京都大学客員准教授で、『僕は君たちに武器を配りたい』などのベストセラーで知られる瀧本哲史さんが亡くなった。年齢非公表とはいえ、早すぎる死は衝撃を持って受け止められている。 瀧本さんの一連の著作や言論活動は、若い人たちに向けてのメッセージという性格があった。これからを生きる「君たち」に語りかける、それらの言葉は、ファンにとって一種の生きる指針ともなっていたようだ。 追悼の意味を込めて、2015年発行の著書『戦略がすべて』から、変化を担う若い世代に向けて書かれた項を全文採録してみよう(以下、『戦略がすべて』の「8.二束三文の人材とならない――2030年の方程式」より) *** 未来予測は難しい。ビジネスの世界一つとっても、たしかに言えるのはほんの十数年後には、ビジネスモデル・技術面が劇的に変化しているだろうということだけだ。たとえば今から15年後の2030年、日本は、世界はどうなっているだろう