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大江健三郎の検索結果281 - 320 件 / 367件

  • 書評・葉真中顕「灼熱」ー「週刊朝日」12月10日号 - jun-jun1965の日記

    一九四五年、大東亜戦争と日本では呼ばれていた戦争に日本が負けた時、ブラジルに二十万人ほどいた日本人移民の間で、日本が勝ったというデマが広まった。のちに「勝ち組」「負け組」の争いと呼ばれるようになるもので、日本が買ったと信じる者は「信念派」、負けたという真実をつかんでいた者たちは「認識派」と呼ばれたが、「勝ち組」からは「敗希派」と呼ばれ、ついには勝ち組によるテロ殺人も起こり、長く続いた。今の日本で誤用されている「勝ち組」「負け組」はこれが本来の用法で ある。 『灼熱』は、この「勝ち負け抗争」の小説化で、沖縄で生まれた移民として「勝ち組」の若い者となる比嘉勇と、ブラジルで生まれサンパウロに住んで都会的な知識を持ち、勇の親友だったのが「負け組」になるトキオを中心に物語が描かれていく。 この戦争で日本は、米英オランダに宣戦布告しているが、最後になってソ連が参戦、中国もポツダム宣言に参加することで対

      書評・葉真中顕「灼熱」ー「週刊朝日」12月10日号 - jun-jun1965の日記
    • 島田雅彦さん、褒章を受けるの記(或いは、拒否しないの記)。 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

      おめでとうございます。 これまで自粛も忖度もせず書きたいことを書くことで精神衛生と矜持を保ってきました。最新作『パンとサーカス』は辛辣な政治批判を含む内容ゆえ、褒賞より懲罰を覚悟していました。中国やロシアなら、私は確実に弾圧されたでしょう。政治がどんなに悪い方に向かっても、表現の自由を死守する覚悟です。— 島田雅彦 (@SdaMhiko) April 28, 2022 『パンとサーカス』(講談社)の島田雅彦さんが紫綬褒章受章 「これまでの私の態度に対する励ましだと、ありがたく受け止めたい。私は自由を手放さないようにしたい」 pic.twitter.com/lmB1nR8f7m— たけたけ (@taketake2w) April 28, 2022 島田雅彦さんが褒章を受け取るんだ、というのも驚きました。サヨク的にokなのか。https://t.co/411eIe351j— 郡司 真子 Mas

        島田雅彦さん、褒章を受けるの記(或いは、拒否しないの記)。 - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-
      • 1月28日はセレンディピティの日、初不動、初荒神、コピーライターの日、宇宙からの警告の日、衣類乾燥機の日、逸話の日、データ・プライバシーの日、ギョーザの日、冬土用の間日等の日 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)

        おこしやす♪~ 1月28日は何の日? その時そして今日何してた? 1月28日はセレンディピティの日、初不動、初荒神、コピーライターの日、宇宙からの警告の日、衣類乾燥機の日、逸話の日、データ・プライバシーの日、ギョーザの日、冬土用の間日等の日です。 ●セレンディピティの日 1754年のこの日、ホリス・ウォールポールが初めてこの単語を使った事から、一般社団法人日本セレンディピティ協会が制定した。 セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。 平たく言うと、 『ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ること』である。 「セレンディピティ(serendipity)」は、予期しない素晴らしい出会いや予想外のものを発見すること、何かを探しているときに偶然

          1月28日はセレンディピティの日、初不動、初荒神、コピーライターの日、宇宙からの警告の日、衣類乾燥機の日、逸話の日、データ・プライバシーの日、ギョーザの日、冬土用の間日等の日 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)
        • 圧倒的レンガ!鈍器すぎる分厚い小説15選(文庫編) - 日々の栞

          鈍器本という言葉をご存知だろうか?凶器として使えそうなぐらい分厚い本は鈍器本と言われている。ハードカバーの本に分厚い本が多いイメージがあるかもしれないが、文庫本にも分厚い本がある。 この記事では、特に文庫本の中で特に分厚い小説を集めてみた。特に、京極夏彦などの小説が多いが、超重量級文庫を紹介する。 魍魎の匣 / 京極 夏彦 虚実妖怪百物語 序破急 / 京極 夏彦 絡新婦の理 / 京極 夏彦 匣の中の失落 / 竹本 健治 白夜行 / 東野 圭吾 幻夜 / 東野 圭吾 5 / 佐藤 正午 有限と微小のパン / 森 博嗣 細雪 / 谷崎 潤一郎 夜光虫 / 馳 星周 アポトス / 島田 荘司 哲学者の密室 / 笠井 潔 鍵の掛かった男 / 有栖川 有栖 大江健三郎自選短編 / 大江 健三郎 天帝のはしたなき果実 / 古野 まほろ 魍魎の匣 / 京極 夏彦 文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫) 作者:

            圧倒的レンガ!鈍器すぎる分厚い小説15選(文庫編) - 日々の栞
          • 【綿矢りささん】出産して余裕がないからこそ、書きたい世界がはっきりした/私の「出産」リアルストーリー | LEE

            「出産」は幸せなことだけれど、実際に経験してみると、それだけではないのも現実。 環境や生活の変化に心が落ち込んだり、子どもへの愛情不足を感じたり、仕事との両立に悩んだり……。 LEE世代を代表する4名が、出産を経て感じた心の揺れやリアルな本音を、余すところなく語ってくれました。 この記事は2019年5月7日発売LEE6月号の再掲載です。 私の「出産」リアルストーリー 02 出産して時間も余裕もないからこそ、本当に好きで、書きたい世界がはっきりした 綿矢りささん[作家] PROFILE わたや・りさ●’84年、京都府生まれ。’01年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。’04年『蹴りたい背中』で第130回芥川賞、’12年『かわいそうだね?』で第6 回大江健三郎賞を受賞。新作『生のみ生のままで』(集英社)が6 月発売予定。 出産リアルDATA Q 妊娠中つわりはありましたか? あり

