経営危機が懸念されていたクレディ・スイス銀行のAT1債が無価値化したことが、金融業界では大きな話題となっています。 今回はAT1債とは何か、そして今後どのようなことが想定されるのかについて簡単に確認していきたいと思います。 AT1債とは クレディ・スイスのAT1債に起きたこと これから起きること AT1債とは AT1債とは、株式と債券の中間の性質を持った証券です。AT1とはAdditional Tier1の略です。偶発転換社債 (contingent convertible bonds=CoCo債) とも呼ばれ、2008年の金融危機後に金融機関の自己資本比率を充実させるための手法の一つとして発行されるようになりました。世界的な金融危機を防ぐための新たな金融機関の国際規制「バーゼル3」が策定されたことに伴い「その他Tier1」という自己資本の基礎的な項目として認められるようになったのがAT1