円相場の乱高下について記者団の取材に応じる神田真人財務官=2024年4月29日夕、財務省 - 写真=時事通信フォト ■1ドル160円台に下がった時点で“覆面介入”か 4月に入って、外国為替市場でドル高・円安の傾向は一段と強まった。財務省関係者は「あらゆる手段を排除しない」と為替介入を示唆したものの、円安の勢いは止まらなかった。29日の東京市場で一時1ドル=160円台に下落した。34年ぶりの円安水準だ。 【この記事の画像を見る】 160円台に突入したところで、政府のいわゆる“覆面介入”が入ったとみられ、円は一挙に154円台まで上昇し、その後、円がやや弱含みの展開になっている。 円売り圧力が高まった要因の一つは、わが国経済が抱える構造的な問題だ。1990年台初頭以降、経済の実力(潜在成長率)は趨勢的に低下し、賃金、企業の設備投資は伸び悩んだ。人口減少の加速も重なり、経済はかつての活力を失った。