              【綿矢りささん】出産して余裕がないからこそ、書きたい世界がはっきりした/私の「出産」リアルストーリー | LEE
            • 大江健三郎さん、自筆作品の原稿1万枚超を東大文学部に寄託…自作にかける強い執念伝わる資料

              【読売新聞】 ノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎さん(86)が、1万枚を超える自筆原稿を母校の東京大文学部に寄託した。同大が12日、発表した。大学在学中に執筆した著名な短編「死者の奢(おご)り」をはじめ、原稿や校正ゲラなど寄託

                大江健三郎さん、自筆作品の原稿1万枚超を東大文学部に寄託…自作にかける強い執念伝わる資料
              • 講談社文芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                2023年11月30日時点での既刊及び刊行予定の講談社文芸文庫全1,307点(日本1,235点/海外72点、ワイド版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 編者、訳者は一部を除き割愛した。 【日本文学】 阿川弘之『舷燈』 阿川弘之『青葉の翳り 阿川弘之自選短篇集』 阿川弘之『鮎の宿』 阿川弘之『桃の宿』 阿川弘之『論語知らずの論語読み』 阿川弘之『森の宿』 阿川弘之『亡き母や』 阿部昭『単純な生活』 阿部昭『大いなる日/司令の休暇』 阿部昭『無縁の生活/人生の一日』 阿部昭『千年/あの夏』 阿部昭『父たちの肖像』 阿部昭『未成年/桃 阿部昭短篇選』 青柳瑞穂『ささやかな日本発掘』 青柳瑞穂『マルドロオルの歌』 秋山駿『知れざる炎 評伝中原中也』 秋山駿『舗石の思想』 秋山駿『内部の人間の犯罪 秋山駿評論集』 秋山駿『小林秀雄と中原中也』 青山二郎『鎌倉文士骨

                  講談社文芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                • 図書カード使い放題?!|誕生日や記念日、母の日や父の日、クリスマス、お年玉などの季節の贈り物、お祝い、お礼、お返し、ご挨拶に。| 図書カードNEXT

                  もし手元に自由に使える3万円の図書カードNEXTがあったら、あなたならどんな本を買いますか? このコーナーでは、そんな夢のような話を作家さんに体験していただき、どんな本を選んだかを大公開! 図書カードNEXTで本を選ぶ楽しみをあなたも疑似体験してください。 欲しい本を見つけに <プロフィール> 綿矢りさ(わたや・りさ) 1984年、京都府生まれ。2001年『インストール』で文藝賞を受賞しデビュー。04年『蹴りたい背中』で芥川龍之介賞受賞。12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、同年に京都市芸術新人賞、20年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞受賞。他の著書に『勝手にふるえてろ』『私をくいとめて』『オーラの発表会』『嫌いなら呼ぶなよ』『パッキパキ北京』など。 今月の図書カード3万円お買い物は綿矢りさ氏が登場! 台湾発の総合書店をぐるぐるまわって旅行ガイドから危険生物百科、坂道の本にSFまで

                  • 【特別版】井上荒野さん「その人にしか書き得なかったものを読みたい」 小説家になりたい人が、小説を選ぶ人に聞いてみた。|好書好日

                    井上荒野さん=高波淳撮影 選考委員の小説観を持ち寄って 第6回「深大寺恋物語」審査員特別賞受賞――それが清の文章歴の中で一番輝かしい部分だ。そのとき、審査員の一人だったのが井上荒野さん。以前、『生皮』のインタビューでお目にかかったとき、「じつは私、井上さんに深大寺恋物語で小説を選んでいただきまして……」というと、すぐに「あ、あの象に似た背中を持つ男が出てくる……!」と思い出してくださり、感激した。小説を選ぶ側の本気を見たように思った。 「小説を選ぶってね、自分の小説観が露(あらわ)になるので、すごく面白いんですよ。私はこういうものをいい小説だと思っているのかって」 井上さんが初めて選考委員を務めたのが「深大寺恋物語」。2005年のことだ。400字詰原稿用紙で10枚という超短編で、深大寺周辺を舞台とし、恋愛要素を入れるという、縛りの多い文学賞だ。 「当初は、文芸の新たな才能を発掘、というより

                      【特別版】井上荒野さん「その人にしか書き得なかったものを読みたい」 小説家になりたい人が、小説を選ぶ人に聞いてみた。|好書好日
                    • 『ドリーミング村上春樹』絶賛配信中!!

                      ムラカミ・ワールドを巡る冒険 村上春樹の翻訳家のメッテ・ホルムは1995年、『ノルウェイの森』と出会って以来、20年以上村上春樹の作品をデンマーク語に翻訳してきた。村上春樹の作品はこれまで世界50言語以上に翻訳されてきたが、そのほとんどが英語からの翻訳となり、メッテのように日本語から直接翻訳することは珍しかった。映画は2016年、村上春樹がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れ王立図書館でメッテと対談する瞬間と、同時期にメッテが村上春樹のデビュー小説『風の歌を聴け』を翻訳する貴重な姿を追う。村上春樹作家活動40周年に贈る特別なドキュメンタリー。 ​ メッテは『風の歌を聴け』の一文について想いをめぐらせる。現実と空想の世界が重なり合う村上春樹の世界観は翻訳家によって解釈が異なる。メッテは世界中の村上春樹の翻訳家たちと議論を重ね、理解を深めるため日本を訪れる。故郷の芦屋を歩き、小説の舞台

