浅野公の仕官で藝州藩指南役で、妖怪退治に数々の伝説を残しています。 忠誠を誓った妖怪から授かったといわれる木槌を終生肌身離さず天下天上のために使ったといわれています。 その木槌は、東区山根町の國前寺に残されています。 國前寺に

                                  稲生神社、南区妖怪伝説です。 - 広島歴史探索の後は、お好み焼き「そば肉玉」じゃね
                                • 三島由紀夫の「革命哲学としての陽明学」を読んだら、ヨガを学びながら感じてきた違和感の背景が見えた - うちこのヨガ日記

                                  先日、昭和45年に『諸君!』に掲載された「革命哲学としての陽明学」という三島由紀夫作の、講座の書き起こしのような文章を読みました。 三島由紀夫はものすごく昔の人に感じるけれど、それは自分が生まれた時にはこの世にいなかったからで、ご長寿ならまだ生きていてもおかしくない年齢(生きていれば今95歳)。亡くなったころの文章を読むと、これがどうにもおもしろい昭和のマッチョなおじさんです。 その雰囲気は自分が新卒で入社した頃の会社の中年男性に受け継がれていた雰囲気に通じるもので、肌観として多少は知っているだけに完全には嫌いになれない、そういう雰囲気。 思い起こせば90年代。わたしが新卒で就職した会社は隔週週休二日制で、階段の踊り場に喫煙所がありました。会社の中年男性は新卒社員にとって親戚のおじさんのような存在。年の近い先輩男性にちょっかいを出されても雑談まじりに中間管理職の人に「嫌がっていたと言ってほ

                                    三島由紀夫の「革命哲学としての陽明学」を読んだら、ヨガを学びながら感じてきた違和感の背景が見えた - うちこのヨガ日記
                                  • 岡真史 著『〈新編〉ぼくは12歳』より。ぼくはしなない。なぜならば……。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                    ぼくはしなない ぼくは しぬかもしれない でもぼくはしねない いやしなないんだ ぼくだけは ぜったいにしなない なぜならば ぼくは じぶんじしんだから(・・・・・・・・・) (岡真史『〈新編〉ぼくは12歳』ちくま文庫、1985) こんばんは。先日、授業でコラボしている大学の先生が、新年会の席でこんなことを言っていました。曰く「人間だけが、死ぬことができる」云々。それから、同じテーブルを囲んでいた某・作家さん曰く「臨床にはエロスがある」云々。臨床 ≒ 現場です。 種々、考える。 こういった言葉に反応してしまうのも、人間だからでしょう。人間以外の動物は、自ら命を落としたり、ジョルジュ・バタイユのエロティシズム論に反応したりしません。人間だけが思考を止めることができない。なぜならば、人間は、考える葦だからです。 新編 ぼくは12歳 (ちくま文庫) 作者:岡 真史 筑摩書房 Amazon 岡真史く

                                    • 大手の白けつ【オオテノシロケツ】 : 宮城妖怪事典(仮)

                                      【名称】大手の白けつ 【出没地域】宮城県登米市登米町 【伝承地域】同地 【要約】 橋の下から白い尻を出して人に迫ってきたという怪物。しかしその正体は、妖怪のまねごとをして人を驚かすのが好きな変態者の仕業であった。 【原文】 大手の白けつ 万治元年(一六五八)横山外記の子某が、その日の勤めを終え、城からの帰り道であった。 大橋を渡ろうとすると、橋の下に白いけつを出している怪物がいて、大声を上げて某に迫ってきた。 某は一時は驚いたが、そこは武士の子、すぐさま刀を抜いてこれを切った。 しかし、よくよく見ると、それは怪物ではなくて人だったので二度驚いた。某はすぐさま家に馳せもどってこれを父に告げた。外記はただちに登城してこのことを君に報告し、検死の調査を願い出た。 早速検死の結果、この者は岸波太郎左衛門の下僕であったという。この者、妖怪のまねごとをしていたらしかったという。この者、人を驚かすことが

