ロシアがウクライナに侵攻を始めた昨年2月24日以降、欧州の安全保障政策は激変した。各国は侵攻を自らへの脅威とみなし、ウクライナへの軍事支援を加速した。象徴的なのはドイツだ。戸惑いながらも第二次大戦の反省に根ざす反戦・平和主義を転換し、米国に背中を押される形で、主力戦車の供与にも踏み切った。 政治の地殻変動、ためらうショルツ氏 「何が正しく、何が間違っているのかは誰も教えてくれない。だからこそ我々は一歩一歩前進していくことが必要だ」。ドイツのショルツ首相は25日、連邦議会で演説し、ウクライナへのドイツ製戦車「レオパルト2」の供与を発表した。 レオパルト2は、ウクライナの戦況に大きな影響を与える可能性がある。東・南部でロシア支配地域の奪還を目指すウクライナ軍にとって、露軍が築いたざんごうなどの防御を突破するには機動力と強力な火力を兼ね備えた戦車の投入が不可欠だ。 英国が先に主力戦車「チャレンジ