                        『ドリーミング村上春樹』絶賛配信中!!
                      • 「病んだ言葉 癒やす言葉 生きる言葉」阿部公彦さんインタビュー 言葉の「弱さ」、今こそ大事なとき|好書好日

                        阿部公彦さん=家老芳美撮影 阿部公彦(あべ・まさひこ) 1966年、神奈川県生まれ。英文学者。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ケンブリッジ大学大学院で博士号取得。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は近現代の英米小説や英米詩だが、英・米の境界や小説・詩の境界にこだわることなく、日本の詩や小説も含みながら、個別のテーマを設定して研究している。主な著書に『文学を〈凝視する〉』(岩波書店)、『英文学教授が教えたがる名作の英語』(文藝春秋)など、訳書にマラマッド『魔法の樽 他十二篇』、オコナー『フランク・オコナー短篇集』(いずれも岩波文庫)などがある。 強い言葉がもてはやされる世の中で ――書名の「病んだ言葉」とはどういうことでしょう? 最近、言葉の強さばかりが注目されていると思いました。言葉の上手な使い手、インパクトのあることを言う人、相手を論破する人など、言葉の「強面さ」み

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                        • 校正をすると人に優しくなる。校正者・牟田都子『文にあたる』インタビュー | FREENANCE MAG

                          校正をすると人に優しくなる。校正者・牟田都子『文にあたる』インタビュー 2022/09/22 2023/08/15 フリーランスの校正者である牟田都子さんが、初の単著『文(ぶん)にあたる』(亜紀書房)を上梓されました。校正の仕事にまつわるあれこれを、親しみやすく落ち着いた筆致で綴ったエッセイです。 各種の資料を参照して調べ抜きながら、赤ペンではなく鉛筆を使って著者や編集者に「おたずねする」という牟田さんの仕事のスタイルは、「誤字脱字や事実関係の誤りを正す、厳格な仕事」といった校正職への先入観を快く裏切る柔軟さ。 校正者になった経緯、どうすれば上達するのか、辞書の使い方、好きな誤植・致命的な誤植など、校正の仕事の楽しさと難しさが体に染み込むように理解できると同時に、牟田さんの「おもしろまじめ」なお人柄も伝わる一冊です。 赤字ではなく鉛筆で 荻窪の本屋Titleの展示(※)もそうでしたが、編集

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                          • あの作品に触れて小説家になれないと思った――田原総一朗インタビュー第1回 - カクヨムからのお知らせ

                            2022年4月15日に米寿を迎える田原総一朗。メディア業界の様々なタブーに挑戦してきたジャーナリストである田原総一朗は、実はもともと小説家になりたいという夢を持っていた。田原総一朗というキャラクターをより深く知ってもらうため、88年の歩みを振り返る全3回のインタビュー。第1回はなぜジャーナリストを目指そうと思ったのか、生い立ちから大学卒業までの話を聞きました。 Web小説サイト「カクヨム」 カクヨム誕生祭2022 ~ 6th Anniversary ~ - カクヨム特設ページ 『田原総一朗』の二次創作小説・SS一覧(人気順) - カクヨム 日本初の「AV男優」!? 体当たり取材の原点――田原総一朗インタビュー第2回 - カクヨムからのお知らせ 小説家を諦めさせた二人の天才 ――田原さんといえば『朝まで生テレビ!』や『激論!クロスファイア』での弁舌鋭い司会者・ジャーナリストの印象が強いですが

                              あの作品に触れて小説家になれないと思った――田原総一朗インタビュー第1回 - カクヨムからのお知らせ
                            • 芥川賞作家としての長嶋有、コラムニストとしてのブルボン小林、20年間の活動を振り返る! | ダ・ヴィンチWeb

                              汲めども尽きぬ創作意欲の持ち主。2021年にデビュー20周年を迎えた小説家・長嶋有氏について形容するなら、そんな風に言えるだろう。1972年生まれ。小説家としては、02年に『猛スピードで母は』(文藝春秋)で芥川賞、07年『夕子ちゃんの近道』(単行本は新潮社/文庫は講談社)で第1回大江健三郎賞、16年『三の隣は五号室』(中央公論新社)で第52回谷崎潤一郎賞を受賞。一方で、漫画やゲームにも詳しく、「ブルボン小林」名義で『マンガホニャララ』(文藝春秋)『ゲームホニャララ』(エンターブレイン)などのコラム集を上梓。また、アイロンやマグライトなど、家電の出てくる文学作品について論じた『電化文学列伝』(講談社文庫)という類稀なる本も刊行している。 『ルーティーンズ』(長嶋有/講談社) さらには、俳句を作ったり、互いの作品を論じたりする句会にも参加。米光一成氏、千野帽子氏、堀本裕樹氏との共著『東京マッハ

                                芥川賞作家としての長嶋有、コラムニストとしてのブルボン小林、20年間の活動を振り返る! | ダ・ヴィンチWeb
                              • 【純文学の100万部超】芥川賞5作品がベストセラーになった理由

                                1987年生まれ。村上春樹や太宰治など100人以上の書き手を文体模写した『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』(共著・宝島社)がシリーズ累計17万部。『芥川賞ぜんぶ読む』(宝島社)では1935年~2018年までの芥川賞受賞作180作をすべて解説した。そのほか『小説幻冬』(幻冬舎)で「ニャタレー夫人の恋人」を連載、『ヤングキング』(少年画報社)で「めぞん文豪」の漫画原作を神田桂一氏とともに担当。 タイム・スリップ芥川賞 なぜ、「あの作品」が芥川賞に選ばれたのか? そもそも文学は、なんのためにあるのか? 文学を知らない少年が、異常に文学好きな科学者の博士に連れられて、時代を動かした芥川賞作品が「生まれた現場」に時間旅行する。 小説を読む前にわかる「名作の価値」と「戦後日本人の歴史」。 前代未聞の文学エンターテインメント!! バックナンバー一覧 芸術性の高い「純文学作品」は基本的に売