                                        大手の白けつ【オオテノシロケツ】 : 宮城妖怪事典(仮)
                                      • 「君が代」の歴史的変遷

                                        吉海 直人(日本語日本文学科 特任教授) 日本の国歌に制定されている「君が代」について、みなさんはどの程度のことをご存じですか。ここでその歴史を少しばかりたどってみましょう。まず出典ですが、一番近いのは『古今集』賀の巻頭にある、 我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで(343番) です。これは題知らず・読人知らずの歌ですが、年賀に天皇の長寿を讃美・祝福したものと考えてよさそうです。なお初句は「我が君は」とあり、「君が代」という本文異同は認められません。 この歌は、以後いろんな歌集に再録されます。その一つが『和漢朗詠集』ですが、その鎌倉時代の写本に初めて「君が代は」本文が登場していますが、主流は依然として「我が君は」でした。それが江戸時代になると、狭義的・主観的な「我が君は」より広義的・客観的な「君が代は」の方が使い勝手がよいということで、広く流布していきました。この「我が君

                                          「君が代」の歴史的変遷
                                        • No:014【新潟県】里山に佇む「世界一神社」!暗黒の隧道を抜けた冒険者のみ到達可能!! - 週末大冒険

                                          「世界一神社」。 それがその神社の名前だ。 なんという強気な名前だろうか。 神道を極めし者ってさ、もっと世の中を平等に見てたり、謙虚に振舞うものだと思っていた。 なのに世界一神社。 ゴリゴリに他者を意識し、その上で自分が1番に立とうと必死である。 「数多に溢れかえる神社より、ウチのほうがいいですよ。だからウチにいらっしゃい。」という凄まじい商売人根性を感じる。 …それが、その神社の名前を知ったときの第一印象だった。 僕は世界一神社を目指す。 …果たして本当に世界一なのか。それはあなたがこの記事を読む、あるいは実際にその足で訪問して決めてほしい。 ただし少なくとも、僕にとっては世界一神社への訪問は、一生記憶に残る強烈な思い出となったのだ…。 吉野屋集落から里山へ 国内最長クラスの手掘り隧道、「旭隧道」 山道をゆく 世界一神社を参拝 住所・スポット情報 吉野屋集落から里山へ 身が引き締まるよう

                                            No:014【新潟県】里山に佇む「世界一神社」!暗黒の隧道を抜けた冒険者のみ到達可能!! - 週末大冒険
                                          • UFOと日本人(1):江戸時代に漂着した謎の美女と円盤型乗り物―「うつろ舟」伝説の謎を追って

                                            米国防総省が「未確認飛行物体(UFO)」の映像を公開したことから、UFOの存在に再び関心が集まっている。日本では江戸時代、茨城県にUFOが漂着した? 不思議な乗り物が描かれた古文書を手掛かりに、当時の「うつろ舟」伝説の背景とUFOとの関連性を研究する田中嘉津夫さんに話を聞いた。 田中 嘉津夫 TANAKA Kazuo 岐阜大学名誉教授。1947年生まれ。専門は光情報工学。大学では専門科目の他に、教養科目で「懐疑思考 (Skeptical Thinking) 」を講義した。「うつろ舟」伝説研究の第一人者。2009年に加門正一のペンネームで『江戸「うつろ舟」ミステリー』(楽工社)、19年英語の研究書『The Mystery of Utsuro-bune』 刊行。海外にうつろ舟伝説の面白さを伝えることに意欲的な一方で、毎年岐阜大学の市民講座で研究成果について講演している。 享和3年(1803年)

                                              UFOと日本人(1):江戸時代に漂着した謎の美女と円盤型乗り物―「うつろ舟」伝説の謎を追って
                                            • ど田舎にしかた祭り その十二開催 丁字路sが出演するそうです。2022年11月27日(日) - 流浪ブログ 日々是好日 本とラジオと飯を作る日々

                                              【ど田舎にしかた祭り その十二】開催のお知らせ – 栃木市観光協会 本当に丁字路sが来るんですかね~。もし来るなら是非見てみたいのですが。深夜ラジオで聴いてからずっとファンでした。似た名前の人じゃないですよねw LIVE情報 – T字路s オフィシャルWebサイト 本当に来るみたいですね!まさか栃木県の田舎に来るとは! この曲は購入して今も聴いています。 T字路s "夜明けの唄" (Official Music Video) - YouTube

