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西東京の検索結果121 - 160 件 / 472件

  • 「真弓定夫と内海聡のどこまで話そうか」FM西東京の放送に関するtwitterの反応

    森 英彦 @waverider_hide これは極めて問題のある番組じゃないですか。 「真弓定夫と内海聡のどこまで話そうか」10/4放送内容 「最近のワクチン事情」 FM西東京 84.2MHz コミュニティラジオ放送局 番組更新 842fm.west-tokyo.co.jp/fm842/health-p… #842fm 2016-10-04 07:02:03

      「真弓定夫と内海聡のどこまで話そうか」FM西東京の放送に関するtwitterの反応
    •  岸政彦『同化と他者化 戦後沖縄の本土就職者たち』 - 西東京日記 IN はてな

      「同化と他者化」、普通の人にはまったく意味の分からないタイトルだと思いますが、副題にあるように戦後の沖縄の本土就職者について調べた本で非常に面白いです。タグに「歴史」をつけましたし、本屋の近現代史のコーナーに並んでいることも多いのですが、著者は1967年生まれの社会学者で社会学の本になります(すごい今更だけどやはり「社会学」のタグをつけるべきなのか…?)。 1950年代後半の、ちょうど日本で高度成長が始まった頃から、1972年の沖縄の本土復帰の時期まで沖縄の若者の多くが本土へと就職のために渡りました。1970年にはおよそ18万人の人口移動がありました(そのすべてが本土就職ではありませんが)。 ところが沖縄から出て行く人間と沖縄に入ってくる人間の数はほぼ釣り合っていて、就職のために本土に渡った者の多くがUターンしていることもわかります。 このような事実を聞くと、おそらく次のようなストーリーが

         岸政彦『同化と他者化 戦後沖縄の本土就職者たち』 - 西東京日記 IN はてな
      •  足立啓二『専制国家史論』 - 西東京日記 IN はてな

        中国社会を日本と対比させながら、中国の社会、政治、経済の特徴を鋭く抉り出した本として評判でありながら絶版で、古書の価格がびっくりするくらい高くなっていた本が、このたびちくま学芸文庫に入りました。 20年前の本で、前半はけっこう硬さも感じられて決して読みやすい本ではないのですが、日本社会をはじめとしてさまざまなものと比較しながら中国社会の特徴を指摘してく筆は鋭く、中盤以降は非常に面白く読めました。 目次は以下の通り。 第1章 専制国家認識の系譜 第2章 専制国家と封建社会 第3章 専制国家の形成 第4章 封建社会と専制国家の発展 第5章 近代への移行―その一 経済 第6章 近代への移行―その二 政治 終章 世界統合と社会 第1章は中国の顧炎武や梁啓超、日本の内藤湖南、さらには戦後の日本での中国史研究の整理で、著者の本格的な議論は第2章から展開されます。 日本のムラはメンバー同士が強く結び付い

           足立啓二『専制国家史論』 - 西東京日記 IN はてな
        • 【西東京】“逆一本足打法”和光・室橋…球場はどよめき! (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

          ◆第98回全国高校野球選手権西東京大会 ▽1回戦 和光3-10狛江=8回コールド=(11日・町田小野路) 【写真】5校の連合チームで一塁コーチを務めた三宅の奥村  和光の2番打者、室橋達人捕手(2年)の衝撃的な“逆一本足打法”に球場からどよめきが起きた。 スイッチヒッターの室橋は、左投手相手ながら左打席へ。王貞治やイチローのように右足を上げるところだが、室橋は軸足となる左足を高く1、2度上げてタイミングをとり、スイングした。 初回の第1打席はニゴロに倒れ、2回の第2打席。2死走者なしから見事に中越え三塁打。4回の第3打席は四球、6回の第4打席は中飛で3打数1安打だった。 試合は3-5で迎えた8回裏に5失点し、3-10のサヨナラコールドで無念の初戦敗退となった。

            【西東京】“逆一本足打法”和光・室橋…球場はどよめき! (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
          •  ブルーノ・ブエノ・デ・メスキータ&アラスター・スミス『独裁者のためのハンドブック』 - 西東京日記 IN はてな

            帯には「独裁と民主主義に境界はない!カエサル、ルイ14世、ヒトラー、スターリン、毛沢東、カダフィ、金正日、プーチン、さらにはIOCやマフィア、実業家まで。古今東西の100を超える独裁者と組織をケーススタディとして取り上げ、カネとヒトを支配する権力構造を解き明かした、新視点の政治論。世界独裁者マップ付き!全世界の独裁者、および独裁志望者、必携!」などと書かれていますし、出版社も亜紀書房なので、「おもしろ独裁者列伝」のようなものを想像するかもしれませんが、実はきちんとした政治学者が、かなりしっかりとした政治理論のもとに「独裁」を分析した本。 独裁者のカリスマ性などに注目するのではなく、その権力基盤のあり方に共通性を見出す理論は面白いですし、その理論の射程はかなり広いです。 「独裁と民主主義に境界はない!」というように、独裁だけでなく民主主義を考える上でも重要な知見を数多く含んだ本だと思います。