                                  【純文学の100万部超】芥川賞5作品がベストセラーになった理由
                                • 2023/04/08 - 偽日記@はてなブログ

                                  ●保坂和志の小説的思考塾。今回は「ポリコレ問題」が主題。聞いている側としても緊張状態に置かれるような題材だ。以下は、内容の紹介でも、保坂さんの発言に対するコメントでもなく、話を聞きながら考えたり、思い出したりしたこと。 ●セクシャリティにかんする言葉遣いはここ十年、二十年くらいで大きく変化した。その影響は、例えば保坂さんが「性転換手術」と言ったときに、それは今は「性適合手術」と言うんだよなあと自動的に思ったりする程度には、ぼくも受けている。だけど二十年前には、同性愛とトランスジェンダーと性同一性障害との区別の認識も曖昧だった。能町みね子のデビュー作は『オカマだけどOLやってます。』というタイトルだが、今の能町みね子は決して「オカマ」という言葉は使わないだろう(能町みね子の本は『結婚の奴』しか読んでないが)。しかし、2005年当時はまだ、社会に流通している言葉で自分を表現する言葉が「オカマ」

                                    2023/04/08 - 偽日記@はてなブログ
                                  • 「あらゆることを書き尽くした」巨匠・筒井康隆、最後の作品集はSF、ブラックユーモア、グロテスクなど全ジャンル詰め込み〈インタビュー〉 | ダ・ヴィンチWeb

                                    『時をかける少女』『日本以外全部沈没』『七瀬ふたたび』『残像に口紅を』など、時代を超えて読み継がれる数々の傑作を生み出してきた巨匠・筒井康隆さん。そんな巨匠が自ら、「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」と宣言する掌篇小説集『カーテンコール』(新潮社)がこのたび上梓された。今年89歳を迎えられた筒井さんは、どのような思いで、この作品集を紡ぎ上げたのか。文学界や愛読者たちの間で話題を呼んでいる本作の執筆の裏話を伺った。 (取材・文=アサトーミナミ 撮影=金澤正平) 「もうこれ以上はないな」と思える“最後の作品集” 「わが最後の作品集になるだろう」との言葉を聞いた時、おそらく多くの筒井康隆ファンたちは、「読まないわけにはいかない」と思うのと同時に、「そうはいっても筒井先生ならば、これからまだまだたくさんの作品を書き続けてくれるのではないか」とも思ってしまったのではないだろうか。なぜなら、

                                      「あらゆることを書き尽くした」巨匠・筒井康隆、最後の作品集はSF、ブラックユーモア、グロテスクなど全ジャンル詰め込み〈インタビュー〉 | ダ・ヴィンチWeb
                                    • 加速主義はここから始まった——。ニック・ランド唯一の主著『絶滅への渇望』訳者あとがきから、その核心に迫る!!|Web河出

                                      訳者あとがき 加速主義はここから始まった——。ニック・ランド唯一の主著『絶滅への渇望』訳者あとがきから、その核心に迫る!! 五井健太郎 2022.04.11 【ニック・ランド『絶滅への渇望』刊行記念 第1回】 英国出身の哲学者ニック・ランドは、「加速主義」や「思弁的実在論」の源流として、またオルタナ右翼に哲学的基盤を与えた人物として注目を集めています。このたび、ランドの第一作にして唯一の主著『絶滅への渇望』が刊行されました。ランドの思想が凝縮したかたちで展開される本書は、ヒューマニズム/多文化主義/平等主義/進歩主義など近代の民主主義的な価値観を根源的に否定する危険な思想にも読めますが、同時に現代を生きる私たちの生の痛みそのものにも読めます。ここに掲載した「訳者あとがき」を通じてその一端に触れていただき、本書を手にとっていただけたら幸いです。(編集部) 「死を味わう」者たちのために――訳者

                                        加速主義はここから始まった——。ニック・ランド唯一の主著『絶滅への渇望』訳者あとがきから、その核心に迫る!!|Web河出
                                      • 大江健三郎と翻訳『私という小説家の作り方』の感想 - 世界のねじを巻くブログ

                                        英語と日本語の狭間で 毎月一回、なにかを翻訳するつもりでしたが、 題材を探す時間や訳する余裕がなかったので、 今回は大江健三郎の翻訳に関する文章を軽く紹介。 この『私という小説家の作り方』という本は、 "作家になった経緯"について大江健三郎自身が振り返る自伝的な一冊なのですが、 翻訳に関する章がなかなかよかったのでざっくりと。 ところが私にとっては、フランス語を読む――英語を読む――ということは、さきにいったとおり、もう一方に日本語での表現を対置してみる、ということにこそ意味があるのだった。 Kindle位置32 私には、フランス語のテキストーあるいは英語のーと日本語のそれ、そして自分(の言語)という三角形の場に生きていることが、もっとも充実した、知的また感情的な経験なのだった。  Kindle位置32 ちなみに、大江健三郎は翻訳家ではないので、 翻訳した文章を本として出版したことはないそ

                                          大江健三郎と翻訳『私という小説家の作り方』の感想 - 世界のねじを巻くブログ
                                        • 教えられないことを教える大学 - jun-jun1965の日記

