知られざる女性たちの功績に光を当てたり、ジェンダー(社会的・文化的な性差)の問題を子どもの目線で考えたりする翻訳書の出版が、この春、相次いでいる。なぜ「偉人」は男性が多いのか。その背景にあるものについて、多くの人に考えてほしい――。編集者や翻訳者らの思いが、同時多発的にかたちになった。 ジェンダーギャップ(男女格差)が大きく、セクハラ問題も相次いでいる日本。何がこの状況を生んだのか、見つめ直す手がかりがちりばめられている。 今月出版された『世界を変えた50人の女性科学者たち』(レイチェル・イグノトフスキー著、野中モモ訳、創元社)は、教科書や伝記にはあまり載っていないものの、科学的な分野で功績を残した女性50人を紹介。2016年に米国で出版され、約20カ国で翻訳されている。 「以前は、パッと名前が浮かぶ女性科学者といえばマリー・キュリーくらいだった」という編集者の小野紗也香さんは、Wi-Fi