「山口県は信任をいただき、静岡県は残念な結果となった。さまざまな積み重ねでこの結果になった。しっかり分析し、気持ちを引き締めて衆院選に向けて努力を続けていきたい」 25日朝、記者団の前に立った岸田氏は淡々とした表情で語った。文節ごとに言葉を切るような語り口はいつもと変わらないが、普段と比べて少し憔悴しているようにも見えた。 岸田内閣発足後初の国政選挙で、1週間後の衆院総選挙の前哨戦でもあった参院静岡、山口の2補選。与野党どちらにとっても重要な選挙ではあったが、2補選とも自民党議員の辞職を受けて行われただけに、特に自民党にとっては負けられない選挙だった。山口で勝ち、静岡で負けた。1勝1敗は、事実上、自民党の敗北である。 しかも岸田氏は選挙期間中に2度も静岡県入りしている。総裁自らがてこ入れして敗れたダメージは大きい。現地を取材したジャーナリストは「人はかなり集まったが、熱狂がなかった」と岸田