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ブックレビュー
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政府は、ブロックチェーン技術に基づく分散レジャー(分散台帳)の徴税、福祉、パスポート発行、土地登記などへの活用を真剣に検討するべきだ──こう聞くと「流行に惑わされたホラ話だろう」と受け取る人もいるかもしれない。だが、これは英国政府の科学技術に関する諮問機関であるGovernment Chief Scientific Adviser(GCSA)が先日発表した公式な調査報告書の中で、英国政府に対して提言している内容なのである。 ◎報告書のダウンロードページ(内容紹介ビデオあり) https://www.gov.uk/government/publications/distributed-ledger-technology-blackett-review/ ブロックチェーン技術とは、暗号通貨Bitcoinのコア技術を他の分野に転用する文脈でよく使われる言葉だ。ブロックチェーンは、暗号技術と分散型
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 自分の記事から──こんな記事を書いてきたし、書いていきたい まず、印象に残った自分の記事から。 「僕らはインディーズ」、受託からインターネットサービスへ変身できた秘密とは ヌーラボ橋本正徳さんへのインタビュー記事です。無署名なんだけど、私が書きました。橋本さんとは古い知り合いということもあって、かなり個人的な事まで聞いたインタビュー記事です。劇団の経験とヌーラボ創業は、実はつながっていたんですね。 鮮烈な演出を支えるのは、枯れた技術と入念なテスト――ライゾマティクス リサーチのプログラマーに聞く ライゾマディクス リサーチのプログラマ、花井裕也さんのインタビュー記事も印象に残った仕事でした。花井さんは理工学部修士課程在学中にISSCCでの発表経験があり、ソニーで研究職をしていたところで
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 最初にお断りしておくと、私はiOSにもAndroidにも愛着があります。iOSに最初に触れたのは初代iPod touchを入手した2007年9月で、その後でiPhone3GSを長く使いました。妻はiPhone4Sユーザーなので、時々触らせてもらっています。一方AndroidにはHT-03Aを2009年の冬に入手したのが最初の接触で、長く使っている端末はNexusシリーズです。日常的に持ち歩いている機種は、2011年12月から2012年9月まではGalaxy Nexus、ここ4カ月はiPhone5です。並行して、Galaxy NexusやNexus 7も使い続けています。 今回は「iPhone5を日常的に使って感じているiOSの残念なところ」を書いていこうと思います──が、その前に私なり
enchantMOONは、ユビキタスエンターテインメント(UEI)が開発を進めているハードウエア製品だ。2013年1月8日から開催された2013 International CESでデモ機を初公開した。それに先だって、2012年11月末頃から、“ある種の人々”の関心を引きつけずにはおかないようなティーザー(=じらし)情報が出回った。公式サイトのプロモーションビデオや、UEI代表取締役社長兼CEOである清水亮氏のBlogに頻繁に載る思わせぶりな記述や、そして商業メディアにぼつぼつと掲載される事前取材記事、等々──。 気になる。公開されている情報の中で、特に興味深いと(個人的に)思えた部分について、当Blogに記録することにした。実は、近日中にenchantMOONに関する取材をする予定なので、そのウォーミングアップのつもりである。 (追記:その後、取材に基づく記事が2013年2月15日に掲載
2013年1月29日、新サービス「ziny.us(ジーニアス)」のプレス向け発表会に参加しました。iPad向けのソーシャルマガジンで、2月20日から日本向けサービスを開始する予定です。自然言語処理や機械学習を使ったニュースのリコメンド機能を備えています。 特徴は、次の3点。 iPadの広い画面を活かしたソーシャルマガジンサービス(Flipboardライクな側面) 関心事をポストして共有(Pinterestライクな側面) 自然言語処理、機械学習を用いたリコメンド機能を備える(Gunosyライクな側面) 個人的に興味を持った点は、「人工知能」というキーワードです。プレゼンテーションでは、(1)ソーシャルニュースアプリFlipboard、(2)関心を共有するソーシャルサービスPinterest、(3)クイズ番組に出演した人工知能IBM watsonの3つを「一緒にする」という説明をしていました。