               ブルーノ・ブエノ・デ・メスキータ&アラスター・スミス『独裁者のためのハンドブック』 - 西東京日記 IN はてな
            • 中井遼『欧州の排外主義とナショナリズム』 - 西東京日記 IN はてな

              イギリスのBrexit、フランスの国民戦線やドイツのAfDなどの右翼政党の台頭など、近年ヨーロッパで右翼政勢力の活動が目立っています。そして、その背景にあるのが移民や難民に対する反発、すなわち排外主義であり、その排外主義を支持しているのがグローバリズムの広がりとともに没落しつつある労働者階級だというのが新聞やテレビなどが報じる「ストーリー」です。 本書はこの「ストーリー」を否定します。 もちろん、経済的に困窮し排外主義と右翼政党を支持する人びとがいることを否定するものではありませんが、データを見てみれば、排外主義への支持と経済的な困窮は直結するものではありませんし、排外主義と右翼政党支持の関係というのも複雑なのです。 本書は、このことをイギリス、フランス、ドイツといった西欧の主要国だけではなく、中欧や東欧なども含めたヨーロッパ全域のデータを見ていくことで明らかにしていきます。 右翼政党や排

                中井遼『欧州の排外主義とナショナリズム』 - 西東京日記 IN はてな
              • 鶴岡路人『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』 - 西東京日記 IN はてな

                去年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、多くの専門家が状況の変化に伴走する形でテレビや新聞、雑誌などのメディアでこの戦争に関する分析を提供してきましたが、著者もそうした専門家の一人です。 もともと著者は欧州現代政治や国際安全保障を専門としており、『EU離脱』(ちくま新書)などの著作がありますが、今作もタイトルに「欧州戦争としての」とあるように、「ヨーロッパ」という切り口からこの戦争を分析しています。 国際情報サイトの「フォーサイト」に書かれた文章が中心ですが、内容が細切れだったり重複してしまっている感じはなく、一貫した内容のある分析が読むことができます。 目次は以下の通り。 第一章 ウクライナ侵攻の衝撃 第二章 ウクライナ侵攻の変容 第三章 結束するNATO 第四章 米欧関係のジレンマ 第五章 戦争のゆくえと日本に突きつけるもの 今回の戦争はロシアとウクライナの間の戦争ですが、

                  鶴岡路人『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』 - 西東京日記 IN はてな
                • リン・ハント『人権を創造する』 - 西東京日記 IN はてな

                  タイトルからして面白そうだなと思っていた本ですが、今年になって11年ぶりに重版されたのを機に読んでみました。 「人権」というのは、今生きている人間にとって欠かせないものだと認識されていながら、ある時代になるまでは影も形もなかったという不思議なものです。 中学の公民や高校の政治経済の授業では、社会契約説の思想家たちの、「たとえ国家がなかったとしても、すべての人間には一定の権利・自然権があるはずでしょ」という考えが、「人権」という考えに発展し、アメリカ独立革命やフランス革命で政府設立の目的の基礎として吸えられた、といった形で説明していますが、そもそも社会契約説が登場する前には「すべての人間には一定の権利があるはずでしょ」という議論は受け入れられなかったと思うのです。 こうした謎に1つの答えを与えてくれるのが本書です。 人権というと、どうしても法的な議論が思い起こされますが、本書が注目するのは「

                    リン・ハント『人権を創造する』 - 西東京日記 IN はてな
                  •  鈴木亘『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』 - 西東京日記 IN はてな

                    社会保障を専門とする経済学者の鈴木亘が、橋下市長のもとで大阪市の特別顧問となり、日本最大の日雇い市場がを抱えホームレスや生活保護受給者が集中する「あいりん地域」の改革にチャレンジした「戦い」の記録。 タイトルからすると、鈴木亘はあいりん地域を改革するアイディアを練っただけかとも思えますが、本を読んでみると、彼が実際に西成特区構想の推進役として悪戦苦闘した姿が描かれています。 ですから、この本は「経済」の本というよりも「政治」の本と言うべきかもしれません。問題の分析には経済学の道具が使われていますが、縦割り組織との対決や住民の意思をいかにまとめ上げコンセンサスを得ていくかといった部分はまさに「政治」の部分です。 というわけで、「経済」に興味のある人にも「政治」に興味がある人にも十分に楽しめる内容になっていると思います。さらに「社会運動」とか「街づくり」に興味がある人にもお薦めできる本です。

                       鈴木亘『経済学者 日本の最貧困地域に挑む』 - 西東京日記 IN はてな
                    • トップページ - 西東京市図書館

                      緊急のお知らせ ひばりが丘図書館では現在、電話機が故障しております。 通常の架電をいただくことは可能ですが、留守電の設定が不可のため、閉館時に留守録が流れない状況となっております。 ご利用の皆様には大変ご不便をおかけ致しますが、開館時間中でのお電話をお願い申し上げます。

                      • エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな

                        ピケティの共同研究者でもあるサエズとズックマンのこの本は、格差の原因を探るのではなく、格差を是正するための税制を探る内容になっています。序のタイトルが「民主的な税制を再建する」となっていますが、このタイトルがまさに本書の内容を示していると言えるでしょう。 富裕層への最高税率が引き下げられたこと、法人税が引き下げられたことなどが格差の拡大に寄与しているということは多くの人が感じていることだと思いますが、同時に、富裕層への最高税率が引き上げられたら富裕層が海外へ逃げてしまう、法人税を引き上げたら企業が海外に逃げてします、経済成長にブレーキが掛かってしまうという考えも広がっています。そして、こうしたことを考えると結局は消費税(付加価値税)をあげていくしかないという議論の見られます。 こうした考えに対して、本書は富裕層や企業からもっと税金を取るべきであり、それは可能であるという主張をしています。

