宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月30日、金星探査機「あかつき」に関する記者会見を開催し、先日実施した軌道上試験噴射の結果と、今後の運用方針について説明した。試験の結果、軌道制御エンジン(OME)は破損が進行していることが分かり、使用を断念。以降は姿勢制御エンジン(RCS)による金星周回軌道への投入を目指す。 記者会見に出席したJAXAの中村正人・あかつきプロジェクトマネージャ(右)と稲谷芳文・宇宙科学プログラムディレクタ 試験噴射の結果について、OMEは全損か 日本初の金星探査機「あかつき」は、2010年12月の金星接近時に軌道制御エンジン(OME)を使った逆噴射を実施。速度を落として金星の重力に捕捉させる予定だったが、姿勢が大きく乱れたことによって、計画の2割程度の時間で噴射を中断、金星周回軌道への投入に失敗した。「あかつき」は金星を通過し、太陽の周りを7カ月ほどで1周する楕円軌道