MetaMoJiが今日(2012年9月26日)開催した「Note Anytime」の発表会に参加しました。スマートデバイス(iOS、Android、Windows8/RT・・)の時代ならではのアプリ作りに挑戦している姿勢がうかがえて、刺激を受けた発表会でした。 「Note Anytime」は、タブレット端末を手書きノートとして使えるようにするアプリです。同社の前作「7notes」は「文字」にフォーカスした手書き入力機能を備えていましたが、このNote Anytimeは文字だけでなく、フリーハンドのグラフィックス機能に注力していて、文字やアンダーラインやスケッチなどが混在したノートを、タブレット端末上で作ることを目標としています。 例えば、次のサンプル画像を見てください。 「大学生が取るノート」のサンプル 図解や化学式、文字の色分けなどの要素を取り入れたノートをタブレットで取る利用法を想定し
「iPhone5にNFC機能が搭載されるのではないか」「そうなれば、NFC普及の起爆剤になる」──昨日まで、こうした話題がNFCに関心を持つ人々の間で盛り上がっていた。だが、2012年9月12日に発表されたiPhone5には、NFC機能は搭載されていなかった。 NFCは"Near Field Communication"(近接無線通信)の略で、ケータイや、ICカード、無線タグ(NFCタグ)などを「タッチ」したり「かざす」だけで通信するための標準規格だ。クレジットカードや電子マネーによる決済への応用から、自動車のキー、ヘルスケア機器、Bluetooth機器とのハンドオーバー、O2O(online to offlice)マーケティングなど、多種多様な応用が期待されている。そして、もしiPhoneがNFCを搭載すればNFC搭載スマートフォンが一挙に大量に出現することになり、NFCの各種応用も爆発
ソフトウエア技術に関するWebメディアInfoQが、OracleがJava EE 7の開発計画を見直し中と伝えています。Java EE 7の「目玉」機能として今まで説明してきたPssSとマルチテナンシ、つまりクラウドのための機能を、次のバージョン(Java EE 8)まで延期するかもしれないそうです。 Oracle が Java EE 7 計画からクラウドサポートを削除(InfoQ) この機能が実現すれば、Java EE 7をサポートしたアプリケーション・サーバーは、すなわちPaaSインフラとなる(クラウドインフラとなる)はずでした。昨年のJavaOne 2011や、今年のJavaOne 2012 Tokyoでは、Java EE 7のPaaS機能について「新しい破壊的な力がある」と強調していたぐらいに、大胆なコンセプトです。 Java EE7のPaaS対応は「新しい破壊的な力がある」──J
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 詳細は、現在はBaiduに勤務するadamrockerさん(=Android向け日本語入力ソフトSimejiの作者)のBlogに記されています。 Android向け百度ブラウザが凄すぎる件 私も、手元のGalaxy Nexus(Android4.1.1)で試してみましたが、HTML5への対応度を測るHTML5testでスコア482(満点は500)、JavaScriptの実行速度を測るOCTANEでスコア1431。 HTML5testで482(500点満点)と空前のスコアを記録 ちなみに、同じGalaxy Nexus(Android4.1.1)上のChrome for Androidでは、HTML5testがスコア369、OCTANEが1287です。 さらに、私が今使っているMacOS
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 同社が上場いらい26年で初の四半期赤字を計上したのは、2012年4-6月期(会計年度2012年第4四半期)です。この最新の数字を含む、2006年〜2012会計年度までの同社の業績を表にまとめました。 表 Microsoftの部門別売上高/営業利益(会計年度2006年〜2012年)単位:100万ドル Microsoftの部門別売上高/営業利益(会計年度2006年〜2012年)のデータ(Google Docs) ネット広告でGoogleに挑み深手を負う 今回の四半期赤字の原因になった「オンラインサービス部門」の業績を見ると(表中の赤い部分)、2006年いらい一回も黒字化することなく、それどころか赤字幅が毎年拡大する一方です。2011年度の時点で26億5700万ドルという巨額の赤字を計上して
最近、Apple、Google、Microsoftという3つの会社の業績と直近の発表を調べる仕事をしました。結論はシンプルです。「今はPCの時代からスマートデバイスの時代への転換期にある。そして3社ともスマートデバイスを成長エンジンと考えている」。スマートデバイスという言葉は、iPhone、iPad、Android端末、Windows 8タブレットなど新しいカテゴリのデバイスの総称です。 Appleの売上高構成比を見ると、今やiPhoneとiPadが75%を占めます(2012年1-3月決算)。同社は今やスマートデバイスの会社なのです。そして2007年のiPhone発売から2011年まで、同社は平均して年率45%成長を4年に渡り続けています。売上高1000億ドル規模の巨大企業が年率45%成長する勢い──これこそ、今がスマートデバイスの時代であることのサインです。 AppleのiOSデバイス群