                          エマニュエル・サエズ/ガブリエル・ズックマン『つくられた格差』 - 西東京日記 IN はてな
                        • 冤罪と被害者参加制度 - 西東京日記 IN はてな

                          NHKの教育テレビで「私はやってない〜えん罪はなぜ起きたか〜」を今やっている最中なんだけど、こうして改めて冤罪事件を見るとその捜査の内容はひどいもの。 鹿児島の公職選挙法違反事件の警察の取り調べとかはほんとにひどいかぎりだし、富山の婦女暴行事件の検察もひどい。とにかく、この人質司法と自白偏重主義はもう運用ではどうにもならないところまで来ているのかも。拘留の要件を強化したり、取り調べの録画、そしてなんといっても裁判所が憲法38条第3項「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」ってのを裁判所が厳密にとることが必要でしょうね。 それはともかく、ここで気になるのがこれから導入されるという刑事裁判への被害者参加制度。 これからの裁判では被害者が当事者席に座って被告人に質問したり、意見を述べたりすることができるようになるんですが、これが冤罪事件

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                          •  中井久夫『「つながり」の精神病理』 - 西東京日記 IN はてな

                            『世に棲む患者』につづく「中井久夫コレクション」の第2弾。『世に棲む患者』は『中井久夫著作集』第5巻「病者と社会」の中に収められた文章を中心に編まれたものでしたが、こちらは『中井久夫著作集』第6巻「個人とその家族」からセレクトされています。 『世に棲む患者』よりも近年に書かれた文章が多く、また内容も精神医学的なものばかりでなく一般的な世相を取り上げたものが多いので、こちらのほうが読みやすいと思います。 キワードとなるのは「家族」「ポスト経済成長社会」「老人」といったところでしょうか。 まず「ポスト経済成長」。 ただ、この本に収録されている文章の多くは80年代の前半に書かれたものでバブルの真っ最中。そんな中で中井久夫は次のようなことを述べています。 問題は、私がかつて「普遍的職業」と呼んだものが消滅する、あるいはしつつある可能性である。「普遍的職業」とは、私の意味では、ある気質、ある特性、あ

                               中井久夫『「つながり」の精神病理』 - 西東京日記 IN はてな
                            •  伊神満『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 - 西東京日記 IN はてな

                              クリステンセンの書いたベストセラー『イノベーターのジレンマ』(邦訳のタイトルは『イノベーションのジレンマ』)は、イノベーションによって一時代を築いた企業が、なぜ次のイノベーションを起こせずに没落してしまうのかということを分析した本で、1997年出版の本ながら、いまだに多くの読者を得ています。 これは実際にこの「イノベーターのジレンマ」を起こしている企業が数多くあると感じられるからでしょう。例えば、2012年にフィルムで一時代を築いたイーストマン・コダックが倒産した時は、フィルムで大成功を収めたがゆえにデジタル時代に対応できなかったという「イノベーターのジレンマ」が語られました。 このように「イノベーターのジレンマ」とはなかなか説得力のある理論に思えるのですが、では、本当にそうなのか? データからもそれは支持できるのか? ということを実証してみせようとしたのがこの本です。 著者はイェール大学

                                 伊神満『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 - 西東京日記 IN はてな
                              •  手塚洋輔『戦後行政の構造とディレンマ』 - 西東京日記 IN はてな

                                「官僚の行動原理は、つまるところリスク回避にある」―ある行政官僚はこのように述べ、まだ大学院生であった筆者に対し、官僚制の現場について説かれた。(中略) 筆者には、そこに、巷間いわれるような単なる「無責任な官僚」像とは異なる何かが感じられ、強く心に引っかかった。そしてこのときから、官僚制が避けなければならない「リスク」とは何かを考えるようになったのである。(293p) これは「あとがき」のはじめにある文章で、この本を書いた動機が端的の述べられている部分です。 確かに、冒頭の官僚の発言は、単なる責任逃れにも聞こえ、「事なかれ主義」の官僚の行動を端的に表しているようにも思えます。 けれども、一方で日本の官僚は数多くの規制などによって企業や国民の活動を縛っているとも言われます。そこで、ちょっと考えてみると、「事なかれ主義」と、この規制の多さというのは矛盾します。官僚による規制がないほうが官僚が責

                                   手塚洋輔『戦後行政の構造とディレンマ』 - 西東京日記 IN はてな
                                •  待鳥聡史『アメリカ大統領制の現在』 - 西東京日記 IN はてな

