東京五輪は「観客上限1万人」で開催──それがさも当然であるかのように話が進んでいるが、多くの国民は「おい、中止するかどうかの議論はどうなったんだ」と憤っているのではないか。 【写真5枚】G7首脳らが白い砂浜にスーツ姿で話す様子。他、尾身茂氏や閑散とした国立競技場など 菅義偉・首相も、開催都市の小池百合子・東京都知事も、組織委員会の橋本聖子会長も、現在に至るまで「今夏開催を決断した」と正式に表明していない。国民の前で「開催か、中止・延期か」の議論がなされないまま、そして「開催する理由」も示されないままいつの間にか「開催の規模をどうするか」に話がすり替わった。 国民の半数以上はいまも今夏の開催を望んでいるとはいえない。 直近の世論調査をみると、朝日新聞(6月19~20日)では「再延期」(30%)と「中止」(32%)を合わせて6割以上が今夏開催に反対し、読売新聞(6月4~6日)でも、「中止」(4