                                          大学では、「学問」という「教えられること」を教えるところではあるが、一部、教えられないことも教えている。人文系の学科において、小説の書き方などを教えているところがあるが、小説の書き方は、基礎は教えられるがそれ以上はやはり才能である、ということは、まあたいていの人が分かっているからいいのだが、「批評」というのも、才能がなければ書けないのである。このへんは、教えている方はわりあい分かっているのだが、教わっている方は割合分かっていない。 北村紗衣の『批評の教室』(ちくま新書)が売れているようだが、これは、大学の学部生向け、特に北村が教える武蔵大学の学部生が、批評もどきを書くための手引きであって、実際にこれを読んでも批評としては面白くない。そういうものを新書として出すべきか、ちょっと私には疑問がある。 この本にも蓮實重彦の名前が出てくるのだが、私は蓮實の「大江健三郎論」などのテマティック批評は、特

                                            教えられないことを教える大学 - jun-jun1965の日記
                                          • 市川沙央 - Wikipedia

                                            市川 沙央(いちかわ さおう、1979年 - )は、日本の小説家である。 経歴[編集] 2012年(平成24年)春学期に八洲学園大学へ特修生入学し、2013年4月から正科生[1]となる。 2019年(令和元年)、早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科に入学[2]。卒業論文「障害者表象と現実社会の相互影響について」で小野梓記念学術賞[3]を受賞。 2023年に「ハンチバック」で第128回文學界新人賞[4]受賞。同作で第169回芥川龍之介賞[5]受賞。 2024年に神奈川県大和市の市民栄誉賞を授与された[6]。 人物[編集] 神奈川県大和市に在住し、大和市内の小中学校を卒業[7]した。 筋疾患先天性ミオパチーにより症候性側弯症を罹患し、人工呼吸器と電動車椅子[8]を常用する。芥川賞の授賞式では電子書籍のさらなる普及など「読書バリアフリー」の推進を訴えた[9]。 療養生活のため就職が難しい

                                            • 【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 『すずめの戸締り』とはなんなのか?――徹底討論|作品社

                                              *注意:この記事にはネタバレが含まれています 二〇一六年の『君の名は。』で二五〇億円を超える興行成績をあげ、日本映画の歴代興行成績二位に躍り出た監督・新海誠(現在は三位)。その影響力はもはや国民的と言うべきであろう。次作『天気の子』も一四〇億円を超える成績を挙げ、広範な支持を得ている。アメリカのアカデミー賞への招待、『君の名は。』のハリウッドリメイク、国際的な映画祭での受賞等々、国際的な評価も高い。二〇二一年一一月一一日公開『すずめの戸締り』は、ロングランヒットを続けている。 気鋭の批評家二人が、初期作から最新作まで、政治・社会的なテーマをも織り込んで、その魅力について徹底討論。その模様を2回に分けてお伝えしていきます。 ■ポスト批評時代のアニメーション映画杉田 藤田さんが『新海誠論』を出されてから、結構過ぎました。新刊の反応はいかがですか。 藤田 まだそれほど多くはありません。小川公代さ

                                                【対談#1】藤田直哉×杉田俊介 『すずめの戸締り』とはなんなのか?――徹底討論|作品社
                                              • 対談 大江健三郎+浅田彰 平成2年5月1日朝日新聞夕刊

                                                平成2年5月1日朝日新聞夕刊 対談 大江健三郎氏&浅田彰氏 近代批評について 大江:僕は浅田さんのお仕事をずっと読んできましたが、小説についての発言に良い感情を抱いています。それは、なにより理解可能だからです。文学を始めたころ、たまたま浅田さんが生まれられた年ですが、つねに不安だったのは、文芸批評がよく理解できないことでした。「季刊思潮」で、浅田さん、柄谷さんらが日本の批評を回顧された座談会も気持ちが良かった。難しいが理解はできるので。 浅田:あそこではいろいろ放言しちゃって(笑い)。 大江:浅田さんにも理解可能な人間とそうでないタイプとがあるようですね。理解可能なタイプが、以前、山口昌男さんについていわれた「ヘルメス型」じゃないか。日本人によくある、暗い心のひだにこだわって考えこむのとは違い暗い所も明るい所も自由に行き来する知識人。逆に、遺恨というものが文章を書く動機になっている人間をあ

                                                  対談 大江健三郎+浅田彰 平成2年5月1日朝日新聞夕刊
                                                • 語ることで見えてきた偶然の運命:私の謎 柄谷行人回想録⑧|じんぶん堂

                                                  記事:じんぶん堂企画室 「群像」1969年6月号(講談社)。群像新人賞が発表され、評論部門で柄谷さん、小説部門の受賞者は後に芥川賞や野間文芸賞を受賞する李恢成さんが当選した 書籍情報はこちら ――69年5月、柄谷さんは夏目漱石論で群像新人文学賞評論部門を受賞し、本格的な文壇デビューを果たします。 《受賞作「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」(単行本収録時に、「意識と自然――漱石試論(Ⅰ)」に改題)は、『門』や『こころ』といった漱石の長編小説ではテーマが分裂しているという指摘から始まる。しかし柄谷さんはそれを「構成的破綻」と言って終わらせるのではなく、漱石が多義的に使う〈自然〉という言葉に着目し、シェークスピアやエリオット、キルケゴールなどを援用しながら読み解いていく》 柄谷 応募したのは、68年の冬かな。そのとき、父が癌だったのですが、秋に書き終わってまもなく亡くなりました。だから、父は僕が

                                                    語ることで見えてきた偶然の運命:私の謎 柄谷行人回想録⑧|じんぶん堂
                                                  • 江戸川乱歩の発禁本「芋虫」は衝撃的/大岡昇平『レイテ戦記』第1巻(中公文庫2018年改版)と特攻隊 - KJ's Books and Music