                                  アメリカ大統領選におけるトランプ勝利に衝撃を受けた人も多いでしょうし、選挙戦での彼の主張が実行されたら世界は大変なことになると心配している人も多いのでないかと思います。実際に大統領に就任すれば意外と現実的に振る舞うのではないかという期待もありますが、そうなるとは限りません。 ただ、トランプが暴走したとしても、議会共和党がしっかりと手綱をしめるのであれば、そう大きな暴走にはならないかもしれません。アメリカの大統領というと「世界のリーダー」であり、日本の首相とは比べ物にならないほどしっかりとした権力を握っているという印象を持っている人も多いと思いますが、アメリカの大統領の権力というのは政治学的に見ると言われるほど強いものではないのです。 そんなアメリカ大統領制を歴史と制度の面から分析してみせたのがこの本。著者は『代議制民主主義』(中公新書)、『政党システムと政党組織』、『首相政治の制度分析』な

                                     待鳥聡史『アメリカ大統領制の現在』 - 西東京日記 IN はてな
                                  • 「西東京いこいの森公園」に行ってきた。 - 身辺メモ

                                    ・最近のコメント ・最近のトラックバック ・blog内検索 Syndicate this site (XML) 以下はこれの続きである。 「公園日和」とでもいうべき、うららかな秋の土曜日の午前中、件の、西東京市いこいの森公園へ「検証」に出かけた。 僕を含めて、こうした公共の外部空間の設計に関わる仕事をしている現役5名が同行し、加えて僕は公園の典型的利用者のサンプルとして、ウチの3歳&5歳の「純粋ノイズエレメント」を連れて行った。 調査(というか見学)のポイントは、当該公園は「設計ミス」と言えるか、という点であった。もちろん、今回の件をめぐっては、「子供」とか「地域社会」とか「都市居住と住環境」とか「権利」とか「個人と公共」とか「寛容と憎悪」とか、この件が喚起するいくつもの議論がありうる。が、それらはあくまでこの件が「喚起する」ものである。今回の措置の主旨は「騒音被害を訴えた住民の住居で基準

                                    • バスナビ.com |京王バス・西東京バス

                                      2024/01/31 (1/31更新)【高速バス・空港連絡バス・深夜急行バス】最新の運行状況について(運行再開・運休予定路線あり) 2024/02/16 【23区内・調布・多摩エリア】3月16日ダイヤ改正のお知らせ 2024/02/15 京王日帰りバスツアー「春&初夏の日帰りバス旅行」の販売を開始しました! 2024/02/09 【高34】高幡不動駅→税務署前(日野税務署)直行便 期間限定運行のお知らせ 2024/02/01 【渋谷~軽井沢・草津線】スキー場リフト券や温泉入浴+高速バスとのセット券「草津 湯~わく手形」、好評発売中です! 2024/02/01 【渋谷~軽井沢・草津線】都内~軽井沢・草津エリアまで、席数限定で2,980円で販売します!(1/15~) 2024/01/23 調布市北部地域におけるデマンド交通の実証実験につきまして 2024/01/16 定期券発売窓口開設のお知ら

                                      •  バリントン・ムーアJr『独裁と民主政治の社会的起源』 - 西東京日記 IN はてな

                                        名著と名高い本を古本で購入して読了。 確かにこれは素晴らしい本で、いろいろなことを考えさせる本。 テーマとしては各国の近代化の過程を追いながら、その違いと帰結を論じるもので、「なぜ、ドイツや日本ではファシズムが生まれたのか?」、「なぜ、ロシアや中国で社会主義革命が起こったのか?」という歴史上の難問に答えるものになっています。 市民革命から比較的順調に資本主義や民主主義が発展したイギリス、フランス、アメリカ。一方、かなりのスピードで近代化に成功したもののファシズムに陥った日本とドイツ、なかなか近代化が進まない中で社会主義革命が起こったロシアと中国、そしてこの本が出版された1966年当時、近代化が起こっていないと考えられていたインド、この8つの国の歴史を比較検討することによって、著者はその運命を分けたポイントを抉り出そうとしています。 さまざまな歴史研究を引用しつつ、著者が重要だと考える歴史的

                                           バリントン・ムーアJr『独裁と民主政治の社会的起源』 - 西東京日記 IN はてな
                                        • エリック・A・ポズナー/E・グレン・ワイル『ラディカル・マーケット』 - 西東京日記 IN はてな

                                          「市場こそが社会を効率化するもので、できるだけ市場原理を導入すべきだ」という考えは、いわゆる新自由主義の潮流の中でたびたび主張されており、特に目新しい提案ではないです。 では、この本は何が目新しいのか、何がラディカルなのかというと、私有財産を一種の独占とみなして、その市場における特権的な地位を再検討していることです。資本主義というと市場経済+私有財産制がその柱となっていますので、資本主義自体を問い直そうとする思い切った試みになります。 こちらのページの安田洋祐の解説によると、E・グレン・ワイルは学部生時代から大学院生たちを(ティーチング・アシスタントとして)教える、スーパーな学部生で、平均で5、6年はかかる経済学の博士号(Ph.D.)を、たった1年でゲットしてしまう天才的な人物だそうです。 もう1人の著者はゲイリー・ベッカーと共著のある人かと思ったら、そちらはリチャード・アレン・ポズナーで

                                            エリック・A・ポズナー/E・グレン・ワイル『ラディカル・マーケット』 - 西東京日記 IN はてな
                                          • 酒井正『日本のセーフティーネット格差』 - 西東京日記 IN はてな

