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  • 一家に一冊、『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子 (中公新書) - ゴールデンレトリバー撫でたい

    (※再公開です) 批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書) 作者:廣野 由美子 発売日: 2005/03/01 メディア: 新書 批評ブログやりたいわけじゃないんだけど、物語作品の考察なり分析なり書こうとするとどうしてもこういうところの参照が要請されるので再確認のためにも出してきました。 日本の読書文化が誇る中公新書における名著の1つなので今更感はあるけど、こういうのは書いとくに越したことはないでしょう。今はこんなのも電子版出ててすごいね。 題名は「批評理論入門」となっているけど、思い切って言えばこれは「小説の読み方」を教えてくれる本です。もちろん映画でもアニメでも物語ならなんでも役に立つ。このジャンルの入門書でこの本を越えるものは令和3年の今でもおそらくまだない。入門書と言っても何度も読み返すに値する深みを持っている、正しく新書版の名著と呼ぶにふさわしい本です。 1.

      一家に一冊、『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』廣野由美子 (中公新書) - ゴールデンレトリバー撫でたい
    • 「ガウェインの結婚」を歴史の授業で使わないで!~中世の英文学と女性がもっとも望むこと - wezzy|ウェジー

      2023.12.30 18:00 「ガウェインの結婚」を歴史の授業で使わないで!~中世の英文学と女性がもっとも望むこと 2年ほど前に「世界史講義録」というウェブサイトの「最初の授業」という記事がバズったことがありました。これは高校世界史の授業初回で、アーサー王伝説の「ガウェインの結婚」をとりあげ、歴史は面白い……というような話の枕にするというものです。 詳しくはリンク先の元記事を読んでいただきたいのですが、非常にざっくり説明すると、アーサー王が敵の騎士から「すべての女性がもっとも望むことは何か」という問いを出され、それの答えが「自分の意志を持つこと」だったという話をネタに、「700年から500年くらい前の時代につくられた物語」なのに既に女性の人権に関係するようなトピックを取り扱っていて現代的だ……という内容です。 このウェブサイトの講義は、2009年発行の竹田青嗣『中学生からの哲学「超」入

        「ガウェインの結婚」を歴史の授業で使わないで!~中世の英文学と女性がもっとも望むこと - wezzy|ウェジー
      • SF界の文化戦争「パピーゲート事件」について - 100光年ダイアリー

        はじめに ヒューゴー賞についての基本 2013年――始まり 2014年――サッド・パピーズ2 2014年――ゲーマーゲートと「SJW」 2014年――「悪の同盟」とジョン・C・ライト 2015年――サッド・パピーズ3とラビッド・パピーズの登場 ヴォックス・デイについて 2013年――SFWA性差別論争とデイの除名 2015年――ヒューゴー賞最終候補への影響 2015年――「該当作なし」が続出した授賞式 2015年――アルフィー賞、木星賞、不時着賞 あるパピーの視点から 事件に対する評など その後のヒューゴー賞 ドラゴン賞 コミックスゲートとデイ キャンベル新人賞の改名 おわりに――SFF読者と作家の男女比など 謝辞 注釈に載せた以外の参照先 追記1 追記2 はじめに ケン・バーンサイド(Ken Burnside)によるエッセイ The Hot Equations: Thermodynami

          SF界の文化戦争「パピーゲート事件」について - 100光年ダイアリー
        • 「The ○○」で通じるモノ

          「The Book」と云うと旧約聖書を指すらしいです 世界で一番売れてる本だからでしょうか 他にどういったものがありますか?