                                                    昨年(2021年)は読んだ100冊のうち42冊がアガサ・クリスティだった。今年はその比率を減らそう、というより自動的に減ることになる。というのは、ポワロもの長篇の6割(33冊中20冊)とミス・マープルもの長篇の半分(12冊中6冊)を読み終え、短篇集も半分以上(ハヤカワのクリスティ文庫で14冊中8冊)読み、今年に入ってもトミー&タペンスものの2冊目と3冊目(短篇集『おしどり探偵』と長篇『NかMか』)を読んで、こちらも6割(5冊中3冊)になったからだ。しかし、まだミステリ読みの惰性が強く残っているので、3年前に手を出した江戸川乱歩(下記リンク参照)に再び手を出した。 kj-books-and-music.hatenablog.com 3年前は角川文庫を読んだが、今回は新潮文庫の傑作選を読んだ。短篇9篇が収録されている。うち「二銭銅貨」、「D坂の殺人事件」、「心理試験」の3篇は、3年前に読んだ角

                                                      江戸川乱歩の発禁本「芋虫」は衝撃的/大岡昇平『レイテ戦記』第1巻(中公文庫2018年改版)と特攻隊 - KJ's Books and Music
                                                    • 「あるものはある」──養老孟司が語る脳と戦争と日本の未来(前篇)|養老孟司+茂木健一郎+東浩紀

                                                      脳科学者の茂木健一郎さんがホストを務める「モギケンカフェ」シリーズ。2022年5月8日に行われた第4弾では、解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司さんをお迎えしました。後半からは東浩紀も参加し、養老さんが見る戦前と戦後、「脳化」と人文知、来るべき東南海地震とその後の社会の展望まで、スケールの大きなお話をうかがいました。 イベントのアーカイブ動画は、シラスで11月5日まで公開中です。(編集部) 養老孟司×茂木健一郎 途中登壇=東浩紀「モギケンカフェ#4 なぜ脳を語るのか──唯脳論、脳化社会、クオリア」(番組URL=https://genron-cafe.jp/event/20220508/) イベント当時の様子。左から東浩紀、茂木健一郎、養老孟司 バラバラを自覚する 茂木健一郎 みなさん、本物の養老先生です(拍手)。ぼくと養老先生は25年来の付き合いです。養老先生が『脳とクオリア』(1997年

                                                        「あるものはある」──養老孟司が語る脳と戦争と日本の未来(前篇)|養老孟司+茂木健一郎+東浩紀
                                                      • <土曜訪問>使われ続けた「絵」 『私小説・夢百話』 大江健三郎さんの魂に装丁者としてささぐ 司修(つかさ・おさむ)さん(画家):東京新聞 TOKYO Web

                                                        絵と文-二つの筆を操る司修さん(87)ならではの最新刊だ。六月刊行の『私小説・夢百話』(岩波書店)は、この四十年の間に見てきた夢の世界の表現を自らの絵と文章と装丁とで完結させている。東京都武蔵村山市にある緑豊かなアトリエを訪ねると、司さんは穏やかな語り口で説明した。

                                                          <土曜訪問>使われ続けた「絵」 『私小説・夢百話』 大江健三郎さんの魂に装丁者としてささぐ 司修(つかさ・おさむ)さん(画家):東京新聞 TOKYO Web
                                                        • 大江健三郎さん死去 ノーベル文学賞作家、88歳:時事ドットコム

                                                          大江健三郎さん死去 ノーベル文学賞作家、88歳 2023年03月13日20時13分 大江健三郎さん 現代人の魂の救済をテーマに文学的な思索を重ね、日本人で2人目のノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎(おおえ・けんざぶろう)さんが3日、老衰のため死去した。88歳だった。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻ゆかりさん。後日お別れの会を開く予定。 被爆地・広島などから悼む声 平和運動に深い関わり―大江さん死去 愛媛県大瀬村(現内子町)生まれ。東京大仏文科在学中に作家デビューし、1958年に「飼育」で芥川賞を受賞した。戦後民主主義世代の文学の旗手となり、右翼少年の内面を描いた「セヴンティーン」や「性的人間」などで注目された。 知的障害を抱えた長男光さんの誕生が転機となり、64年に「個人的な体験」を発表。実人生を基にした小説で、後の「新しい人よ眼ざめよ」などに連なる作品群の基点になった。 広島の被爆

                                                            大江健三郎さん死去 ノーベル文学賞作家、88歳:時事ドットコム
                                                          • 「青空文庫」:過去の名作を無料で読めます。 - シニアライダーの日常・R1200Rと共に

                                                            表題の「青空文庫」というのを御存じですか? 著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館です。 著作権保護期間はこれまで著者の死後50年とされていたのですが、2018年に発効したTPP11で70年と改正されたそうです。ということは、1949年以前に亡くなった方の著作なら著作権は消滅している訳で、我々が子供の頃から知っている明治の文豪の作品などは全く問題ないという事になります。 ただこの「青空文庫」はボランティアにより入力・校正がおこなわれていますので、必ずしも有名な作品、人気の作品がとりあげられると言う訳ではないようです。 それでも先日投稿した「人間失格」の太宰治の作品などは多数収録されています(太宰治は1948年没です)し、私はその他にも梶井基次郎、有島武郎、坂口安吾などはKindleで入手して再読しています。 映画「人間失格」を見に行くに

                                                              「青空文庫」:過去の名作を無料で読めます。 - シニアライダーの日常・R1200Rと共に
                                                            • 台湾、あるいは孤立無援の島の思想 | 民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて | みすず書房