                                            副題は「労働市場の変容と社会保険」。この書名と副題から「非正規雇用が増える中で社会保険がセーフティーネットの役割を果たせなくなってきたことを指摘している本なのだな」と想像する人も多いでしょう。 これは間違いではないのですが、本書は多くの人の想像とは少し違っています。「日本の社会保険の不備を告発する本」とも言えませんし(不備は指摘している)、「非正規雇用の格差を問題視し日本的雇用の打破を目指す」といった本でもありません。 本書はさまざまな実証分析を積み重ねることで、この問題の難しさと、改革の方向性を探ったものであり、単純明快さはないものの非常に丁寧な議論がなされています。特に仕事と子育ての両立支援を扱った第3章と、若年層への就労支援などを論じた第6章、最近流行のEBPMについて語った第7章は読み応えがあります。 目次は以下の通り 序章 日本の労働市場と社会保険制度との関係 第1章 雇用の流動

                                              酒井正『日本のセーフティーネット格差』 - 西東京日記 IN はてな
                                            • [勉強会] 第一回、西東京iPhoneDev.勉強会に参加してきました。 - Ni chicha, ni limona - 平均から抜けられない僕 - iPhoneアプリ開発グループ

                                              はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28

                                                [勉強会] 第一回、西東京iPhoneDev.勉強会に参加してきました。 - Ni chicha, ni limona - 平均から抜けられない僕 - iPhoneアプリ開発グループ
                                              •  盛山和夫『社会学とは何か』 - 西東京日記 IN はてな

                                                非常に緻密な議論を自信満々に繰り広げる盛山和夫が「社会学」そのものに挑む! これだけで社会学をそれなりに追ってきていた者としては興味深いものなのですが、まさに期待通りの出来。デュルケムからジンメル、パーソンズ、ルーマンといったビッグネームをバッサバッサと斬っていきます。 「社会学とは何か」が問題となる。それはなぜか? ある意味で理由は単純だ。さきにみたように、あまりにさまざまな社会学がありすぎるのである。たとえば、介護問題に関して高齢者にインタビューすることとルーマンの抽象的で解読困難な分厚い本を読むことと、いったいどこでつながっているのだろうか。(245p) このようにその発展と共に拡大を続け同時にその学問としてのアイデンティティが希薄になっている社会学、例えば、同じ社会科学である経済学などと比べると、研究対象、方法論とも曖昧としか言いようがありません。 「社会はいかにして可能か?」「秩

                                                   盛山和夫『社会学とは何か』 - 西東京日記 IN はてな
                                                • 竹内桂『三木武夫と戦後政治』 - 西東京日記 IN はてな

                                                  実は本書の著者は大学時代のゼミも一緒だった友人で、いつか書いた本を読んでみたいものだと思っていたのですが、まさか「あとがき」まで入れて761ページ!というボリュームの本を書き上げてくるとは思いませんでした。 タイトルからもわかるように三木武夫の評伝なのですが、タイトルに「戦後政治」と入っているように三木武夫を中心としながら三木が亡くなるまでの戦後政治をたどるような内容になっていることと、「政局」と「政策」の双方を追っているとことが、本書がここまで厚くなった理由でしょう。 「バルカン政治家」という異名からもわかるように、三木武夫というと「政局の人」というイメージが強いですが、本書はその「政策」をきちんと追うことで、三木の行動原理のようなものがわかるようになっています。もちろん、その判断は権力闘争と密接に絡まっているわけですが、権力闘争と政策が渾然一体となっているところが三木の面白さかもしれま

                                                    竹内桂『三木武夫と戦後政治』 - 西東京日記 IN はてな
                                                  • 高岡裕之『総力戦体制と「福祉国家」』 - 西東京日記 IN はてな

                                                    歴史を見ていくと、日本が戦争へと突き進んでいく中で、1938年に厚生省が誕生し、同年に農家・自営業者向けの国民健康保険法が創設され、42年に労働者年金保険が誕生するなど、福祉政策が進展していたのがわかります(1940年の国民学校の創設と義務教育の延長をこれに含めてもいいのかもしれない)。 なぜ、戦争と同時に「福祉国家」の建設が目指されたのか? そして、この「福祉国家」とは現在の「福祉国家」と同じものと考えていいのか? ということが本書の取り扱うテーマになります。 役所の文書の引用が多いために、「面白がって読める」というような本ではないかもしれませんが、読み進めるに従って現れてくる戦争下の「福祉国家」の姿は間違いなく面白いものです。 今回、「書物復権」で復刊されたのを機に読んでみましたが、戦争が日本の社会に与えたインパクトを考える上で外せない本ではないでしょうか。 目次は以下の通り。 序章 

                                                      高岡裕之『総力戦体制と「福祉国家」』 - 西東京日記 IN はてな
                                                    • 西東京市の隠れた名店。結で極上かつを堪能しよう! - 気になったので、撮ってみた。

