チャリツモの記事に医療監修者として携わってくれている精神科医・阿部大樹さんが、昨年から翻訳家としても大活躍中です。初の翻訳書「精神病理学私記」は第6回日本翻訳大賞を受賞し、今年4月には2冊目となる翻訳本「レイシズム」を出版されました。 「レイシズム」は日本人論の古典「菊と刀」で有名な文化人類学者ルース・ベネディクトの著作。人種・国家・言語・宗教・文化など「人間のまとまり」に優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破している本書は、奇しくも「Black Lives Matter」と言われる反人種差別の運動が巻き起こる直前に出版されたこともあり、たいへん注目を浴びています。 本連載では、2019年12月、「レイシズム」を翻訳中だった阿部さんが、新進気鋭の社会学者・ケイン樹里安さんと“レイシズム(人種主義)”をテーマに行った対談の内容をお届けします。 フランス人の父を持つ阿