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コロナ禍により、様々な状況下で困難に直面している方々に、心よりお見舞い申し上げます。 ここでは現在の登山環境について、登山者の皆さんに注意深く状況の把握に努めていただきたいことについて記します。 〈現状と今後の見通し〉 6月に入り、段階的に緊急事態宣言にともなう各種要請が解除される中で、自治体ごとの登山自粛の呼びかけも徐々に緩和されています。一方で、富士山や南アルプスの多くの山小屋が今シーズン通しての休業を発表するなど、事態は二極化する様相を呈しはじめています。 個人(伊藤二朗)としての登山自粛に対するスタンスは当WEBサイト内の「登山自粛論」に記しましたが、自粛はあくまでも権利の消失とは異なるものであり、個々人の社会的な背景や生活環境などに基づいて判断されるべきことですので、冷静に状況を把握し、責任を持って行動することが大切だと私たちは考えています(責任を持つというのも、失敗が許されない
-お知らせ- 2024年山荘営業につきまして、 予約受付開始日を掲載しました。 詳しくは宿泊ページを ご参照ください。 近代登山の黎明期、雲ノ平はそのあまりのアプローチの遠さから「最後の秘境」と呼ばれていた。 街の灯りから隔絶された北アルプスの最奥部、標高二千六百メートル付近に忽然と広がる平原、雲ノ平。その静寂の大地に踏み入ると、不思議な景色を目の当たりにする。柔らかな起伏を描く草原に点在する池塘、リズミカルに配置された火山岩、岩陰から青黒い枝葉をのぞかせるハイマツ、まるで整然と手入れされた日本庭園のような情景が歩みを進める毎に展開される。そして果てしなく広い空の下、アルプスの核心部の名山が競うように「天上の庭」を取り囲み、深い谷底からは黒部源流の沢の音が微かに響いてくる。いつしか私たちは原始の物語の世界に引き込まれて行く。
リポート:伊藤二朗 北アルプスの山小屋「雲ノ平山荘」経営者。1981年生まれ。東京都出身。幼少より黒部の源流で夏を過ごす。2002年に父・伊藤正一が経営する雲ノ平山荘の支配人になる。2010年、日本の在来工法を用いた現在の雲ノ平山荘の建設を主導し完成させた。 記事を掲載した2日後、小屋から10分ほどのところにある携帯の電波圏内に行き、世論の反応に触れることができた。正直なところ、予想を超える反響の大きさだった。 読んでいただいた皆さんには、この場を借りて心から感謝を申し上げます。 まずはその後のヘリコプターの状況について報告したいと思う。 T航空は7月末の段階でヘリコプター全機が復帰し、天候に恵まれたこともあって8月初旬にはそれまでの遅延を解消した。雲ノ平山荘の物資も8月4日の段階で、ようやく全て受け取ることができた。最初のヘリコプター故障の報を受けてから、実に40日ぶりに事態はひとまずの
リポート:伊藤二朗 北アルプスの山小屋「雲ノ平山荘」経営者。1981年生まれ。東京都出身。幼少より黒部の源流で夏を過ごす。2002年に父・伊藤正一が経営する雲ノ平山荘の支配人になる。2010年、日本の在来工法を用いた現在の雲ノ平山荘の建設を主導し完成させた。 6月末のある日、T航空の荷上げを翌日に控えていた僕たちは一本の電話を受けた。「ヘリが全て故障したので、当面荷上げはできません」。ここから今回の騒動は始まった。 まず断っておきたい。僕自身が当事者としてあまりにも深く関係してしまっている問題のため、表現は慎重を極めなければならないことだが、山小屋や日本の国立公園の大きな岐路にもなる事態なので、書きたいと思う。山小屋や国立公園、航空会社など、関係する全ての人々が建設的な将来に向けて一歩を踏み出せることを祈って。 かなり長い文章なのだが、ぜひご一読いただきたい。そして、ひとりでも多くの方に知
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