            「The ○○」で通じるモノ
          • 「ディストピア作品を紹介しても学生が「中国みたい」とか言って全然日本と結びつけない」 - Togetter

            saebou @Cristoforou 北村紗衣です。北海道生まれ、駒場にいたあとロンドンでジェダイとなって戻ってきました。シェイクスピアリアンで、バーレスク好きです。『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』の著者です。皆様にフォースの守りを。๑(・_・)๑ Have PhD, will travel. d.hatena.ne.jp/saebou/ saebou @Cristoforou あのさ「ディストピア作品を紹介しても学生が「中国みたい」とか言って全然日本と結びつけない」という問題を、他の先生と困ったもんですねって話したんですけど、田野先生 @tanosensei のファシズム実験授業みたいにモダニズム文学の実験授業としてディストピア発見実習をしたらどうかな… 2020-12-06 18:36:40

              「ディストピア作品を紹介しても学生が「中国みたい」とか言って全然日本と結びつけない」 - Togetter
            • 06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書

              人文学の源流を訪ねて 前回私は、日本学術会議問題という時事的問題から、人文学叩きの問題、そして「役に立つ」学問と教育をめぐる問題を論じた。本連載で一貫して論じてきたところではあるが、そこで明らかになったのは、人文学批判、そして人文学を「役に立たない」学問にカテゴライズして葬り去ろうとする動きの文脈には、新自由主義の緊縮財政があり、また緊縮財政を背景とした大学内部での「政治」(人文学を担う旧教養課程が「狩り場」となったことなど)が存在したことだった。 学問が「役に立つ/役に立たない」こと、そして人文学が役に立たない学問の代表として扱われていることには、確かに現代の新自由主義特有の論理があるだろう。しかし、「役に立つ/立たない」という問題設定と人文学の位置づけは、まったく新しいものとは言えない。ほぼ近代の人文学の始まりから存在してきたのではないだろうか。 今回は、一旦現在の日本から離れて、「文

                06_文系不要論の系譜学──「二つの文化論争」から見えるもの|光文社新書
              • 小説版「スター・ウォーズ」の著者がディズニーに印税の支払いを求める

                「スター・ウォーズ」を題材とした小説である、1978年に出版された「侵略の惑星」および、2002年に出版された「スター・ウォーズ - 崩壊の序曲」の2冊の著者であるアラン・ディーン・フォスター氏が、「ディズニーは支払うべき印税を支払っていない」と訴えています。 #DisneyMustPay Alan Dean Foster - SFWA https://www.sfwa.org/2020/11/18/disney-must-pay/ アメリカでSF小説やファンタジー小説を書いているプロの作家たちによる非営利の団体であるアメリカSFファンタジー作家協会(SFWA)が、「正会員が契約書で交わされた指定の印税の支払いを受けられていない」というメッセージを公開しました。SFWAは正会員が契約の不履行などの紛争に巻き込まれた際に、それを解決するために役立つ機関として「苦情処理委員会」を設けています。

                  小説版「スター・ウォーズ」の著者がディズニーに印税の支払いを求める
                • 女性差別で学者になれず絵本作家に 「ピーターラビット」原作者の知られざる素顔 - wezzy|ウェジー

                  100年以上も愛されてきた、世界で一番有名なウサギ「ピーターラビット」。イギリス人女性、ビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」シリーズはなんと世界でこれまでに2億5,000万冊という驚異的な発行部数を記録している。 この絵本がハリウッドで初めて映画化されたのは2018年、ウィル・グラック監督の『ピーターラビット』だ。ウサギのピーターや仲間と一緒に住む女性・ビア(ローズ・バーン)はビアトリクス・ポターをイメージし、意図的に時代設定を曖昧にしてタイムレスな物語に仕上げた。この映画は、自然と動物を愛する原作者のメッセージが散りばめられたものとして、世界中で大ヒットした。 続く、2作目『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』が6月25日に公開される。監督は前作同様ウィル・グラック氏が手がけたが、今作ではビアトリクス・ポターの多面性が演出に活かされており、非常に興味深い展開を見せる。 映画や

                    女性差別で学者になれず絵本作家に 「ピーターラビット」原作者の知られざる素顔 - wezzy|ウェジー
                  • ヴィクトリア朝人は家具の脚が恥ずかしいからカバーをかけたわけではない~イギリス文化と性にまつわる神話探訪 - wezzy|ウェジー

