映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 植松の精神鑑定をどう見るか 「植松の精神鑑定について、発達障害をよく知る見地から郡司(真子)さんは、どのように評価しますか」 僕のこの質問に郡司は数秒だけ考えてから、「ASDスペクトラムや知的障害スペクトラムなど発達障害についての知識がある精神科医は、現状としてはとても少数派です」と答えた。「発達障害を専門にしている児童精神科医じゃないと、そこまでの知見や考えかたを持たないんです。精神科医が発達障害について関心を持ち始めたのはここ10年ぐらいです。いわゆる引きこもりになっている人たちの多くは、発達障害や知的障害スペクトラムの場合が多いと思います。でもその観点で見ないで