                                                      専門店と掲げるほど店主が拘って作るかつは誰かに教えたくなるほど美味しかった。 そのお店は西東京市にあるそーすかつ専門店・結です。 店内の案内を見ると素材を吟味し調理法も研究して作っているのが分かります☺️ メニューは至ってシンプル。 お酒もありますよ🎵 料理は重箱三段で出て来ました。(ミックス・カタロースとヒレ100g) 広げれば懐石料理風。ソースかつの宝石箱や〜😆 ミックス・カタロースとヒレ150g サクッと揚げられたかつを、手作りのとんかつソースと和風オリジナルソース、そして岩塩でいただきます。ロースは肉の甘みを感じて美味しかった!脂の重さもありません。 添えられる小鉢も、ひとつひとつの味付けがオリジナリティーに溢れていて旨いです。 席数は多くありません。営業時間 11:00~15:00 (夜は予約のみ) 定休日は月・火・金。色々な意味でレアなお店と言えるでしょう。 車利用だと青梅

                                                        西東京市の隠れた名店。結で極上かつを堪能しよう! - 気になったので、撮ってみた。
                                                      • 世界の大型プラネタリウム トップ4は名古屋・北京・愛媛・西東京 | Heartlogic

                                                        注目したいのは公開年月のところで、大型化が近年のトレンドになっているのか、技術の進歩により大型化が可能になったからかわかりませんが、ドームの大きさトップ4のプラネタリウムは、いずれもここ4年ほどの間に建てられた/改装し公開されたようです。 そりゃあ、知らないわけだ……。今後1年ぐらいすれば、またこのランキングは塗り替えられるのかもしれません。 ギネスに世界一と認定されているプラネタリウムは2件 多摩六都科学館のプラネタリウムは「もっとも先進的なプラネタリウム」としてギネス記録になっているとのことでしたが、他にどんなギネス記録のプラネタリウムがあるのか? と、Guiness World Recordsのサイトで「planetarium」を検索してみました。 すると、2つの検索結果がありました。1つは「もっとも先進的なプラネタリウム」として、多摩六都科学館の「ケイロンII」。 Most adv

                                                        • 菅首相の地元、西東京市議選で民主惨敗 過半数が落選、政局に影響 - MSN産経ニュース

                                                          来春の統一地方選の前哨戦となる東京都西東京市議選が26日投票、即日開票された。菅内閣の支持率低迷を反映して、茨城県議選などで連敗した民主党は27日午前1時半現在、公認候補7人の過半数の落選が確実になった。獲得できたのは2〜3議席にとどまり、惨敗が濃厚となった。 地方選での敗退が続き、現政権の運営に厳しい影響を与えるとみられる。 西東京市議選は定数28に対して34人が立候補。このうち民主は現有5議席を上回る7人、自民も同数の7人を公認した。27日未明に大勢が判明する見通し。投票率は41・12%で、前回を0・7ポイント下回った。 西東京市は10年前に旧田無、保谷両市が合併して誕生。衆院選の中選挙区制の時代、菅直人首相の選挙区に含まれていた。 民主候補の街頭演説には、菅首相の伸子夫人や蓮舫行政刷新担当相、名古屋市の河村たかし市長らが応援に駆け付けた。

                                                          • 小学校敷地から銃や刀剣類 約2900点 東京 西東京 | NHKニュース

                                                            東京 西東京市の小学校の敷地の地中から旧日本軍のものとみられる銃や刀剣などおよそ2900点が見つかりました。市によりますと自衛隊や警察の立ち会いのもと、すべてを掘り起こし安全は確認されたとしています。 警察などが調べたところ、小銃や機関銃などがおよそ1400点、刀剣類がおよそ1200点、砲弾などがおよそ300点など、合わせておよそ2900点が見つかったということです。 市によりますと、この場所は戦時中、国民学校だったということです。 見つかったものはいずれも破損や劣化が激しいことから旧日本軍のものとみられるとしています。 市によりますと今月3日までに自衛隊や警察の立ち会いのもとすべて掘り起こし、いずれも安全性が確認されたということです。 市では、今後、警察と協議して適切に処分などを行っていくとしています。

                                                              小学校敷地から銃や刀剣類 約2900点 東京 西東京 | NHKニュース
                                                            •  竹中治堅編『二つの政権交代』 - 西東京日記 IN はてな

                                                              2009年の民主党の政権獲得と2012年の自民党の政権奪還は政策をどのように変えたのか? これを8人の政治学者が核政策分野を分担する形で論じたのがこの本になります。構成や執筆者からすると御厨貴編『「政治主導」の教訓』のその後を検証したような本といえるかもしれません(執筆者は砂原庸介と木寺元がかぶっています)。 そして、すべての分野ではないのですが、民主党政権→自民党政権の断絶を見るのではなく、そこに政策的な継続を見出しているのが本書の特徴になります。 目次は以下の通り。 序章 政権交代は何を変えたのか(竹中治堅) 第1章 農業政策―政権交代がもたらす非連続的な米政策(濱本真輔) 第2章 電力システム改革―電力自由化をめぐる政治過程(上川龍之進) 第3章 コーポレート・ガバナンス改革―会社法改正とコーポレート・ガバナンス・コードの導入(竹中治堅) 第4章 子育て支援政策(砂原庸介) 第5章

                                                                 竹中治堅編『二つの政権交代』 - 西東京日記 IN はてな
                                                              • 「うるせぇ」と絶叫、オノで30代女性2人襲撃 西東京市の路上 - MSN産経ニュース