                    2020.10.10 16:00 ヴィクトリア朝人は家具の脚が恥ずかしいからカバーをかけたわけではない~イギリス文化と性にまつわる神話探訪 ヴィクトリア朝のイギリスといえば、性的に抑圧され、やたら厳しい道徳が幅をきかせていたというイメージが強いかと思います。以前この連載記事でも少し書きましたが、ヴィクトリア朝主流文学の性描写は前の時代よりも控えめになる傾向があり、これは社会的な風潮を反映したものでした。 長きにわたって離婚が異常に困難で、男性間の性交渉は犯罪になり、女性にまともな権利がないといった法的な側面から、日常生活の習慣まで、現代に比べるとはるかに性的な逸脱と見なされることがらには冷たい社会だったと言えます。 一方でこうしたヴィクトリア朝の性道徳については面白おかしく誇張される傾向もあり、注意が必要です。やたらと厳格な性道徳を語る際によく引き合いに出されるのが、「ヴィクトリア朝のイギ

                      ヴィクトリア朝人は家具の脚が恥ずかしいからカバーをかけたわけではない~イギリス文化と性にまつわる神話探訪 - wezzy|ウェジー
                    • ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛~『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 - wezzy|ウェジー

                      ハリー・ポッターシリーズは既に初作刊行から20年もたっていますが、いまだに子供達に人気があります。シリーズの著者であるJ・K・ローリングは、アルバス・ダンブルドア先生はゲイだと思うと発言しています。これはファンの間で大きな議論を引き起こしており、小説からわからない設定で一貫性に欠けるとか、著者の意図にそって作品を読む必要はないとか、様々な批判があります。芸術作品は世に出た瞬間、受け手の自由な解釈にさらされるもので、必ずしも著者の意図にそって読む必要はないので、後者の主張は当然といえるものです。 しかしながら、私が非常に疑問に思っているのは、ダンブルドアがゲイなのは、本当に小説からわからないのか……?ということです。 実は私は、(お恥ずかしいことですが)学生時代はあまりハリー・ポッターなどの現代小説に興味が無く、2007年のローリングのこの発言を全く知らない状態で日本語訳が出てから『ハリー・

                        ハリー・ポッターとイギリス文学における同性愛~『ハリー・ポッターと死の秘宝』精読 - wezzy|ウェジー
                      • TOEICやビジネス英語で「実用的な英語の運用能力」が獲得できない理由【北村紗衣:大学の英語教育②】 - ENGLISH JOURNAL

                        「大学教育に文学は不要」「英文学を学んでも英語ができるようにならない」という声を聞くことがあります。こういった見方について、シェイクスピア研究者で大学准教授にして、自称「不真面目な批評家」、著書『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』が好評の北村紗衣さんに、2回にわたって(至って真面目に!)検証していただきます。第2回のテーマは「大学の英語の授業で、なぜビジネスや資格試験ではなく文学や映画を使って学ぶのか?」です。 なぜ英語の授業で文学を取り上げるのか? 前回の記事 では、なぜ大学で英文学を英語で学ぶ必要があるのか、という話をしました。 ▼前回の記事はこちら↓ 今回の記事では、専門科目ではなく、 一般の英語の授業で文学作品を読む理由は何なのか 、という話をしようと思います。 このことについて私が時々感じるのは、大学教育に携わっていない方々は、あまり現在の大学や外国語の授業のことをご存じない、とい

                          TOEICやビジネス英語で「実用的な英語の運用能力」が獲得できない理由【北村紗衣:大学の英語教育②】 - ENGLISH JOURNAL
                        • 日本の女子は「3番手」好き? 大人気プリンセス本に見る海外との違い(飯田 一史) @gendai_biz

                          学研から刊行されている翻訳読みもの『王女さまのお手紙つき』シリーズは2015年に刊行をスタートし、プリンセス好きの小学3~5年生女子から圧倒的な支持を得て、現在14巻40万部に達している。 もともとはイギリスで刊行されたもので、外見から性格まで多種多様なタイプの王女さまが登場し、助け合って自分たちで困難を打破していく物語なのだが、日本と欧米圏では好まれる王女さま像が大きく異なる。 欧米圏では子どもたちは自分に近い姿の王女に憧れる。赤い髪の子なら赤い髪のプリンセス、瞳が緑色の子ならそういうプリンセスが好きなことがほとんどだ。ところが日本では、自分に外見が似ているプリンセスは人気がない。 しかも、やや気弱そうだったり、知的なタイプのプリンセス、言いかえると3番手タイプの子に人気が集中し、アイドルでいえばセンターにいるような明るく華やかな女の子は人気を集めにくいという。 現代もなお国をまたいで共

