大企業のなかで新規事業の創出やイノベーションに挑む「社内起業家(イントレプレナー)」たち。彼らの多くに共通しているのは、社内だけでなく社外でもアクティブに活動し、横のつながりや幅広い人脈、あるいは課題を見つける観察眼やその解決につなげられる柔軟な発想力を持っていることだ。 この連載では、そんな大企業内で活躍するイントレプレナーにインタビューするとともに、その人が尊敬する他社のイントレプレナーを紹介してもらい、リレー形式で話を聞いていく。 今回は、東芝からスピンオフしたIDDK代表取締役の上野宗一郎氏。デジタルカメラに使われるようなイメージセンサーを利用することで、観察対象を直接画像で捉えられる「マイクロイメージングデバイス(MID)」を開発し、従来のレンズを使用した顕微鏡では不可能だった新たな顕微観察の世界を広げようとしている。 挫折を味わいながらも特許技術を事業化 ——まずは、これまでの