適切な危機意識をもって動いていれば、この事態は十分に防げたのではないか。 台風19号の雨で千曲川の堤防が決壊した長野市で、JR東日本の車両基地にあった北陸新幹線120両が水没した。すべて廃車となると損害は300億円を超す。同社は早期復旧に取り組むとともに、どう対応すればよかったか、検証して再発防止に全力を挙げる必要がある。 基地は千曲川と浅川という川に挟まれたところにあり、地元では浸水の恐れのある場所と認識されていた。長野市のハザードマップでは、一帯の浸水深は「5メートル以上」となっていた。 それが8月の改定で「10~20メートル未満」となり、危険度はより高まった。この警告に敏感に反応していれば、より高いところを走る本線上に車両を退避させるなどの措置がとれたと、防災の専門家らは指摘する。 決して無理な話ではない。実際にJR東は今回、台風が来る前に栃木・那須塩原にある東北新幹線の車両基地の列