                            日本の女子は「3番手」好き? 大人気プリンセス本に見る海外との違い(飯田 一史) @gendai_biz
                          • 小説さながら? アガサ・クリスティの別荘で100人以上が立ち往生

                            英ミステリー作家アガサ・クリスティの別荘「グリーンウェイ」/Maciej Olszewski/imageBROKER/Shutterstock ロンドン(CNN) 英ミステリー作家アガサ・クリスティの別荘「グリーンウェイ」を訪れた観光客ら100人あまりが倒木で道をふさがれ、数時間にわたって足止めされた。 グリーンウェイは英南西部デボン州の田園地帯にある。 14日にここを訪れていた女性から地元紙に、約100人が敷地内で立ち往生していると連絡が入った。 歴史的建築物の管理保護団体、英ナショナル・トラストはウェブサイトに、荒天でグリーンウェイへ通じる道路に大きな木が倒れたという案内を掲載。訪問客やスタッフ、ボランティア要員が出られなくなったため、全力で対応していると述べた。 連絡した女性の話によると、観光客らは別荘から無料で提供された紅茶を飲んだり、芝生の庭で木製の球を打つ「クロッケー」のゲーム

                              小説さながら? アガサ・クリスティの別荘で100人以上が立ち往生
                            • フェミニスト批評本『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』の著者・北村紗衣さんが出来るまで 北村紗衣×坂本邦暢 - wezzy|ウェジー

                              フェミニズムに関係する本がたびたび話題になる今、6月に刊行された『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』(書肆侃侃房)もたいへん話題となっています。wezzyでの同タイトル連載の一部に加え、書き下ろし6本を収録している本書はどのように作られ、そしてシェイクスピア研究者であり、本書の著者である北村紗衣さんは、どのようにして現在の北村さんになったのでしょうか。 大学時代からの旧知の仲であり、互いに「さえぼう」「ニクさん」と呼び合う、西洋初期近代の哲学史の研究者である坂本邦暢さんと共に、北村さんと本書の謎を探るイベントの様子をお送りします(会場:Readin’Writin’ BOOKSTORE)。 坂本邦暢 (さかもと・くにのぶ) 1982年生まれ。2012年に東京大学の科学史・科学哲学コースにて博士号を取得。明治大学講師。専門は西洋初期近代の哲学史。著書にJulius Caesar Scaliger

                                フェミニスト批評本『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』の著者・北村紗衣さんが出来るまで 北村紗衣×坂本邦暢 - wezzy|ウェジー
                              • 第4回 「ミューズ」になるか、自分で書くか? 女性作家たちの闘い | 文学は予言する | 鴻巣友季子 | 連載 | 考える人 | 新潮社

                                (*本連載について) 女性を型にはめる「聖と魔」の理論 父権社会で男性たちが自分の理解を超えた女性の力に出会ったとき、対処に困った彼らは女性たちにレッテルを貼ってきた。一つは、天上と通じるような人間離れした「聖性」であり、もう一つは、理性を超えた狂おしい「魔性」だ。このふたつは紙一重の部分があり、ときに反転する。異才の女性が女神から魔女に転落することは、現代でもよくあるだろう。集団でのレッテル貼りは「他者」をコントロールする手段の一つだ。 前回紹介したインゲ・シュテファンの『才女の運命』を再び参照しよう。ファム・ファタール“ごっこ”とその妄想が、激烈な毒性を発してしまった一例が、アメリカの作家ゼルダ・フィッツジェラルドとスコット・フィッツジェラルドの夫婦関係だ。出会ったころの十八歳のゼルダは、自ら率先してファム・ファタールを演じ、スコットは彼の小説から抜けだしてきたような女と電撃的に恋に落

                                  第4回 「ミューズ」になるか、自分で書くか? 女性作家たちの闘い | 文学は予言する | 鴻巣友季子 | 連載 | 考える人 | 新潮社
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                                  A global platform for emerging talent, i-D celebrates fashion, culture, individuality and youth.