                                                ど田舎にしかた祭り その十二開催 丁字路sが出演するそうです。2022年11月27日(日) - 流浪ブログ 日々是好日 本とラジオと飯を作る日々
                                              • 中世ヨーロッパの暦:アルマナック(暦書)の普及

                                                12世紀から16世紀にかけてヨーロッパは大きく変化します。この時代は、知的離陸の時代、ルネサンス(文芸復興)などと呼ばれることがあります。しかし数学を含む科学技術の進歩はとても緩やかで、この時期は来たるべき科学革命の時代の準備期間です。ここでは文化の発展と暦に着目し、アルマナック(暦書)がどのように広まっていったのか、人々の時間に対する認識はどのように変化していったのかを見てみましょう。 ルネサンスと呼ばれる時代 閉ざされた世界からの解放 12世紀までは地中海航路はイスラーム勢力に独占されていました。12世紀から十字軍の遠征が始まり、これによって地中海貿易が盛んとなり、イタリアに繁栄をもたらすことになります。十字軍がオリエントからの文化の伝達に好ましい影響を与えたかどうかについては意見が分かれています。文化や学問の伝達経路は十字軍によって破壊されたが、西洋ラテン世界における学問の復活は十字

                                                • 支配者はイデオロギーでいかに人々の意識を操作するのか、マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』の書評|武内和人|戦争から人と社会を考える

                                                  支配者はイデオロギーでいかに人々の意識を操作するのか、マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』の書評 19世紀の革命家カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルス(以下、マルクス・エンゲルス)の共著『ドイツ・イデオロギー』は未完に終わったこともあって難解な著作です。 しかし、『ドイツ・イデオロギー』は、イデオロギーを初めて政治学の概念として位置づけ、これを分析する視座を準備した文献であるため、素通りするわけにもいきません。マルクス・エンゲルスがこの著作で論じた支配の道具としてのイデオロギーの機能は、政治に対する理解を深める上で非常に重要な意味があったことは事実です。 この記事では、マルクス・エンゲルスの共産主義には特に触れていません。彼らのイデオロギー分析に焦点を絞って説明してみたいと思います。 そもそもイデオロギーとは何かもともとイデオロギーはフランスの哲学者アントワーヌ・デストゥット

                                                    支配者はイデオロギーでいかに人々の意識を操作するのか、マルクス・エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』の書評|武内和人|戦争から人と社会を考える
                                                  • 北関東の「公立進学校」はなにを目指しているのか?男女別学、中高一貫化…

                                                    中学・高校・大学受験を中心に、教育制度や各学校の状況ほか、広く教育の最新トレンド情報を発信する。 ●特設サイト:「特集」を中心に、連載、合格力ランキングのアーカイブスなどを掲載 ⇒「本当に子どもの力を伸ばす学校」 ●ツイッター:【中学受験2021】を中心に【速報】を発信中 ⇒ ツイッター版「ダイヤモンド社 教育情報」 ●フェイスブック:教育に関する各分野の解説記事を発信中 ⇒ フェイスブック版「ダイヤモンド社 教育情報」 ●毎年7月発行の受験情報マガジン。全国の「合格力」上位高校をランキング形式で掲載 ⇒ 『中高一貫校・高校大学合格力ランキング 2021年入試版』 2020年代の教育 国の教育改革の掛け声の一方で、教育の現場ではその土台づくりすら道半ばの状況だ。積極的に教育改革を進める欧米先進国との格差を解消するために、2020年代の教育はどこを目指すべきか。課題とその解決策を各分野の識者

                                                      北関東の「公立進学校」はなにを目指しているのか?男女別学、中高一貫化…
                                                    • 源頼朝も興味津々!餅を使った坂東武者の伝統儀式「矢口の儀」を再現しちゃうぞ | 和樂web 美の国ニッポンをもっと知る!

