フィクションとドキュメンタリーの狭間で 森友事件を下敷きにしたとされるドラマが、遺族の了承を得ていなかった問題などが報じられた。そもそも国有地の払い下げと財務省の改竄はそれぞれどこに問題があったのだろうか。 当『現代ビジネス』でも、長谷川幸洋さんが望月氏や東京新聞の対応の問題点などをご自身の体験と比較して書いているが、本稿では、筆者の考えてきた新聞記者一般像から、このドラマを取り上げたい。 あるジャーナリストが、このドラマ「新聞記者」を見て、実際の事件と違う点が多いと批判的に評していた。だがこのドラマはドキュメンタリーでなくフィクションであると公言しているのだから、この批判は意味がない。 マスコミ関係者の中には、フィクションとドキュメンタリー(事実)の区別がつかない人が多いと、筆者は感じている。文学部出身で、文章が書きたくて新聞記者になった人は多い。実際の事件を扱っていると、そのまま記事に