原発の運転期間は法律で40年と定められ、原子力規制委員会の審査に通れば最長20年の延長が1度だけ認められる。川内原発は1号機が2024年7月、2号機は25年11月で40年。九電による特別点検は延長への最初のステップだ。2号機も来年2月に予定する。 古里さんの会社は住宅の新築やリフォームを手がける。直接原発に絡む仕事はしていないが、それでも延長を待ち望む。原発がなければ、市全体の景気が落ち込むと身をもって実感しているからだ。 11年の東京電力福島第1原発事故後に全て停止した国内の原発。川内原発は15年8月、新規制基準下では全国で最初に再稼働した。古里さんは個人の大工として生計を立てていたが、再稼働後に原発関係者や定期検査時に滞在する作業員向け民宿からの受注が増え、「仕事が3割忙しくなった」。 その後も順調で、18年に会社を立ち上げた。大工仲間の中には福島の事故後、再稼働するまでの間に食べてい