                                                                18日午前9時15分ごろ、東京都西東京市田無町の民家に住む男が、自宅前の路上を通りかかった30代の女性2人にオノを振り上げながら襲った。女性らは約50メートル離れた幼稚園に助けを求め、同園の女性職員が110番通報。駆けつけた警視庁田無署員が自宅内に戻っていた男を発見、暴力行為等処罰法違反の現行犯で逮捕した。襲われた女性らにけがはなかった。 同署によると、逮捕されたのは、50代の中国籍の職業不詳の男。調べに対し、容疑を否認し「台風で倒れた木を片付けていただけ」と供述しているという。同署は詳しい事情を聴くとともに、責任能力の有無についても慎重に調べる。 同署の調べでは、男は路上にいた女性らに、自宅の庭から「うるせぇ」などと叫んだうえ、襲いかかったという。オノは刃体の長さ約8センチで、自宅から発見された。

                                                                •  ヤン=ヴェルナー・ミュラー『ポピュリズムとは何か』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                  イギリスのEU離脱の国民投票にトランプ大統領の誕生と、去年から「ポピュリズム」という言葉が世界の流行語大賞になるのではないかというくらいに使われていますが、では、「ポピュリズムとは何か?」と問われると意外にその答えは難しいと思います。 去年の12月に出た水島治郎『ポピュリズムとは何か』(中公新書)においても、それほど明確な定義をせずに「ポピュリズム」と呼ばれる現象を後半に分析していました。 また、ポピュリズムに対する評価も、水島治郎『ポピュリズムとは何か』では副題に「民主主義の敵か、改革の希望か」とあるように両義的でした。 一方、1970年生まれのドイツの政治学者ヤン=ヴェルナー・ミュラーによって書かれたこの本では、かなり明確に「ポピュリズム」の定義を行い、それに対して明確に否定的な評価を下しています。 本文は130ページ弱とコンパクトな構成ですが、「ポピュリズム」という「敵」の実態をあば

                                                                     ヤン=ヴェルナー・ミュラー『ポピュリズムとは何か』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                  • 駒村圭吾・待鳥聡史編『統治のデザイン』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                    憲法というと、どうしても日本では9条と人権をめぐる条項に注目が集まりがちですが、国会、内閣、裁判所、地方自治といった日本の統治のしくみを決めているのも憲法です。 ケネス・盛・マッケルウェインは日本国憲法が他国の憲法に比べて条文数も文字数も少なく、規律密度が低いことを明らかにしましたが、そのせいもあって、90年代以降の、選挙制度改革、省庁再編、司法改革などは、憲法改正を行わずに可能になりました。 しかし、参議院改革などを行おうとすれば憲法の規定が問題になります。ある意味で、憲法に具体的な規定のあるぶんが改革されずに残ったという面もあるのです。 そんな憲法をめぐる問題に対して、政治学者と憲法学者が挑んだのが本書になります。構成としては、まずは政治学者が憲法の規定にとらわれずに各分野の改革について分析した後、それへのリプライという形で憲法学者が憲法上の位置づけや課題を論じる形になっています。 目

                                                                      駒村圭吾・待鳥聡史編『統治のデザイン』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                    •  K・ポメランツ『大分岐』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                      「なぜ、西欧文明が世界を制覇したのか?」、これは歴史を学んだ者お多くが持つ疑問でしょう。 当然、多くの学者もこの疑問を考え続けており、御存知の通り、マックス・ヴェーバーはプロテスタンティズムという宗教にその要因の一つを見ましたし、D・C・ノースは『経済史の構造と変化』でその要因の一つを西欧における知的財産権の確立に見出しました。 ただし、プロテスタンティズムの精神にしろ、知的財産権にしろ、それが経済発展にもたらす影響を正確に見積もるのは非常に難しいものです。ですから、それこそルネサンスや、古代ギリシアやローマまでさかのぼって西欧世界の先進性を示そうとする議論もあります。 しかし、18世紀初頭の清の乾隆帝の時代の頃までは中国が世界一の経済大国であり、経済力においても軍事力においても西欧諸国が簡単に手を出せるような存在ではありませんでした。つまり、西欧諸国が中国を決定的に凌駕したのは18世紀半

                                                                         K・ポメランツ『大分岐』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                      • 西東京市ホームページ

                                                                        新着情報 2024年4月19日地域コミュニティに参加しよう! 2024年4月19日第3期文化芸術振興計画(令和6年3月) 2024年4月19日令和6年5月採用 子どもの権利擁護相談・調査専門員を募集します。 2024年4月18日職員採用説明会を実施します 2024年4月18日令和6年度会計年度任用職員(選挙管理委員会事務局 事務補助員)の登録を受け付けています 2024年4月18日職員採用試験(土木・保健師)を実施します(令和6年8月1日付採用予定) 2024年4月18日職員採用試験(一般事務)を実施します(令和7年4月1日付採用予定) 新着情報一覧 イベント 2024年4月18日一緒に子育てステップアップ講座(谷戸公民館保育付き講座) 2024年4月16日お風呂屋さん健康相談会 2024年4月16日5月の薬湯 菖蒲湯 2024年4月16日市民体力づくり教室「春のウォーキング 昭和記念公園