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                                  • 武蔵野市の住民投票条例で噴出した外国人投票権「陰謀論」

                                    新潟県見附市の織物工場で働くベトナム人技能実習生(2019年)。コロナ後は技能人実習生の多くが解雇され帰国もできず行方不明になっている Linda Sieg-REUTERS <住民投票に外国人の投票権を認めると、某国から移民が押し寄せて市が乗っ取られる、というあり得ない妄想より、外国人増加の実態を否定し続けた結果の分断の弊害を考えよ> 武蔵野市議会で「武蔵野市住民投票条例」が審議されている。ところが、この条例が現在、猛烈な反対運動に晒されている。条例案に3ヶ月以上市内に居住する18歳以上の外国籍住民も住民投票に投票権を与えると定められていたことが、その理由だ。市の内外から反対派が市役所や吉祥寺駅前に集結し、デモ行進が行われるなど激しい示威活動が続けられている。条例の採決は21日の本会議で行われる見込みだが、その成否は予断を許さない。 住民投票での外国人投票権は珍しくはない 住民投票で外国人

                                      武蔵野市の住民投票条例で噴出した外国人投票権「陰謀論」
                                    • コロナウイルス時代にデフォー『ペストの記憶』が教えてくれること(武田 将明) @gendai_biz

                                      ロンドンの市民の不安 世界を恐怖の渦に陥れている新型コロナウイルスは日本にも牙を剝き、各自治体で新たに確認された感染者の数が連日報道されている。この光景に、私は強烈な既視感を抱いている。 2011年3月11日の東日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所が制御不能となってから、東日本の各地で計測した放射性物質の濃度が日々報道された。公表された数値への疑念が渦巻き、およそ相入れない解釈が飛び交うなか、私たちは何を信じればよいか分からず、不安に苛まれていた。 当時のことは、多くの方の記憶に残っているだろうが、私自身にとって特別だったのは、このとき偶然にもダニエル・デフォーの『ペストの記憶』(1722年。ほかに『ペスト』、『疫病流行記』などの訳題もあるが、本稿では一貫して『ペストの記憶』と呼ぶ)の新訳に着手していたからだ。 この作品は、ロンドン市民がオランダでのペスト流行についてうわさ話をする場

                                        コロナウイルス時代にデフォー『ペストの記憶』が教えてくれること(武田 将明) @gendai_biz
                                      • 泉山真奈美さんの論評者の訳詞を論評してみた|Gen

                                        先日訳あって泉山真奈美さんのことを思い出していた。90年代初頭から後半にかけて活躍されていたライター/翻訳家の方で、当時ラップやR&Bなどのジャンルを追っていた向きには馴染み深いお名前ではないかと思う。私も彼女の諸作にはお世話になっていて、特に彼女が対訳を担当したPublic Enemyの『Singles N' Remixes 1987-1992』は思い入れの深い作品である。 実は泉山さんとは2013年頃にツイッター上で交流があり(といってもフォロー関係にあった程度だが)、2、3言葉を交わしたことがあったのだが、当時の彼女はどうやらネット上の嫌がらせに参っていた様子。特に過去の執筆内容に関して、色々なブログや掲示板などで酷評されていたことが悩みの種だったようだった。下記のブログはその一例である。 上記ブログでは彼女が対訳の中に用いた「サイコー」という語について、これでもかと罵倒の言葉を浴び

                                          泉山真奈美さんの論評者の訳詞を論評してみた|Gen
                                        • 服部徹也連載「第4回 オバケの権利を擁護する」

                                          漱石が帝大在職中に唯一発表した学術論文は、「マクベスの幽霊に就〔つい〕て」(『帝国文学』1904・1)だった。いったいあの漱石がどうしてオバケについて論じているのだろうか。このことを辿っていくと、漱石の文学理論のアイディアの源に行き当たる。 漱石の論文は、英語圏のシェイクスピア研究にもとづき、上演史上の論点を取り上げたものだ。一見、他人の説を紹介しただけにもみえるが、実はそうとも言い切れない。「文学論」講義と同時期に行なわれた『マクベス』講読講義に端を発するこの論文からは、漱石が演劇論を参照しながら文学理論を作り出そうとしていた試行錯誤の一端をうかがうことができる。 『マクベス』講義とそのテクスト 連載第3回では、漱石のシェイクスピア講義が人気を集めていったことを紹介した。その第1弾が『マクベス』講義(1903年9月29日-1904年2月16日)だ。とはいえ、やはり英文科学生の目はきびしか

                                            服部徹也連載「第4回 オバケの権利を擁護する」
                                          • Was Joe Biden trolling Britain with his choice of poetry – or choosing his words perfectly?

