サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ブックレビュー
karuchibe.jp
[著者]菊池勇夫 [発行]吉川弘文館 [発行年月日]2019年4月30日 [入手の難易度]易 自然災害、あるいは戦争による飢えや疫病、怪我は、近世以前の本草学(食用・薬用その他、人間にとって有用な天然資源を研究する学問)や農耕と園芸の技術が発達する原動力になった、というのは容易に推察できる。 今日は、『飢えと食の日本史』という本を紹介する。そもそも、僕らのほとんどは飢えを知らない。へたするとしばらく「お腹すいたなあ」という感覚すら覚えたことがないかもしれない。飢えの現実については、本連載第40回(「花のエネルギー」)で紹介した「風をつかまえた少年」カムクワンバの話で少し書いたが、その苦しみと不安はとても長期間でしかも先が見えない、誰にもわからない、という恐ろしさがある。 村が飢饉に襲われたとき、飢えに黙って耐え、ひっそりと亡くなる人もいれば、何かのきっかけに暴動を起こす人たちもいる。 カム
『知られざる白川郷 床下の焔硝が村をつくった』 [編著者]馬路?藏 [発行]風媒社 [発行年月日]2009年1月15日 [入手の難易度]易 今日の話は、現在、世界遺産となった白川郷で密かに焔硝(えんしょう)が作られていた、しかも長い年月に渡って密かに行われていた、という謎についての物語だ。焔硝(硝石とも)というのは鉄砲に用いられる火薬の原料である。 この物語は、2002年、著者らが白川村教育委員会から「合掌家屋の床下の土」を化学分析するように依頼されたことに始まる。その土を分析した結果、驚くべきことがいろいろわかってきた。 調査で明らかになったのは、江戸時代に火薬の原料である焔硝(硝石)を人尿、蚕糞、野草などを材料とし、土壌微生物のはたらきを利用してつくっていたという驚くべき事実だった。 さらに、この調査をもとに白川村に残る文献や古文書、高齢者へのインタビューなどを行い、実際にどのような材
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『サイト公開終了のお知らせ | 農耕と園藝』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く