【ヒューストン=花房良祐】バイデン米政権は13日、全米7カ所を水素の生産拠点として選定したと発表した。70億ドル(約1兆円)を助成し、温暖化ガスを排出しない次世代エネルギーとして期待される水素の活用を後押しする。経済の脱炭素化を促して「水素大国」を目指す。三菱重工業のプロジェクトも選定され、日本への輸出を視野に入れる。水素は燃焼しても温暖化ガスを出さない。長距離トラックや工場の熱源といった電化
(CNN) エンジンのファンを露出させた最先端技術「オープンファン・エンジン・アーキテクチャー」の実証機として、世界最大の旅客機「エアバスA380」が採用された。新技術により二酸化炭素(CO2)排出量を最大20%削減できる可能性もある。 このプロジェクトは今月19日、エアバスと航空エンジン大手CFMインターナショナルが英ロンドン郊外のファンボロー航空ショーで発表した。ファンボロー航空ショーは業界の見本市で、航空宇宙関係の最新技術が紹介される。 「スーパージャンボ」と呼ばれるA380は近年、運命の浮き沈みを経験してきた。多くの人に愛されたA380だが、需要不足を理由に2021年に生産中止に。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中、既存の機体は各航空会社によって飛行停止とされていたが、最近は旅行需要を追い風に飛行を再開した。 CFMは米ゼネラル・エレクトリック(GE)と仏サフラン・
JR東日本は4日、水素をエネルギー源とする燃料電池(FC)と蓄電池を用いるハイブリッド鉄道車両を開発すると発表した。2021年度の完成をめざし、その後は約3年間をかけて安全性や走行性能の実証実験に取り組む考えだ。 ハイブリッド車は2両編成で、最高時速は100キロ。水素と空気中の酸素を化合して電力を生み出すFCと、2次電池のリチウムイオン電池でモーターを回す。水素タンクは自動車用のものを応用し、屋根の上に設置する。 JR東は06年、世界で初めてFCを用いた鉄道車両「NEトレイン」を開発したが、1度の水素補充で走れる距離は最長で70キロほどにとどまった。今回は高圧水素を利用することで、約140キロ走行できる見込み。実験はいずれも神奈川県内を走る鶴見線の鶴見―扇町や、南武線・同支線の武蔵中原―浜川崎で、営業列車に交じって行う計画だ。 JR東は昨年9月、トヨタ自動車と水素活用の分野で包括的な業務連
兵庫県立大学は6月4日、水素反応の中間体である「プロトン」が磁性を持つことに注目し、触媒に磁性を持たせることで白金並みの水素反応効率を持ちながら白金を使用しない「コバルトドープタングステン炭化物」の開発に成功したと発表した。 同成果は、兵庫県立大 大学院工学研究科の森下政夫教授らの研究チームによるもの。詳細は、英王立化学協会の国際学術誌「RSC Advances」に掲載された。 環境保護の観点から水素エネルギーの活用が検討されているが、水素は常温では気体であり、ガソリン車並みの航続距離を実現するためには、高圧タンクに水素ガスを圧縮して貯蔵する必要がある。たとえば現行の市販FCV(燃料電池車)であるトヨタ「MIRAI」の場合、1充填走行距離は約750~850kmとガソリン車並みの航続距離を実現している。しかし、3本合計で141Lの水素高圧タンクを採用し、公称使用圧力は70MPa(約690気圧
ホーム 先端材料・部材 東レ、グリーン水素製造HC電解質膜、PEM型でシェア独占へ - 化学工業日報 東レは、グリーン水素を製造する固体高分子(PEM)型水電解装置の電解質膜として使われている主流のフッ素系膜について、ほぼすべて同社の炭化水素系(HC)電解質膜への置き換えを目指す。現在は国内外でHC電解質膜の実証を重ねている段階だが、2025年以降には膜の供給を中心にさまざまな装置メーカーと共同で膜の価値最大化につながる運転や管理方法を検証することで、世界規模で水素関連ビジネスを大型化させる狙い。「PEM型のマーケットはすべて獲得するつもりで手がけている」(同社)。続きは本紙で プロトンの伝導性が高いほかガスの透過性が低く高強度で、150度C以上の耐熱性も併せ持つ 実証を行った米倉山電力貯蔵技術研究サイト 記事・取材テーマに対するご意見はこちら PDF版のご案内
日本原子力研究開発機構(原子力機構)先端基礎研究センター表面界面科学研究グループは2022年8月31日、東京大学、北海道大学、大阪大学と共同で、一原子の厚みのグラフェン膜で水素と重水素を分離できることを実証し、分離機構も明らかにしたと発表した。重水素の安価な精製法として期待できる。 水素(H2)の同位体である重水素(D2)は、半導体集積回路の高耐久化や光ファイバーの伝搬能力の向上、薬用効果を長くする重水素標識医薬品の開発、次世代のエネルギー源として注目されている核融合に必要不可欠なキーマテリアルとなっている。 D2の製造法の一つとして、H2とD2の混合ガスからD2を分離する深冷蒸留法と呼ばれる手法が知られているが、この手法は-250℃といった極低温が必要であること、HとDを分ける能力であるH/D分離能が低く製造コストが高いことが課題になっている。 近年、一原子の厚みのグラフェン膜が、常温で
