日本音楽著作権協会(JASRAC)の使用料徴収をめぐり、音楽教室とJASRACが争っている。一審ではJASRACの全面勝訴となったが、米国弁護士の城所岩生氏は「過去の判例をなぞった判決だった。音楽文化の発展のためには、法律の不備を補完する柔軟な対応が求められる」と指摘する——。 日本版「フェアユース」を早く取り入れるべきだ 日本音楽著作権協会(JASRAC)の音楽教室からの使用料徴収方針に対して、音楽教室事業者がJASRACに徴収権はないとして起こした訴訟で、東京地裁(以下、「地裁」)は2月28日、音楽教室事業者の請求を棄却した。 地裁は、古くは1988年の最高裁判決にはじまる古い判例が、今の時代の社会通念に合っているかどうかについては一顧だにせず、過去の判例をそのまま適用した(判決文はこちら)。JASRACの全面勝訴となった判決を不服とした音楽教室事業者は3月5日、知財高裁へ控訴した。