かつて江戸の人々は、年末年始はもちろん、1年を通してさまざまな行事を催し、楽しんでいました。その中には雛祭りや七夕など、今でもおなじみのイベントもありますが、江戸時代ならではのものも少なくありません。そこで今回は、四季折々の生活の中で、どのような行事を楽しんでいたのか、主なものを紹介します。なお月日の表示は旧暦ですので、現在よりも約1ヵ月、後ろにずれています。 1月・睦月(むつき/mutsuki) 七福神めぐり 年末年始の諸行事の紹介は後回しにして、まずは1月中旬、春の気配が感じられると、人々が出かけたのが「七福神めぐり」です。七福神とは福をもたらす七柱の神様で、一般的には恵比寿、大黒天、福禄寿、毘沙門天、布袋、寿老人、弁財天を指します。彼らが描かれた宝船の絵を、正月2日に枕の下に入れて寝ると、よい初夢を見ることができるともいわれていました。七福神めぐりはそれぞれの神様を祀るお寺や神社を7