再生可能エネルギーの電力を運搬できるようにする、あるいは長期貯蔵できるようにする「グリーン水素」に変換する水電解技術でも激しい開発競争が始まっている。これまで国内勢はその開発や事業化で出遅れていたが、ここへきて急速に巻き返しつつある。例えば東レは、今までほぼ業界標準だったフッ素系電解膜「Nafion」を諸性能で超える炭化水素系電解質膜を開発し、海外メーカーから引き合いが殺到している。東レはこの技術を武器に国内外での事業化を着々と進めている。 「世界中の水電解装置メーカーから引き合いが多数ある」(東レ HS事業開発推進室 主席部員 先端材料研究所 主席研究員の出原大輔氏)――。 東レが開発したのは、「PEM(Proton Exchange Membrane)形」水電解装置のセルスタックにおいて、正極と負極間でプロトン(H+)をやり取りするためのイオン交換膜。この膜自体をPEMと呼ぶ。 現在の
出所:IEA、IRENAなどを基に作成 最も環境にやさしいのはグリーン水素だが、グリーン水素の価格はグレー水素に比べて高いことが難点だ(注2)。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、グリーン水素の生産拡大における課題は経済性であり、グリーン水素の生産価格がグレー水素や化石燃料と同水準まで達する必要がある、と指摘している(注3)。 グリーン水素の価格は、電解槽への投資コストや稼働時間、再生可能エネルギーによって発電された電力のコストなどに左右される。IRENAによれば、2020年時点では太陽光または風力由来の電気で作られたグリーン水素の価格はブルー水素の価格を上回っているが、今後10年で、グリーン水素の生産コストを1キログラムあたり2〜3ドルまで低下させることが可能になるという(注4)。 EU加盟国で水素戦略の策定が相次ぐ 水素の中でも、グリーン水素とブルー水素の生産・利活用について、
<ドイツでは、再生可能エネルギー由来の電力で水素を生成する「グリーン水素」が新たな動力源として有望視されている ......> 「気候変動アクションプラン2050」のもと、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を目指すドイツでは、再生可能エネルギー由来の電力で水素を生成する「グリーン水素」が新たな動力源として有望視されている。 「水素技術の分野でドイツが世界ナンバーワンとなるための道筋を定める」 2020年6月6日に発表された経済対策においても、中長期施策として、水素技術の研究開発を含め、再生可能エネルギーへの転換に500億ユーロ(約6兆700億円)を投じることが示されている。 6月10日には「国家水素戦略」が承認された。ドイツ国内で水素由来の電力量の需要が2030年までに90〜110TWh(テラワット時)となると仮定し、水素を製造する電解槽の規模を5GW
11月14日、インドのデリー首都圏では建設現場での作業が一時禁止され、15日からは学校も休校となった。さらに17日には生活必需品を除く製品を運ぶトラックの立ち入りも制限された。住民の健康被害を防ぐための措置という。もっとも、脅威とされたのは新型コロナウイルスではない。大気汚染だ。 ニューデリーでは大気汚染の程度を示す空気質指数(AQI)が11月に入り大きく悪化し、連日のように健康にとって「危険」とされるレベルが続いた。「屋外には白いもやがかり、いやな匂いが部屋まで入ってくる」とある住民は話しており、喉や目の痛みを訴える人も増えているという。「とても屋外で活動できる状況ではない」と話す人もいる。 周辺の農家による野焼きや、ヒンズー教の大祭「ディワリ」で大量の爆竹や花火が使用されたことなど、大気汚染が深刻化した要因は様々に指摘されている。石炭火力発電も大気汚染を悪化させているとして、デリー近郊
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)/大学院工学研究院の小江 誠司(オゴウ セイジ) 主幹教授らの研究グループは、熊本大学の研究グループとの共同研究により、水素の合成や分解を担う3種類の天然ヒドロゲナーゼ酵素の構造をヒントに1つの新しい触媒を開発しました。今回開発した触媒は、同じ分子式で構造だけが異なる3種類の異性体によって、3種類のヒドロゲナーゼ酵素のように(1)燃料電池の水素電極の触媒(2)水素製造の触媒(3)化学工業の水素化の触媒として働くことを発見しました。本研究成果は、これまで不明であったヒドロゲナーゼ酵素の触媒反応と触媒の分子構造との関係を解き明かすことで、次世代のエネルギー源である水素を効率よく利用する道を開きました。 本研究成果は、2020年6月11日(日本時間)にアメリカ学術雑誌「Science Advances」オンライン版で公開される予
