「貴女はどちらから?」とランチで隣に座った女性に尋ねたら、スウェーデンからの「環境裁判官」だった。昨年11月に大阪で開かれた国際シンポジウム 「環境分野の市民参加と司法アクセスの役割」 の休憩時間のことだ。 諸外国では、裁判官が環境がテーマの国際会議に参加して情報交換していると聞いていた。「環境裁判官」たちが日本で講演する機会があるというので取材に出かけていったのだ。 環境訴訟を起こす権利は、欧州では環境保護団体に与えられ、米国では市民(なんぴと)にも与えられ、日本ではまだそのどちらも法律に定めがない。そして、今や日本以外のアジア、南米、アフリカでも制度が整いつつあり、OECD諸国では最も遅れてしまったのが日本ではないか(*1)。その背景には日本の裁判官がそうした国際会議に出ないことにも一因があるかもしれない。そう聞いていたが、それを実感することとなった。 シンポジウムでは、インド、中国、