1-3月期のGDPは前期比が-0.5%、年率で-2.0%に沈んだ。家計消費(除く帰属家賃)が前期比-0.8%、寄与度が-0.5もあるのだから仕方がない。正直、ここまで落ちるとは思っておらず、デフレーターが前期比で1.1%も上がったのが大きい。名目では前期比+0.2なので、いかに値上げがきつかったかが分かる。この一年は、名目が増で実質が減。前年度の名目が急増で実質が増とは異なる展開だった。 ……… 楡井誠先生の『マクロ経済動学-景気循環の起源の解明』は、理論の本だけど、興味深い内容だった。リアルビジネスサイクル理論のミクロ的基礎づけを土台としつつ、自律的に大きな変動が起こることを、べき乗則をカギに理論化したもので、その一節に、物価変動の説明も出てくる。デフレのノルムが染みついた日本経済で、2022年に、突然、一斉値上げが起こった理由を明らかにしてくれているように思える。 むろん、値上げは、ウ