ほりうち・りょう/毎日新聞、静岡新聞を経て、17年より週刊ダイヤモンド記者。電力・ガス・石油業界担当。数字に強い記者になるべく、統計学を自習中。主な担当特集は「オーナー社長最強烈伝」「EVで過熱する新・新エネ戦争」など。趣味はゴルフ。痩せるために毎日1万歩を目標にしている。 1100兆円の水素バブル バックナンバー一覧 水素を燃料とする燃料電池自動車「ミライ」を販売し、これまで水素社会の実現に向けて政財界を巻き込んで先頭に立ってきたのは、トヨタ自動車だった。しかし、今回の水素バブルでは主役になれそうにないというのだ。特集『1100兆円の水素バブル』(全8回)の#2では、トヨタが水素バブルで主役になれない理由を解き明かす。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮) 政財界を巻き込んで水素社会の 主役を張ってきたトヨタ トヨタ自動車が燃料電池自動車(FCV)「ミライ」の2代目の発売を2日後に控えた202
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米ノースカロライナ州沿岸部のLiDAR(光による検知と測距)画像。地中から漏れ出している水素ガスによって、明るく円形に色づいて見える。(PHOTOGRAPH BY VIACHESLAV ZGONNIK AND MICHAEL DAVIAS) 地質学の実地調査は、噴火する火山の斜面や極寒の南極の谷底など、ときに過酷な場所で行われる。とはいえ、何度も爆発した鉱山の中で調査されることはあまりない。ところが、南欧アルバニアにあるクロム鉄鉱の鉱山で、まさにそれが行われた。科学者たちの目当ては、ほぼ純粋な水素ガス。爆発のもとであると同時に、世界を変えるクリーンなエネルギー源になりうるものだ。 ギャラリー:ガスが燃える大穴など、地獄のような絶景写真12点 その水素が漏れ出ているところが見つかったと、2024年2月8日付けで学術誌「Science」に発表された。科学者たちは首都ティラナの北東にあるブルチザ
4月22日、菅義偉首相はパリ協定で掲げた2030年までの二酸化炭素の削減目標を2013年比で26%から46%に見直すことを宣言した。二酸化炭素の排出量削減に向けた取り組みは、今後も加速していくことは間違いない。 脱炭素の具体的な戦略として、再生可能エネルギーの導入やEVの普及などに注目が集まる中、2020年12月に発表されたロードマップ「グリーン成長戦略」で強調されていたのが「水素産業」だ。 「脱炭素とはなにか」の第3回では、水素産業を成長産業とするための重要なプレーヤー、川崎重工業を取り上げる。 「80%削減という目標を掲げていた以前までなら、残り20%分の二酸化炭素を排出しても、誰かがその分を頑張って減らしてくれる、という発想があったんです。ただ、100%削減となるとそういう逃げ道がなくなります」 川崎重工業、水素戦略本部副本部長・西村元彦執行役員は、2020年末から急激に動き始めた日
公益財団法人 自然エネルギー財団は、本日、「日本の水素戦略の再検討:『水素社会』の幻想を超えて」を公表しました。 日本政府は、2017年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定したことを誇り、「水素利用において世界をリードしていく」としてきましたが、策定から5年、最大の焦点としてきた家庭用燃料電池と燃料電池乗用車の普及は目標を大きく下回り、グリーン水素の生産においても日本の取組は欧州、中国などの後塵を拝しています。 本報告書では、水素の利用と生産に関する世界の動向、欧州、中国、オーストラリアなど各国の戦略を紹介した上で、「あらゆる分野で水素が利活用される水素社会」という政府のビジョンの誤りを明らかにしています。また、化石燃料由来のグレー水素・ブルー水素を優先する政府の政策が、これまで積み上げてきた日本企業の努力を損なうリスクを指摘しています。 本報告書が、日本の水素戦略の再構築に向けた建設的な議
RAF’s Project MARTIN As nations get more and more serious about climate change, certain sectors are finding it a more difficult subject than others. Commercial and military aviation for example, or racing series like F1 and NASCAR, don’t currently enjoy many zero-emissions developments. Now, however, a Formula One legend has partnered with the British Royal Air Force to create a zero-emissions fue
商用化へ国内外で商談 千代田化工建設が脱炭素戦略の中核に位置付ける水素サプライチェーン(供給網)の事業化へ前進している。水素の国際的な貯蔵・輸送手段として、専用設備が不要なメチルシクロヘキサン(MCH)を採用し、約20年間研究した触媒技術を活用した実証で、日本への輸送と供給という成果を挙げた。国内外で顧客との商談を深め、商用化を目指す。(戸村智幸) 「いますぐではないが、着々と布石を打っている」―。榊田雅和会長兼社長は水素サプライチェーン構築など脱炭素技術の事業化への道筋に自信を見せる。 水素は燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出せず、脱炭素エネルギーとして期待される。ただ事業化には海外で製造し、日本に輸送する一連の手法を確立する必要がある。千代田化工は水素とトルエンでMCHを合成し、MCHが常温・常圧の液体のため通常のコンテナ船などで輸送できる点を訴求する。 これまで、三菱商事などと4社
