西武池袋ストライキから憂う「賃金が下がり続けた先進国」の未来:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ) 私がテレビやラジオのお仕事をメインでやっていた1990年代後半、生放送のスタジオのカメラマンさんや、サブ(副調整室)のディレクターさんたちの平均年齢がぐんと高くなる日がありました。 組合のストライキのため、管理職だけで生放送をオンエアする必要があったのです。 出だしから個人的な話になってしまいましたが、思い起こせばあの頃の日本には、働く人の権利を求める空気がありました。 数こそ減ったものの決してストライキは珍しくなかったし、バブル崩壊でリストラを決行する企業に「このままでいいわけないだろう。私たちは道具じゃないぞ」と正面きって反論するのが当たり前だった。 なのに気がつけば、働く人は沈黙し、声をあげる人を否定したり、バッシングしたりするようになりました。「長いものにはまかれろ