DNAとRNAの違い RNAは遺伝情報であるDNAから転写されてできるものである。実際はそれだけではないが、ここではそのようなRNAに限定して話を進める。DNAとの違いはぱっと見はあまりないように見えるが、以下の2つの違いが挙げられる。 分子組成が違う まず、そもそもDNAとRNAでは糖の部分の元素組成が違う。糖の2’位に付いているのが水素(-H)ではなく、ヒドロキシ基(-OH)である。 たった原子1個分の違い?と思うかもしれないが、これが分子の安定性に非常に大きな差を生み出す。反応性の高い孤立電子対を2つ持つヒドロキシ基がもともとある3’位に加えて2’位にも存在することになる。このヒドロキシ基はホスホジエステル結合を求核攻撃し、切断してしまう。 これが、「RNAは分解されやすい」と言われる理由の1つである。 DNAの「遺伝情報の保存」と異なり、RNAはタンパク質への情報の橋渡しを担う。そ