シャムキャッツがデビュー10周年を迎えた。いまとなっては安定感すら漂う彼らだが、渋谷O-nestで観た初期のライヴを思い出すと、今日まで続けてこられたのが快挙のように思えてしまう。リリカルな歌心はすでに輝いていたが、何が起こるか予測不可能な、ローファイでハチャメチャなバンドというのが個人的な第一印象で、その名残りは最初のアルバム『はしけ』(2009年)にも刻まれている。そんな無邪気なイメージも、2011年の名曲“渚”から一変。そこから作品を重ねるごとにモードを切り替え、浦安の4人組は数多くの名曲を生み出しながら(記事〈シャムキャッツみずから選ぶ運命の10曲! 〉を参照)、頼もしく成長してきた。 そのファンタスティックな足取りを確かめるため、今回はシャムキャッツの夏目知幸と、親交の深いミツメの川辺素による対談を実施することに。ミツメもまた、時間をかけてオリジナリティーを確立してきたバンドであ