                                                              台湾は近代以降、清、日本、中華民国、アメリカという複数の帝国による連続的な支配を受け、またその複雑な民族構造のために統一的なナショナリズムや共通の歴史認識の形成を阻まれてきた。台湾の主体化を達成すべく、人々は歴史を紐解き、過去の国家暴力や不正義をただして内部的な分断を乗り越えることを通じて民主化を推し進め、生存空間を共にする者たちの同盟としての「台湾民族」と、多元・民主・平等に基づいて同盟を強化するためのイデオロギーとしての「台湾ナショナリズム」を志向した。しかしそうした内部的な努力にもかかわらず、国際社会においては、主権国家体制からの排除や、新興の中国を含む諸帝国の狭間にあるという地政学的構造に起因する現実政治の桎梏を自力で克服することはできず、その命運はいまなお強権によって掌握されている。 台湾の市民社会はそうした賤民(パーリア)的境遇を自覚的に引き受け、新たな帝国と資本主義による支配

                                                                台湾、あるいは孤立無援の島の思想 | 民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて | みすず書房
                                                              • やれやれだぜ。レイモンド=チャンドラー『長いお別れ』解説、あらすじ!! - 桜の園でつかまえて

                                                                始めに 始めに 語りの構造、背景知識 等質物語世界の語り手(フィリップ=マーロウ)を育んだもの アフォリズム(風習喜劇)、リアリズム 変人チャンドラー BL作家チャンドラー 物語世界 あらすじ 総評 結構癖が強い小説 関連作品、関連おすすめ作品 参考文献 始めに 始めに 今年、チャンドラリアン(?)の原りょうが亡くなられました。新作が話題になっている村上春樹もチャンドラーファンとして、屡々やれやれすることが知られています。また、私も最近インスタでポルノ画像を要求されやれやれしていることが知られています。そこでやれやれ名人(?)チャンドラーの代表作、『長いお別れ』について解説レビューを書いていきます。 リンク 語りの構造、背景知識 等質物語世界の語り手(フィリップ=マーロウ)を育んだもの ハードボイルド小説といえば、等質物語世界の語り手を設定し、その視点から見聞きしたエピソードを書き綴るとい

                                                                  やれやれだぜ。レイモンド=チャンドラー『長いお別れ』解説、あらすじ!! - 桜の園でつかまえて
                                                                • 現代の戦争!戦後生まれの作家が描いた戦争小説まとめ - 日々の栞

                                                                  戦争の形は時代とともに移り変わる。 こんな時代だからこそ、現代作家が描いた戦争小説を紹介したい。 『となり町戦争』 / 三崎 亜記 『小隊』 / 砂川 文次 『わたしたちに許された特別な時間の終わり』 / 岡田 利規 『ヨハネスブルグの天使たち』 / 宮内 悠介 『指の骨』 / 高橋 弘希 『その日東京駅五時二十五分発』 / 西川 美和 『同志少女よ、敵を撃て』 / 逢坂 冬馬 『ベルリンは晴れているか』 / 深緑 野分 『となり町戦争』 / 三崎 亜記 となり町戦争 (集英社文庫) 作者:三崎亜記 集英社 Amazon 現代的戦争の恐怖。ある日、突然に始まった隣接する町同士の戦争。公共事業として戦争が遂行され、見えない死者は増え続ける。現代の戦争の狂気を描く傑作。 『となり町戦争』は小説すばる新人賞を受賞した三崎亜記のデビュー作だ。となり町同士が公共事業として戦争を行うという斬新な設定か

                                                                    現代の戦争!戦後生まれの作家が描いた戦争小説まとめ - 日々の栞
                                                                  • (27)地球から来た男から来た男 - キッチンに入るな

                                                                    [前回…] ■ Q: (1)ことし中学1年生になった甥に暑中見舞いを書いていたら、(2)角川文庫の星新一『地球から来た男』を読み返したくなり、(3)それで読んだらしんみりした。 (1)、(2)、(3)のつながりを述べよ。[500字程度] ■ A: しらじらと明けてきた畳の部屋に、オモチャのように小さな座卓が置いてある。 黒くて細い金属の棒をコの字に曲げ、両端を床に向ける。同じ物をあと3つ揃え、上から見て四角になるようネジで留めると4本脚の骨組みになる。そこにガラスの板を載せただけ。いちおう、ガラスがズレないよう骨組みのほうに出っぱりが何ヶ所かついているが、これ以上なく簡単な作りの座卓である。その透明な天板に、文庫本が1冊載っているのが今でも見える。 中学1年の夏休みになってすぐ、それまでしたことのない徹夜という行為をしてみたくなった。前日から家族にそう伝え、明日は決して起こしてくれるな、朝

                                                                    • 漢字ふむふむSP(4月からレギュラー化) - 好きなことを知っている人は、しあわせ

                                                                      Eテレミニ番組漢字ふむふむ。 2021年度は、不定期放送の流浪の番組でしたが、4月からはレギュラー番組に。 それを記念してスペシャル番組が放送されました。 2022年2月26日 Eテレ 午後3時30分から。 NHK+で見逃し配信中。 www.nhk.jp 2022年4月からのレギュラー放送 火曜 夜 11時15分から 金曜 昼 12時45分から スペシャル番組のMCはネプチューンの堀内健。 その他の出演者は、ハリセンボン近藤春菜、TIMゴルゴ松本、コスプレーヤーえなこ、漢検準1級取得の小学6年生阿部花音ちゃん他。 日本にいる中国人の体験談を交えながら、日本語と中国語、漢字の意味の違いについて、クイズが出題されました。 問題1 絆と言う漢字、中国での悪い意味は? 答 中国語で絆という漢字は、綱(つな)という意味、そこから転ばせる、罠(わな)にはめるという意味に。 ゴルゴ松本 日本語の絆(きず