                                            Let’s recap: Yeats’s poem Easter, 1916 is about the Easter rising and the violence that followed, starting with the execution of the Irish republican leaders for treason. One social media view was that the poem was about a load of things – there are also many animals in it, horses and moorhens and whatnot – so you couldn’t call it explicitly anti-British. There was a cluster of opinions along the

                                              Was Joe Biden trolling Britain with his choice of poetry – or choosing his words perfectly?
                                            • 「辞書を引かずに意味を類推しながら多読」が合わなかった文芸翻訳家の英語の読み方 - ENGLISH JOURNAL

                                              『ENGLISH JOURNAL』50周年を記念して、『ENGLISH JOURNAL』「ENGLISH JOURNAL ONLINE」の執筆陣に、「英語学習のこれまでとこれから」というテーマで寄稿していただきました。文芸翻訳家の越前敏弥さんが、よく唱えられるのとは異なる自身の英語学習法や、AI翻訳が進化した後の語学の未来などについて伝えます。 語学と翻訳の記事を多数執筆『ENGLISH JOURNAL』が50周年を迎えたんですね。おめでとうございます。 これまで、紙媒体とネットの両方で、語学や翻訳に関するいろいろな内容の記事を書かせてもらいましたが、最近の「ENGLISH JOURNAL ONLINE」は読み応えのある記事が多く、本気で語学学習に 取り組み たい人にとっては、このサイトだけを見ていてもかなり力が付くのではないかと思います。 今後も ますます充実した記事が掲載されることを願

                                                「辞書を引かずに意味を類推しながら多読」が合わなかった文芸翻訳家の英語の読み方 - ENGLISH JOURNAL
                                              • 推理小説の愉しみ|ProPara

                                                推理小説(ミステリ)は、大衆小説の一ジャンルとして。最も広く親しまれているものである。その推理小説の読み方と愉しみ方を、具体的な実例を通して考えてみたい。 推理小説の代表的な例となると、「ミステリの女王」とも呼ばれる、アガサ・クリスティーの作品を選ぶことに異論は出ないだろう。世界中のミステリ愛読者から今なお愛されつづけている、クリスティーの数多い作品群の中から、ここでは有名な『オリエント急行の殺人』(一九三四)を取り上げて考察することにする。古典的探偵小説に属するこの名作は、雪で動かなくなった国際寝台列車の中で殺人事件が発生し、世界各国からやってきた乗客の中に混じっていた名探偵エルキュール・ポアロがその謎を解くという筋書きである。この講義では真相を完全に明らかにすることはしないが、かなり内容に立ち入った話をするので、必ず『オリエント急行の殺人』を読み終わってから講義を読んでほしい。 なお、

                                                  推理小説の愉しみ|ProPara
                                                • The troubling legacy of the Lolita story, 60 years on

                                                  The dubious aesthetic of Kubrick's film has endured in pop culture. But is it the film or the original book that is to blame for this perplexing phenomenon, asks Steph Green?

                                                    The troubling legacy of the Lolita story, 60 years on
                                                  • Why do so few men read books by women? | MA Sieghart

                                                    The byline at the top of this piece reads MA Sieghart, not Mary Ann. Why? Because I really want men to read it too. Female authors through the centuries, from the Brontë sisters to George Eliot to JK Rowling, have felt obliged to disguise their gender to persuade boys and men to read their books. But now? Is it really still necessary? The sad answer is yes. For my book The Authority Gap, which loo

                                                      Why do so few men read books by women? | MA Sieghart
                                                    • Women's writing began much earlier than supposed, finds academic