                                                                        •  エステル・デュフロ『貧困と闘う知』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                          アビジット・V・バナジーとともに『貧乏人の経済学』を書き、マサチューセッツ工科大学でランダム化比較試験(RCT)の手法を駆使してさまざまな研究を行っているエステル・デュフロの著書が『貧乏人の経済学』と同じくみすず書房から登場。 ただし、訳者解説によると、この本の原著は『貧乏人の経済学』の1年前に刊行されており、内容的にはこの本の内容が『貧乏人の経済学』に組み込まれる形になっています。 この本はフランス開発庁のための講演がもとになっており、いかに開発援助を行っていくかということに関しては、『貧乏人の経済学』よりも整理されている印象を受けました。 目次は以下の通り。 第 I 部 人間開発 第1章 教育――通わせるか、学ばせるか 第2章 健康――行動と制度 第II部 自立政策 第3章 マイクロファイナンスを問い直す 第4章 ガバナンスと汚職 「教育」、「健康」、「マイクロファイナンス」、「ガバナ

                                                                             エステル・デュフロ『貧困と闘う知』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                          •  カウシック・バスー『見えざる手をこえて』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                            タイトルや最初と最後だけを読めば、よくある主流派経済学批判なのですが、中で行われている議論は非常に面白い。 主流派経済学の方法論的個人主義を批判を行いながら、その方法論的個人主義を捨てたときに出現する厄介な問題にも目を配っており、社会科学にそれなりの興味のある人であれば経済学という枠を超えて楽しめるのではないかと思います。 著者はインド生まれの経済学者で、アマルティア・センの指導を受けた人物、さらに「日本語版への序文」には青木昌彦に大きな影響を受けたことが書かれており、この本でも、制度派経済学の考えが大きくとり入れられています(実際、この本はNTT出版の「叢書《制度を考える》」シリーズの1冊となってます)。 アダム・スミスはその著書の『国富論』の中で「見えざる手」についてはわずかしか触れていませんが、この「見えざる手」は経済学における中心的なテーゼとなっています。 「見えざる手」の考えによ

                                                                               カウシック・バスー『見えざる手をこえて』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                            •  久米郁男『原因を推論する』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                              読んでいたら、奥さんに「何その漠然としすぎたタイトルは?」と言われた本ですが、この本は、政治学、そして社会科学全般の研究方法について解説した入門書になります。 講談社現代新書の隠れた名著、高根正昭『創造の方法学』をアップデートした本と言えば、『創造の方法学』を読んだ人にはピンとくると思います。 世の中ではさまざまな問題が起こり、その原因が探られています。 最近は流行らなくなりましたが、一時期流行った「キレる少年」なんかだと、その原因として「ゆとり教育」だとか「テレビゲーム」とか「朝食を食べていない」とか、いろいろな原因が専門家やコメンテーターによって語られるわけです。 この本でも、平成22年に内閣府が行った「第4回 非行原因に関する総合的研究調査」の中で、非行少年にはそれ以外の少年よりも朝食を食べない割合が高い、というデータが示されたということが述べられています(124p以下)。 「やはり

                                                                                 久米郁男『原因を推論する』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                              • 善教将大『日本における政治への信頼と不信』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                                今年はコロナ問題に明け暮れた感じでしたが、3〜7月頃の緊急事態宣言からその解除、さらに「Go To Travel」をめぐるを見ながら感じたのが、日本のおける政府に対する信頼の低さ。 各国では危機の高まりとともに政治指導者に対する支持があがる傾向がありましたが、日本ではそうはなりませんでした。日本政府の対応が後手後手だったにしろ、感染者数や死亡者数を見れば、それほどひどい対応だったわけではないはずですが、それでも政府を結束して支えようという動きは起こりませんでした(これは東日本大震災のときもそうだったと思う)。 そんな感じで日本における政府や政治に対する不信感の問題が気になったので手にとって見たのがこの本。上記の関心とは少しずれますが、日本における政治不信とはいかなるもので、どのような展開を見せているのかということを分析した本になります。 著者は、大阪都構想の住民投票に関して鋭く分析しサント

                                                                                  善教将大『日本における政治への信頼と不信』 - 西東京日記 IN はてな
                                                                                •  アンソニー・B・アトキンソン『21世紀の不平等』 - 西東京日記 IN はてな

                                                                                  著者のアトキンソンは、ピケティによって「格差」や「不平等」が経済学の中心的テーマの一つとなる前から、長年、不平等について研究してきたイギリスの経済学者で、山形浩生による「訳者はしがき」によれば「ピケティの師匠格と言ってもいい存在」(xiiip)だそうです。 そんなアトキンソンが、一般向けの本として書いたのがこの本。 とにかく不平等を是正するための具体的な政策が数多くとり上げっれているのがポイントで、後で紹介しますが、この本ではイギリスを念頭に不平等を是正するための15の提案を行っています。 しかも、その提案の多くには数字的な裏付けがあり(もちろん、著者の想定通りいくとは限らないでしょうが)、スタンダードな経済学から寄せられるであろう反論にも答えています。 三部仕立ての本で、第一部では不平等の現状、歴史、測定の仕方などについて述べています。 このあたりはピケティの『二一世紀の資本』と重なって

                                                                                     アンソニー・B・アトキンソン『21世紀の不平等』 - 西東京日記 IN はてな