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kj-books-and-music.hatenablog.com
坂本龍一の訃報に接して1か月以上が経ったが、未だに私の主たる関心事は音楽、音楽史及び音楽の受容史であり続けている。 弊ブログの読者には政治に関心がある方が多いと思うので、それに絡めて書くと、私は1980年代初めに当時の国鉄吉祥寺駅*1に付随した商業施設「ロンロン」の2階で立ち読みした現代音楽の作曲家・柴田南雄(1916-1996)の本に、世界中のあらゆる国の大衆音楽がことごとく西洋音楽の語法を用いた音楽になってきているとの指摘に目を開かされた。だから柴田を含む現代音楽の作曲家たちは自国を中心とした民族音楽を取り入れようとするのかと思った。 坂本龍一自身も柴田南雄に言及している。 mikiki.tokyo.jp 以下引用する。 ――坂本さんが高校1年生だった67年11月9日に、小澤征爾の指揮、鶴田錦史の琵琶、横山勝也の尺八、ニューヨーク・フィルハーモニックにより、武満氏の「ノヴェンバー・ステ
『kojitakenの日記』に、連日立民代表の泉健太をこき下ろす記事ばかり書いてきたが、日本国総理大臣にして自民党総裁の岸田文雄も泉と同じくらい大嫌いだ。その岸田がますます嫌いになる一幕があった。岸田は年末に東京都心の八重洲ブックセンターで15冊の本を買い込み、うち5冊は17年前の2006年に話題になった亀山郁夫訳光文社古典新訳文庫版のドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』全5巻だったが、岸田はこれを第1巻の途中で投げ出し、長男に読んで中身を教えてくれと言ったのだという。朝日新聞論説委員の駒木明義氏がツイートで呆れていた。 「すぐに諦め、くだんの長男に『読んで内容を教えてくれ』と託したそうです」(官邸関係者) ほんまかいな。「長男」に読ませるとか、話が出来過ぎの気も。 岸田文雄首相の思わぬ“挫折”…正月休暇用に購入した『カラマーゾフの兄弟』を1巻で投げ出していた! | Smart FLAS
かつての朝日新聞のスター記者にして、1992年以降は『週刊金曜日』の創設者として知られる本多勝一が1980年代に書いた『アムンセンとスコット』(単行本初出は教育社,1986)が昨年末に朝日文庫入りした。それを買い込んで積ん読にしていたが、読み始めたら面白く、引き込まれていった。 publications.asahi.com 著者の本多勝一自身の名前がクレジットされた記事がネットでも読める。下記はプレジデント・オンラインという、かつての本多からは結びつきが考えられないサイトへのリンク。 president.jp 本多は『アムンセンとスコット』では、1980〜90年代の彼が愛用した「ノルヱー」(ノルウェー)や、片仮名の「ワ」「ヰ」に濁点を振って英語などの "va", "vi " の発音を表そうとした独特の片仮名表記を用いているが、上記プレジデント・オンラインの記事では「ノルウェー」という普通の
昨年(2021年)は読んだ100冊のうち42冊がアガサ・クリスティだった。今年はその比率を減らそう、というより自動的に減ることになる。というのは、ポワロもの長篇の6割(33冊中20冊)とミス・マープルもの長篇の半分(12冊中6冊)を読み終え、短篇集も半分以上(ハヤカワのクリスティ文庫で14冊中8冊)読み、今年に入ってもトミー&タペンスものの2冊目と3冊目(短篇集『おしどり探偵』と長篇『NかMか』)を読んで、こちらも6割(5冊中3冊)になったからだ。しかし、まだミステリ読みの惰性が強く残っているので、3年前に手を出した江戸川乱歩(下記リンク参照)に再び手を出した。 kj-books-and-music.hatenablog.com 3年前は角川文庫を読んだが、今回は新潮文庫の傑作選を読んだ。短篇9篇が収録されている。うち「二銭銅貨」、「D坂の殺人事件」、「心理試験」の3篇は、3年前に読んだ角
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を再読したあと、本を2冊読んだ。うち1冊は、今月出たばかりの田中雄一著『ノモンハン事件 責任なき戦い』(講談社現代新書)を読んだが、これはあまり良くなかった。 bookclub.kodansha.co.jp この本は昨年(2018年)夏に放送されたNHKスペシャル(未視聴)をベースに書籍化した内容らしいが、専門家の知見として頼っているのが主に秦郁彦であるのがいただけないし、何より辻政信に対する突っ込みが甘過ぎる。例えばあとがきに、 旧軍を象徴する“悪”の象徴として描かれてきた辻にも人間的な顔があったこと、また辻に光を当てたことで、責任を互いに押しつけ合う陸軍という巨大組織の闇も見えてきた。(231-232頁) などと書かれている。後者はその通りであるにしても、「絶対悪」あるいは「根源的な悪」と呼ばれる巨大な悪行は「根っからの悪人」のみがなし得ることだ、など
このブログはずっと更新してなかったので、広告が表示されていた。年末年始の休みに入ったので久々に更新することにする。 と言っても、4年前からはまっている松本清張のミステリーについて書くのだが、最近、清張の比較的初期の短篇・中篇集である『黒い画集』を読んだ。1958年から59年にかけて主に「週刊朝日」(「天城越え」のみ「サンデー毎日」)に連載されたものだ。 黒い画集 (新潮文庫) 作者: 松本清張 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1971/10/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (22件) を見る 以下、ネタバレ満載なので、未読かつ読みたいと思われる方はここで読むのを止めて下さい。 この作品集はなにぶん古いので、1950年代後半というか安倍晋三の好きそうな「昭和30年代」の製品の名称などにわからないところがあったりする面白さがある。たとえば「
トマ・ピケティの『資本とイデオロギー』(原書2019, 邦訳みすず書房2023=山形浩生・森本正史訳)は、邦訳が出たばかりの8月下旬に買ったけれどもまだ1ページも読んでいない。まとまった時間がとれないからだが、この本を読みながら連載記事を断続的に公開しているブログ『海神日和』(運営者:だいだらぼっち氏)があるので、その紹介と私自身の勉強のために当該記事をリンクしただけの記事を当ブログに公開することにした。固定エントリにはしないが、ブログ記事の更新が続いている間に限り、定期的に最新記事として筆頭に表示されるようにしようかと考えている。 その前にみすず書房のサイトにリンクを張っておく。 www.msz.co.jp 以下にブログ『海神日和』の『資本とイデオロギー』を取り上げたエントリへのリンクを示す。 kimugoq.blog.ss-blog.jp kimugoq.blog.ss-blog.jp
今月は松本清張作品を下記の中篇一作しか読んでいない。 神と野獣の日 (角川文庫) 作者: 松本清張 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング 発売日: 2008/05/24 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (5件) を見る 裏表紙に、下記のように書かれている。 「重大事態発生です」―ある早春の午後、官邸の総理大臣にかかってきた、防衛省統幕議長からの緊急電話が伝えた。Z国から東京に向かって誤射された、5メガトンの核弾頭ミサイル5基。1発で、東京から半径12キロ以内が全滅するという。空中爆破も迎撃も不可能。ミサイルの到着は、あと…43分。ラジオ・テレビの臨時ニュースによって、真相が全日本国民に知らされた!SF的小説に初めて挑戦した松本清張の隠れた名作。 解説の権田萬治氏によると、「数多くの松本清張の作品の中でもSF的な発想に立っている点でもっとも異色のものの一つ
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