                                                      鎌倉時代の歴史書である『吾妻鏡(あずまかがみ)』にはこのように書かれています。 矢口の餅を用意したのは、北条義時(ほうじょう よしとき)です。一枚のお盆の左側に黒色の餅が三つ、中央に赤色の餅三つ、右側に白色の餅三つが置かれていました。餅の大きさは、長さが八寸、幅が三寸、厚さが一寸です。このお盆は三枚用意されて、頼朝様の御前に置かれました。 こんなカンジですかね……? 最初に工藤景光(くどう かげみつ)が呼ばれて前へ出てきて、蹲踞(そんきょ)しました。 蹲踞とは、当時の武士が目上の人に対して改まった座り方です。相撲や剣道の試合前の座り方ですね。 そして白い餅を真ん中に置き、赤い餅を右側に置き直しましました。 あらあら、義時が間違えちゃったんでしょうか それからそれぞれを一つづつ取って、黒が上、赤が真ん中、白が下になるように重ね、座っている左側の横に倒れた木の上に置きました。この分は山の神に供

                                                        源頼朝も興味津々!餅を使った坂東武者の伝統儀式「矢口の儀」を再現しちゃうぞ | 和樂web 美の国ニッポンをもっと知る!
                                                      • 【韓国の反応】旧韓末の親韓派米国人外交官のアレン「韓国人はよく約束するが約束を守らない」「高宗は賄賂を貰うのが好きな弱すぎる人で、日本に簡単に屈する」 : 【韓国の反応】みずきの女子知韓宣言(´∀`*)

                                                        2019年05月22日23:55 【韓国の反応】旧韓末の親韓派米国人外交官のアレン「韓国人はよく約束するが約束を守らない」「高宗は賄賂を貰うのが好きな弱すぎる人で、日本に簡単に屈する」 カテゴリ外交歴史認識 oboega Comment(412) 旧韓末外交官アレン「高宗はびっくりするほど弱い人」 旧韓末外交官アレン「高宗はびっくりするほど弱い人」 建陽大学のアレン研究所、アレン文書のデータベース作業を進行中 「アレンが友好的に評価した人物は、後に乙巳五賊になった」 (ソウル=聯合ニュース)パクサンヒョン記者 「韓国人たちは約束をよくするが、約束を守らない。高宗はびっくりするほど弱い人なので、日本人は彼を簡単に脅迫することができる。」 アメリカの宣教師兼医師で、朝鮮に渡って、高宗の政治顧問として活動していたホラス・アレン(1858~1932)は、1905年12月14日、元米国陸軍所長ウィル

                                                          【韓国の反応】旧韓末の親韓派米国人外交官のアレン「韓国人はよく約束するが約束を守らない」「高宗は賄賂を貰うのが好きな弱すぎる人で、日本に簡単に屈する」 : 【韓国の反応】みずきの女子知韓宣言(´∀`*)
                                                        • 辻本雅史『江戸の学びと思想家たち』(岩波新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                                          1月31 辻本雅史『江戸の学びと思想家たち』(岩波新書) 8点 カテゴリ:思想・心理8点 江戸時代の思想家をとり上げた本ですが、それぞれの思想家の思想を綿密に解説するのではなく、彼らがとった学びのスタイルと利用したメディアに注目して論じていることが本書の大きな特徴です。 同じく江戸の思想家をとり上げた本としては田尻祐一郎『江戸の思想史』(中公新書)があり、面白く読んだ記憶がありますが、『江戸の思想史』が儒学から蘭学までさまざまな人物をとり上げたのに対して、こちらは山崎闇斎、伊藤仁斎、荻生徂徠、貝原益軒、石田梅岩、本居宣長、平田篤胤ととり上げる人物をかなり絞っています。 その代わりに本書が注目するのは彼らの学び方であり、受容のされ方です。ここに注目することで本書は思想だけはなく、江戸時代の社会のあり方にまで考察を広めています。 日本史の教科書だとどうしても断片的にしかわからない思想家たちに、

                                                          • 漢文を始めて学ぶ人に向けて:「経書」とは? - 達而録

                                                            中国において伝統的に重視されてきた古典のグループに、「経書」と呼ばれるものがあります。経書は、「聖人」と呼ばれる理想的な人格を持つ人によって編集されたとされる書籍群です。これらは儒教において聖典とされ、中国に限らず、儒教文化を取り入れた古典の中心に位置し続けてきました。 「経書」のうち、最も基本的なものは「五経」と呼ばれています。以下の五つの本です。 ・『易』:陰陽と六十四の卦によって世界の成り立ちを示す書。 ・『書』:尭、舜、禹ら伝説の聖人の発言を集めた書。 ・『詩』:各地の民謡や民楽、祭祀の音楽を集めた書。 ・『礼』:礼の制度(冠婚葬祭、外交、官職)などを記した本。 ・『春秋』:孔子が編纂したとされる春秋時代の歴史書。 これを細かく分けると十三種類あり、「十三経」と呼ばれています。上にあげたもののうち、『礼』が三種類に分かれて、 ・『周礼』:周の官職の仕組みとその役割を解説した書。 ・

