1月25 斎藤環『「自傷的自己愛」の精神分析』(角川新書) 7点 カテゴリ:思想・心理7点 「自傷的自己愛」とはちょっとわかりにくい言葉かもしれません。「自傷」とは自らを傷つけることであり、自分を愛することが「自己愛」だとすると、この2つの言葉は両立しないようにも思えるからです。 一方、帯には「自分をディスり続ける人たち」との語句がありますが、これはわかりやすいかもしれません。近年の通り魔的な犯行を行った若い人々の多くに「自分は何をやってもダメ」という強い確信のようなものがうかがえます。また、本書では『進撃の巨人』の作者の諫山創氏がとり上げられていますが、成功しているにもかかわらず「自分の自信のなさ」について語り続ける人もいます。 この自己への批判の根源に一種の「自己愛」があるというのが本書の主張になります。 この「自己愛」とは精神医学の中ではあまり良いイメージのない言葉ですが、著者は「自