車の最新技術 更新日:2023.03.17 / 掲載日:2023.03.17 水素カローラの火災の顛末?【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】 文●池田直渡 写真●トヨタ 3月18日・19日、つまり今週末、鈴鹿サーキットで開催される「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦 SUZUKA S耐 5時間レース」に参戦を予定していた「#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」(水素エンジンカローラ)の欠場が発表された。 3月8日に富士スピードウェイで行われた専有テスト走行で、発生した車両火災が原因だ。エンジンルーム内の一部焼損の修復が間に合わなかったからだ。レースには、代わりに「ORC ROOKIE GR Yaris」(ガソリン)が出走する。 ニュースとしてはそれだけの話なのだが、トヨタ側はこの件の取り扱いにだいぶ気を使
「CO2排出源」が業界を挙げて対策に乗り出した(宝武鋼鉄の工場) QILAI SHENーBLOOMBERG/GETTY IMAGES <グリーン水素で排出ゼロへ。世界全体の温暖化対策のカギを握る「大気汚染大国」で新たな試みが進行中> 中国は2月6日付の「2022年中国気候公報」で昨年の平均気温が観測史上2番目に高く、春、夏、秋の気温は過去最高だったと発表した。 世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国である中国がカーボン・フットプリント(CO2排出量)を削減しない限り、地球温暖化は緩和できない。なかでも脱炭素化のカギを握るのは製鉄部門。製鉄部門の年間排出量は中国全体の17%と電力部門に次いで2番目に多い。鉄鋼世界最大手の中国宝武鋼鉄集団の20年のCO2排出量はパキスタン全体の排出量を上回った。 中国の鉄鋼業界が排出量を削減するための選択肢は主に3つ。1つは従来の石炭ベースの溶鉱炉から、再生可能
新潟大学は2022年7月1日、同大学自然科学系と産業技術総合研究所・ゼロエミッション国際共同研究センターの共同研究グループが、太陽電池と高効率水電解セルを使用した太陽光水分解によるグリーン水素製造システムを開発したと発表した。太陽光-水素変換効率13.9%で、1か月間安定して水素を製造できることを実証している。 太陽光由来の電力を用いた水電解によるグリーン水素製造においては、太陽光-水素変換効率(STH)が重要となる。STH(%)は、太陽電池の太陽光-電気変換効率(STE)×水電解セルの電気-水素変換効率(ETH)×太陽電池と水電解セルの最大出力比(MF)×100にて算出されるため、STHの向上にはSTE、ETH、MFそれぞれの最適化が求められる。 今回の研究では、鉄、ニッケルおよびタングステンを含む混合金属酸化物(FeNiWOx)が、高活性で安定な酸素発生触媒(水を酸化して酸素を発生する
東芝、省イリジウムの電極を従来比500倍に大型化:水素社会で注目の水電解装置向け(1/2 ページ) 東芝は2022年10月7日、再生可能エネルギー(再エネ)の電力を水素などに変換し、貯蔵/輸送を可能にするPower to Gas(P2G)技術において、希少なイリジウムの使用量を従来比10分の1に抑えた電極を、最大500倍大型化する製造技術を確立したと発表した。 再エネの活用で注目されるグリーン水素 東芝は2022年10月7日、再生可能エネルギー(再エネ)の電力を水素などに変換し、貯蔵/輸送を可能にするPower to Gas(P2G)技術において、希少なイリジウムの使用量を従来比10分の1に抑えた電極を、最大500倍大型化する製造技術を確立したと発表した。 カーボンニュートラルなどの世界的な省エネの流れから、国内ではクリーンエネルギー戦略の策定や法改正が進み、水素社会の潮流が始まっている。
燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない次世代エネルギーとして期待が高まる水素。発電のエネルギー源として、あるいは自動車など輸送の動力源として、さらに製鉄や化学部門の脱炭素化など、さまざまな分野での活用が想定されている。日本は2017年、世界に先駆け水素基本戦略を策定し、2050年に今の10万倍となる2,000万トンの導入量と液化天然ガス(LNG)と遜色のない価格まで引き下げることを目標に掲げ、取り組みを加速させている。日本企業は水素時代の実現に向けて、どのような取り組みを展開しているのか。最新動向を紹介する。 誰が水素で勝機をつかむのか水素は、発電や熱源はじめ、燃料電池自動車(FCV)などの輸送、製鉄や化学部門における脱炭素化など、さまざまな分野で利用され、その使用量は膨大になる見込みだ。水素社会の実現を目指すHydrogen Council(本部・ベルギー)は、2050年には水素関連