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ S III標準ブラウザのHTML5 testスコアは500点満点中「380」を記録しました。これは、今のモバイル向けブラウザの水準を越える良いスコアです。例えばChrome for Androidのスコア「369」を上回っています。ちなみに、手元にあるAndroid4.1.1搭載Galaxy Nexusの標準ブラウザのスコアは「281」とはるかに低い数字です。 これだけスコアが違うということは、S IIIのブラウザにはHTML5対応のために相当の開発努力が注ぎ込まれていることを示すと考えていいでしょう。 今までのモバイルOS上のブラウザのHTML5 Testでは、Tizen端末プロトタイプが記録した「400」がトップクラスでした。S III標準ブラウザの「380」はそれに次ぐ良い数字で
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 米マイクロソフト4─6月期は最終赤字、1株利益は予想上回る(ロイターの記事) 米マイクロソフト、四半期初の赤字 86年上場以来 (日本経済新聞 電子版) Microsoftのプレスリリース 決算発表資料のスライド(PowerPoint) 決算発表のExcelシート(Excel) 赤字転落の原因は、オンライン部門(Online Services Division)の出した損失です。2007年に買収したインターネット広告会社aQuantive社の「のれん代」を減損処理し、62億ドル(約4870億円、1ドル78.6円換算)と巨額の損失を計上したのです。 マイクロソフト、aQuantive買収の評価損62億ドルを計上へ(CNET Japan) つまりこの四半期の赤字は過去の買収失敗の会計上の処
ITの世界には、垂直統合と*水平分業*の二つのビジネスモデルがあります。どちらが主流になるのか、それは時代により入れ替わります。そして、今は「モデルの入れ替わり」の時期なのかもしれません。きっかけは、iPhoneの大成功です。 始まりは、垂直統合でした。メインフレーム(汎用大型コンピュータ)の世界では、元祖・垂直統合と呼ぶべき強固なビジネスモデルが成立していました。 IBMはある時期、コンピュータ産業で図抜けて成功した特別な会社でした。IBMという一つの会社がコンピュータアーキテクチャを設計し、ハードウエアを設計・製造し、OSを開発し、アプリケーションを開発し、顧客に販売し(あるいはレンタルし)、サポートを提供していました。日本では富士通と日立製作所がIBMに範を取った垂直統合型のメインフレームビジネスを展開しました。 ここに大きな事件が起き、垂直統合のビジネスモデルに破壊的な変化を引き起
最近、「 『UNIXをC++で分散OSに書き直せ』、幻に消えたBill Joyの野望とは」という記事を書いていて改めて気がついたことがあります。1987年〜1993年頃の時期はコンピュータ産業の大きな転換期で、次の世代の主流となるOSが決まる重要な時期だった、ということです。勝ち残ったのは、当初は「圏外」と思われていたWindows NTとLinuxです。 大きな転換期であることのサインは、いくつかあります。32ビットCPU(Intel 80386とその後継製品)を搭載したPCが実力を高め、エンタープライズITのメインストリームになっていったこと。コンピュータ産業の巨人と思われていたIBMが赤字に転落し、社外からガースナーCEOを迎えいれたこと。オープンシステム(メーカー独自のプロプラエタリな製品ではなく、業界標準の製品によるシステム構築)の台頭。インターネット商用化も同時期の出来事です。
最近、日本経済新聞電子版に掲載された中村邦夫パナソニック前会長の言葉に、私はある衝撃を受けました。そして思い出したことは、日本の電機メーカーでの伝統的なソフトウエアの軽視、というより「ソフト嫌い」の伝統です。 この言葉が出てくる記事は、2012年7月2日掲載の「『さらばパナソニック』知られざるカリスマの胸中」です。経営の第一線を退く中村邦夫前会長へのインタビューに基づく記事で、その中にこんな言葉が出てきます。 僕はね、電機業界にはITという隕石(いんせき)みたいなんが落ちてきたんやと、今でもそう思うとるんですわ。 この言葉は、三洋電機の買収(2008年〜2009年)の是非に関する文脈の中で出てくる言葉です。そして、次のように続きます。 ライフスタイルも何もすべてを変えてしまったからね。デジタル化の波が急激にやってきて、われわれのようなメーカーは、さてどうするかと考えねばならなくなった。 こ
「Mobile5──HTML5の現状とこれから」(ATND)に参加しました。いい意味でバラバラな視点が集まったHTML5勉強会でしたが、その中で「家電/組み込み分野でのHTML5の可能性」の話には特に刺激を受けました。 この発表を主な題材として、「家電のもう一つの未来」を考えてみます。 まず、この勉強会のメニューは次のようになります(当日発表順)。またTogetterに実況ツイートがまとめられています。 Tizen市場の予測(バイドゥ今村博宣さん、SlideShare)世界市場では数千万台規模になることが予想されているTizenのインパクト。 モバイルにおけるHTML5の現状と今後の予想(GClue佐々木陽さん)スマートフォン分野でHTML5に特に注力してHTML5Testで高スコアを記録しているのはTizen、BrackBerry10など後発組。マーケットが立ち上がればチャンスはある。