                                                                        漢字ふむふむSP(4月からレギュラー化) - 好きなことを知っている人は、しあわせ
                                                                      • 大江健三郎作品を読む 作家・小野正嗣|好書好日

                                                                        堀江栞 輪郭♯5 名著は問う、社会のいまを このひと月は、ずっと大江健三郎ばかり読んでいる。 NHKのEテレに「100分de名著」という番組がある。9月に大江の長篇(ちょうへん)小説『燃えあがる緑の木』(新潮文庫)が取り上げられることとなり、僕が講師を担当するのだ。 『燃えあがる緑の木』は、3部から構成され、1993年から毎年1部ずつ文芸誌「新潮」に掲載された。いまでもよく覚えているが、大学生だった僕は、単行本化が待ちきれず、「新潮」を買って読んだ。 この長篇の第2部が刊行された94年に、大江はノーベル文学賞を受賞する。当時まだ日本語でしか読めなかったこの作品は、ノーベル賞につながる大江の国際的な評価には直接の貢献はしてないのかもしれない。 しかし、改めて読み直してみると、名著に値する作品だと痛感する。ほぼ四半世紀前に書かれたにもかかわらず、まるで古びておらず、それどころか僕たちの社会の〈

                                                                          大江健三郎作品を読む 作家・小野正嗣|好書好日
                                                                        • 長男・光さんとの暮らし「創作の礎」に…大江健三郎さん、人類の倫理と共生を問う作品紡ぐ

                                                                          【読売新聞】 世界の文学の第一線で執筆した日本人2人目のノーベル文学賞作家の大江健三郎さんが3日、死去した。障害を抱えた長男、 光 ( ひかり ) さんと暮らし続けた作家は、その一個人の経験をもとに、人類全体の倫理と共生を広く問う作

                                                                            長男・光さんとの暮らし「創作の礎」に…大江健三郎さん、人類の倫理と共生を問う作品紡ぐ
                                                                          • 読書日記983 - はてなブログ大学文学部

                                                                            読んだ本 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "すぐれた資質に恵まれて、いきいきとしているひとりの人間に対し、十人は凡庸で生活力に乏しい。そしてすぐれた政治の目的は、後者が、自分よりすぐれている者が当然就くべき社会秩序における地位を絶対に奪わぬようにすることである。" (マイケル・ヤング『メリトクラシー』P50) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 執行草舟氏の働きかけによって本書が復刊されたとされる。 Amazonのレビューにはマイケル・サンデルの『実力も運のうち』が話題を呼んでいることから復刊に至ったのではないか、と見ている人間がいるが、恐らく関係ない。 執行草舟氏が本書を強く推しているのは平等主

                                                                              読書日記983 - はてなブログ大学文学部
                                                                            • 大江健三郎『セヴンティーン』と自意識過剰という病: 鶴見済のブログ

                                                                              「俺は自分を意識する、そして次の瞬間、世界じゅうのあらゆる他人から意地悪な眼でじろじろ見つめられているように感じ、体の動きがぎこちなくなり、体のあらゆる部分が蜂起して勝手なことをやりはじめたように感じる。

                                                                              • 追悼。大江健三郎『万延元年のフットボール』レビュー! - 桜の園でつかまえて

                                                                                始めに 始めに 語りの構造、背景知識 フォークナー、アナール学派、文化人類学の影響 スポーツと宗教を結ぶ文化人類学 象徴的手法 物語世界 あらすじ 総評 大江健三郎が新たなステージに登った時期の作品 関連作品、関連おすすめ作品 参考文献 始めに 始めに 大江健三郎の死を悼み、代表作『万延元年のフットボール』のレビューを書いていきたいと思います。 リンク 語りの構造、背景知識 フォークナー、アナール学派、文化人類学の影響 大江健三郎は初期からモダニズム文学者ウィリアム=フォークナーの影響が顕著です。コンラッドやT.Sエリオットといったモダニズムの潮流を汲むフォークナーは、たとえばアナール学派が設定したような問題意識から、過去の歴史を物語ろうとします。文化人類学、社会学の分析枠組みを導入し、世相史や社会史の記述を試みたり、ミクロなアクターの視点・現象からの記述やマクロなシステムの構造的考察とい

                                                                                  追悼。大江健三郎『万延元年のフットボール』レビュー! - 桜の園でつかまえて
                                                                                • 休校中の子どもたちは本当に学んでいないのか? - 鈴木大裕|論座アーカイブ

                                                                                  休校中の子どもたちは本当に学んでいないのか? 「自由」の中で不自由な子どもたち 鈴木大裕 教育研究者 土佐町議会議員 時間がまったく動かない、と僕はいら立ちながら考えた。家畜がそうであるように、時間もまた、人間の厳しい監督なしでは動こうとしないのだ。時間は馬や羊のように、大人の号令なしでは一歩も動かない。 この少年の言葉を読んで、あなたは何を思っただろうか。 実はこれ、大江健三郎の短編小説『芽むしり仔撃ち』からの一節だ。戦時中、感化院に保護された「不良少年」たちが集団疎開する物語だ。 子どもたちが到着してまもなく、山奥の疎開先の村は疫病に襲われ、村人たちは突然、ひっそりと村を捨てて出ていく。自分たちをまるで動物のように扱う村人の監視から急に解放され、戸惑う子どもたち。経験したことのない「自由」の中で不自由な彼らの姿は、どこかコロナ支配下の日本の子どもたちと重なって見える。 あなたの周りにも

                                                                                    休校中の子どもたちは本当に学んでいないのか? - 鈴木大裕|論座アーカイブ