                                                              漢文を始めて学ぶ人に向けて:「経書」とは? - 達而録
                                                            • yasuienv.net

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                                                              • 近代の謎としての「美的なもの」に迫る──小田部胤久×宮﨑裕助「カント『判断力批判』からみる美学史と現代思想」イベントレポート(関西弁)

                                                                11月27日に行われたカント『判断力批判』(岩波書店版、作品社版)イベントについてレポートするで。関西弁はこのまえの國分功一郎さん登壇回のレポートで使ってみてなかなか好評やったから、いけるとこまでナチュラルに使ってみることにしたんや。今回の登壇者のおふたりにも承諾もらってるで[★1]。 今回のイベントは、小田部胤久さんが今年9月に出した『美学』の刊行記念イベントや。この本は480頁の大著で、『判断力批判』の注釈本でもあり(A)、そこに出てくるトピックに沿って古代からカントまで(B)とカントから現代まで(C)の美学史を辿るっていう三重構造が全10章を貫いてるえらい本やねん(つまりぜんぶで3×10=30の話題があるってことになるな)。 対談相手を務めたんは宮﨑裕助さん。近著『ジャック・デリダ――死後の生を与える』やその刊行記念イベントもめっちゃ評判やったけど、博論をもとにして2009年に出した

                                                                  近代の謎としての「美的なもの」に迫る──小田部胤久×宮﨑裕助「カント『判断力批判』からみる美学史と現代思想」イベントレポート(関西弁)
                                                                • 『忖度かというと、ちょっと違うかも』

                                                                  明治時代の宗教政策でヒドイと思うのは第一に切支丹迫害を維新後も継続させたことで、さっさと禁令を解除しちまえばよかったのになぁと思います。そのつぎくらいにヒドイのは、神社合祀令じゃないかと。前に当ブログで記事にしたことがあります。 じゃあ廃仏毀釈はどうなのかというと、明治政府が命じたのは「神仏分離」で、なにも寺を壊せなんて命じたわけじゃないんです。だから政策じゃないんですね。政策だったら通達が書面で残りますけれど、廃仏毀釈はそうじゃない。寺院や仏像を破壊せよなんてお触れは出ていないのでありますから、証拠になるものは地道に探さないといけません。 さて、江戸時代の檀家制度は、とにかく「仏式で葬式をして仏式の墓を建てろ」ということでして、神社の宮司さんでも葬式には坊さんを呼ばなきゃならなかったんですね。葬儀を独占してましたから余得もたんまりあって坊主丸儲けだったのです。それでいろいろ反感を買ってい

                                                                    『忖度かというと、ちょっと違うかも』
                                                                  • 関ケ原の前哨戦「小山評定」は史実か 家康支持の軍議めぐり研究活発|好書好日

                                                                    「小山評定」は現在の小山市役所にあたる場所で行われたという。現地には碑が残る 小山評定をめぐる謎の一つが、7月25日とされる評定の後、「石田を討つ」と決した軍勢が西上したにもかかわらず、家康自身は8月4日まで小山を動こうとしなかったことだ。 宇都宮と往来? その理由については従来、「西国からの詳報を待っていたのでは」などとされてきたが、江田郁夫・栃木県立博物館副館長はこのほど、家康はずっと小山にいたのではなく、三十数キロ離れた宇都宮との間を行き来していたのではないか、との仮説を発表した。 江田氏がその傍証としてあげるのが、関ケ原合戦から5年後の1605年に家康が宇都宮大明神(現在は宇都宮二荒山神社)を再建していることだ。宇都宮二荒山神社には、家康の名前と征夷大将軍という官職名が刻まれた建立時の擬宝珠(ぎぼし)(手すりの柱に取り付けられた飾り)が今も残る。 「家康は小山評定の後、上杉攻めの本

                                                                      関ケ原の前哨戦「小山評定」は史実か 家康支持の軍議めぐり研究活発|好書好日