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ 「UNIXをC++で分散OSに書き直せ」、幻に消えたBill Joyの野望とは Googleの大規模調査では2012年1-3月の日本のスマートフォン普及率は20%、26カ国中24位 『イノベーションのジレンマ』は他人に伝えることが難しく、実行はもっと難しいという個人的な思い出 3950円のAndroid4.0搭載ボードコンピュータ、国内ショップが販売中 Androidアプリのセキュリティに不安な人にこれだけは知って欲しいミニ知識 Apple、Google、Microsoftの研究開発費を比べて分かるAppleの効率の良さ 新言語JSX登場、JavaScript+コンパイラ技術でWebプログラミングの実行速度と生産性を向上 有料Androidアプリの市場規模はiOSの1/10以下か Ti
Twitterタイムラインで、津田大介さんの行政データ公開に関するツイートが目に止まりました。そこで連想したのが、英国で開発された、歳出削減案の是非を市民が検討できるインターネットサービス「You Choose」です。 津田大介さんのツイートは「『対案なき提案はダメ』という言説を警戒しよう」という文脈の中でのものですが、その中で「データは重要」という話題が特に気になりました。 @tsuda もうひとつ。対案を作るために必要なデータは日本の場合はたいがい官庁が独占しているか、なんだかんだで官庁が出すデータしか公的な権威を認めない変な風習があるので、そもそも政府の方針に反対する側が満足のいく「対案」を作ること自体に無理がある以上、前提にすべきではない。 — toshi fujiwara/藤原敏史 (@toshi_fujiwara) July 1, 2012 だからこそ、ポリシーウォッチとともに
日本オラクルが2012年6月29日に開催したプレス/アナリスト向けのエンタープライズJavaテクノロジーとアプリケーションサーバーWebLogic Server 12cに関する説明会を聞きに行きました。 伊藤敬氏(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアマネジャー) この説明会の骨子(メッセージ)を自分なりに抽出すると次のようになります。 (1)古いJavaテクノロジから、新しいJavaテクノロジに移行しよう。 (2)Java EE6の導入事例が出始めた。開発生産性の向上というメリットが出ている事例も。 (3)仕様策定中のJava EE7ではクラウド機能を導入する。Java EE6の導入は、Java EE7への準備ともなる。 以下、それぞれ説明します。 (1)Java EE標準のカバー範囲が広がり、古いJavaフレームワーク(Struts、DI
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ このシステム、ちょっと凄いです。アールティによれば「人とロボットが対戦するゲームはおそらく世界で初めて」ということですが、本当に闘っています。 まず、下のシステム全体像を見てください。 ロボットは身長120cm。アールティの等身大ロボット「RIC」を使っています。 Androidを搭載したタブレット(ロボットの頭部)と、Androidデバイスと外部入出力端子を連携させるADK(Android Open Accessory Development Kit)ボード「ADK mini」により、ゲームシステムを構成しています。ロボットの操作では、リアルタイム演技指導ソフト「V-Sido」を利用しています。 ロボットの操作は、上半身と下半身でそれぞれ別のプレイヤーが担当します。「Attackプレ
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ この日Googleは、Androidの新バージョンを搭載し、Amazon Kindle対抗の商品企画に仕上げた"Nexus 7"タブレット、Apple TVと似た製品企画の"Nexus Q"、そしてメガネ型コンピュータ"Google Glass"試作版を発表しました。 Android4.1 "Jelly Bean" 描画をスムーズに、タッチ操作の反応を改善 オフライン音声認識機能を搭載 7月中旬より提供開始 タブレット"Nexus 7" Android4.1とGoogle Playのためのタブレット Tegra3搭載 画面サイズ7インチ。解像度1280×800 デフォルトブラウザはChrome バッテリーで9時間動作、重量340g 199ドル、7月中旬より北米で出荷 家庭用デバイスNe
UNIXの歴史にはある大きな転換点があり、そこには「もう一つの未来」の可能性が開けていました。この転換期に起こった出来事は「UNIX戦争」として知られていますが、その背景に「UNIXをC++で分散OSに書き直す」という野心的な計画があったことは、今ではほとんど語られることはありません。 私は、この一連の出来事の時期に、『日経エレクトロニクス』の記者としてUNIXの動向を追っていました。当時の出来事の概要を、取材者の視点から書き記しておきたいと思います。多くの読者にとって初耳の情報も含まれていると思います。 一連の出来事の発端は1987年に発表された、Sun、AT&T、Microsoftによる統合UNIXの発表です。この発表の前夜がどういう時代だったか、という話がまず必要でしょう。 統合前夜 1980年代後半は、コンピュータの歴史でも重要な時期でした。この時期、32ビット・マイクロプロセッサ
