Abstract 昨今、広がりを見せている自作キーボード(以下、自キ)には、深い深い沼の底にエンドゲームが存在します。 自作キーボードとはなにか。人によって自作の範囲は変わります。このトークでは他の方が既に製造した基板に、自分で調達したキースイッチを組み合わせてキーボードを作って沼に入り込んだ私が、自作の定義を広げて現在取り組んでいる「基板からの設計・自作」ならびに「基板の量産」について話します。 そしてエンドゲームとはなにか。指先の向こうに存在する「何か」に、迷いがなくなる瞬間です。自キの沼に入り込んだ者は日々己の理想とする「キーボード」あるいは代わりになる何かを追い求めて、「エンドゲーム」に向かっていると信じ続けているのです。その終わりがどこなのか、道が正しいのか、知らないままに。 エンドゲームに取り組まないにしても、沼に入っている人間を観察するものは面白いものです。ここは私が標本にな