「「論争中の病(contested illness)」の患者への合理的配慮――シックハウス症候群・化学物質過敏症と社会モデル」 ◆質疑応答(本頁内↓) ■キーワード ■報告レジュメ 研究目的 「論争中の病(contested illness)」とは、「生物医学的エビデンスを欠いているために、病気の実在性に疑義が呈され、患いの正統化をめぐって医療専門家と患者、また医療専門家同士の間で『論争』が生じている」病を指す(野島2019:87)。これは「医学的に説明できない症状(medically unexplained symptoms: MUS)」とも称され、代表的なものとして、化学物質過敏症、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、ライム病などがあげられるが、本研究では論争中の病の一つの「化学物質過敏症」に注目する。 化学物質過敏症の患者の救済のために、これまでも制度改革や啓発がなされて