浜通りの新たな魅力を創出「福島イノベーション・コースト構想」 “走る小型スーパー”が「水素タウン」をPR:太陽光エネルギーを水素に転換、福島・浜通りで活用中 技術・デジタル 環境・自然・生物 2023.03.10 福島イノベーション・コースト構想の重点分野の一つ「エネルギー・環境・リサイクル」は、再生可能エネルギーが核となる。浪江町では太陽光エネルギーを水素に転換する施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」を活用し、ゼロカーボンシティ達成を目指している。燃料電池で走るイオン浪江店の移動販売車を取材した。 再生可能エネルギーを水素に転換して貯蔵 福島県浪江町の海近くに並ぶ太陽光パネルは、近年よく見かけるようになったメガソーラーとはひと味違う。この「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」では、太陽光発電したエネルギーで水素を生み出している。 18万平方メートルの敷地にソーラ
日本郵便と日本郵便輸送は11月30日から、水素を燃料とする燃料電池小型トラック(FC小型トラック)を、東京都内の郵便局間での郵便物などの運送業務に導入した。この取り組みは、カーボンニュートラルを目指す一環であり、NEDOの研究開発助成事業「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」の一環として行われる(日本郵便、Impress Watch)。 採用されたFC小型トラックは、新東京郵便局、東京国際郵便局、および東京23区エリア東部(〒10〜15)の郵便局間で運行される予定で、導入されるFC小型トラックの最大積載量は2950kgで、航続距離は約260km、最高速度は時速80kmとなっている。また、水素貯蔵量は約10kgだという。
In the dry, red dust of Western Australia’s vast Pilbara region, something green is growing. In October 2022, construction began on a massive solar photovoltaic and battery installation, around 40 soccer fields in size, that will soon power a 10-megawatt electrolyzer—a machine that uses electricity to convert water into hydrogen. But that hydrogen isn’t going to fuel cars or trucks or buses: It’s
Devices that mimic the natural process of photosynthesis, in which plants use sunlight to turn water and carbon dioxide into energy, could one day help us tackle a number of environmental issues. Scientists have now demonstrated a new type of technology that can not only replicate this process to produce clean hydrogen fuel, but undergo morphological changes during use that makes it become more ef
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター 創発生体工学材料研究チームの川本 益揮 専任研究員、オサマ・メタワ 国際プログラムアソシエイト、伊藤 嘉浩 チームリーダーらの共同研究グループは、白金ナノ粒子(PtNP)/炭素ナノマテリアル(CNM)[1]複合体から成る高効率な水電解[2]水素発生触媒[3]を発見しました。 本研究成果は、次世代のクリーンエネルギーである水素を用いた脱炭素社会の実現に貢献すると期待できます。 今回、共同研究グループは、水の電気分解(2H2O→2H2+O2)による水素発生のために、水中でPtNPとCNM(単層カーボンナノチューブ、グラフェン、アセチレンブラック)を直接複合化した3種類の水素発生触媒を開発し、それぞれをプロトン交換膜(PEM)[4]水電解の陰極[5]に用いました。その結果、各陰極で、既報の白金系水素発生触媒と比べておよそ100分の1の白金量で水素が発
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