                                                      There is the eighth-century abbess who wrote the first surviving example of poetry known to have been authored by an Englishwoman. Or her contemporary, a nun who was the first woman to write a full-length prose work in English and hid her name in the text. A new history of women’s writing argues that there was a thriving female literature far earlier than previously believed, and that earlier hist

                                                        Women's writing began much earlier than supposed, finds academic
                                                      • No.1   『私は爆弾を運んでいます 言葉という名の爆弾です』─詩とアメリカのフェミニズム(相川千尋)|etc.books|note

                                                        海外の熱いフェミニズム作品を私たちに紹介してくれる翻訳家たちは(いつもありがとうございます!)、お仕事以外にどんなフェミ本を読んでいるのだろう? 読書リレーエッセイ第1回は、フランス語翻訳の相川千尋さん! 詩というと、むずかしいもののような気がして私などは構えてしまうけれど、1960〜70年代のアメリカのフェミニストたちはそうではなかった。 最近、『私は爆弾を運んでいます 言葉という名の爆弾です』というアメリカのフェミニズム運動と詩にかんする本を読んだ。(1) この本の最初に収録されているジャン・クラウゼンの1982年のエッセイ「詩人たちの運動:詩とフェミニズムについての考察」によれば、アメリカの第二波フェミニズムの運動で詩はとても大きな役割を果たし、よく知られた活動家の中にも詩を書く人がたくさんいたということだ。 なぜ詩だったのか。上記のエッセイによれば、フェミニストたちが詩を書くように

                                                          No.1   『私は爆弾を運んでいます 言葉という名の爆弾です』─詩とアメリカのフェミニズム(相川千尋)|etc.books|note
                                                        • 女たちの英文学――個と、集合性と

                                                          女たちの英文学――個と、集合性と ジェイン・オースティンにヴァージニア・ウルフ――世界的に知られる女性作家を生んだ「英文学」。同時にそれは、無数の女性たちによって読み継がれ、支えられてきました。女性作家研究だけではない、多様なアプローチの研究によって再発見された女性たちの姿をご紹介します。【選者:中井亜佐子(なかい・あさこ:1966-:一橋大学教授)】 小説・文学(2814) 心に響く(1239) 信念を感じる(437)

                                                            女たちの英文学――個と、集合性と
                                                          • How Reading Agatha Christie Helps With My Anxiety

                                                            This content contains affiliate links. When you buy through these links, we may earn an affiliate commission. Carolina Ciucci is a teacher, writer and reviewer based in the south of Argentina. She hoards books like they’re going out of style. In case of emergency, you can summon her by talking about Ireland, fictional witches, and the Brontë family. Twitter: @carolinabeci View All posts by Carolin

                                                              How Reading Agatha Christie Helps With My Anxiety
                                                            • How Americans preserved British English

                                                              Americans today pronounce some words more like Shakespeare than Brits do… but it’s in 18th-Century England where they’d really feel at home.

                                                                How Americans preserved British English
                                                              • 第3回 貴族の称号(下)|新井潤美「ノブレス・オブリージュ——イギリスの上流階級」

                                                                称号の複雑さ 「ロード」、「サー」、「レイディ」の称号が名前につくのか、名字なのか、結婚後はどうなのかなどによって、その人物が貴族のどの爵位なのか、長男なのか、次男以下なのか、妻なのか、未亡人なのか、または離婚した妻なのかといったことがある程度わかるのは、以前にも書いたとおりである。特に二十世紀以降、離婚が増えると、先妻と後妻を区別する必要が出てくる。たとえば二十世紀の作家で、イギリスのアッパー・ミドル・クラスの世界を穏やかなユーモアをもって描写し、ジェイン・オースティンと比較されることも多い、バーバラ・ピム(1913〜80)という小説家がいる。その作品『不適切な愛情』(1963年執筆、1982年出版)には、レイディ・セルヴィッジという准男爵の妻が登場する。彼女は夫の浮気が原因で離婚し、さらに夫が再婚したので、いまや彼女への手紙の宛名(封筒の宛名も)は「レイディ・(ミュリエル・)セルヴィッ

                                                                  第3回 貴族の称号(下)|新井潤美「ノブレス・オブリージュ——イギリスの上流階級」
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