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ ある技術分野Aが持続的な性能向上・品質向上を続けるうちに、市場の多数派の要求を上回ってしまう。そして必要十分な性能・品質で低価格な技術分野Bに市場を奪われてしまう現象が起きます。持続的な性能向上・品質向上を「持続的イノベーション(sustaining innovation)」、そして前者の市場を奪ってしまう必要十分な性能・品質の技術の登場を「破壊的イノベーション(disruptive innovation)」と呼びます。そしてデジタルな技術は、あちこちの分野でこの破壊的イノベーションを引き起こしている訳です。 破壊的イノベーションの理論には、思い出があります。クリステンセンの本が出るずっと前(原書も出ていない時期でした)に、当時は横河ヒューレット・パッカード(現、日本HP)の社員だった
情報と技術は未来をどう変えるのか──IT、スマートデバイス、ロボット、電子工作、メディアのアーキテクチャ MicrosoftはOSをOEM提供し、PCメーカーがハードウエアを作る──こういう形の水平型の分業が、長年にわたってPCの業界の基本構造だった。それが、先に発表したWindows 8/RT搭載タブレットSurfaceはMicrosoftブランド、Microsoftの直販という製品で、しかも月産100万台規模で生産するという。 古くからPC系ライターで活動していた人々は、MicrosoftがPCメーカーを差し置いてハード事業に進出することにある種の衝撃を受けているようだ。その様子は、例えば次の記事に現れている。筆者は「Microsoftがパンドラの箱を開けてしまったことは間違いない」と記事を結んでいる。 ■笠原一輝のユビキタス情報局■Microsoft「Surface」がPCメーカーに
2012年6月20日、MicrosoftはWindfows Phone 8を発表しました。公式Blogでは、この新バージョンの特徴として「Windows 8と同じコア・テクノロジ」を採用したことを挙げています。 その意味を考えてみましょう。 まずWindows Phone 8発表の情報源です。次の記事が参考になります。 Announcing Windows Phone 8 - Windows Phone Blog(公式Blog) マイクロソフト Windows Phone 8発表。Windows 8とカーネル共有、64コアまで対応(Engadget) ソフトウェア開発者にメッセージを打ち出すWindows Phone 8 - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース(PC Watch) 公式Blogの記事で最初に強調されているのは、Windows Phone 8が、Windows 8と「同じコア
情報通信研究機構(NICT)がInterop Tokyo 2012で動態展示した対サイバー攻撃アラートシステム「DAEDALUS(ダイダロス)」のビジュアルがあまりにもカッコ良いので紹介します。 このビジュアルは、「中央の球状で表現されたインターネットから、周囲を飛来するリング状の観測対象組織(nicterダークネット観測センサ設置組織)のダークネットに向かってパケットが飛来している様子」を可視化したもの、とのこと。 DAEDALUS(ダイダロス)は、組織内ネットワークにおけるマルウェア感染などを迅速に検知して警告を発行する対サイバー攻撃アラートシステムです。民間企業クルウィットに技術移転して商用アラートサービス「SiteVisor」として提供していくとのことです。 ビデオニュースサイト「DigiInfo TV」の取材映像がYouTubeに上がっています。 中心にある球形がインターネット、
先に「GR-SAKURA」と「がじぇルネ」を紹介しましたが、その応用例が面白いので紹介します。「GR-SAKURA」がADKでAndroidと連携したり、TK-80になったり、放射線計の心臓部になったりと活躍しています。 GR-SAKURAでAndroid ADK ADKがもう動いていたんですね。 ADK(Android Open Accessory Development Kit)は、Androidスマートフォンとマイコンボード(USBホスト機能付き)を接続して連携させるフレームワークです。「電子工作もの」のホストコンピュータとしてPCではなくAndroidを使えると、工作物をコンパクトにまとめられたりと自由度が広がると思います。 GR-SAKURAでTK-80シミュレータを作ってみた TK-80(Wikipedia)は1976年に販売されたマイコンキットです。8080A互換プロセッサを
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