丸2年にわたり、物価高騰の影響で実質賃金が減少している。連合の集計では、春闘で5%以上の賃上げが実現したが、実質賃金がプラスに転じるのはいつなのか。 「行きつけのカレーチェーン店の値上がりがひどく、トッピングの量を減らしている」。東京都内に住む男性会社員(46)は昨今の物価高についてぼやく。 男性の給与は1人当たりの平均年収(460万円)よりは高いが、ここ数年はほとんど上がっていない。勤続20年ほどになるが、ベースアップ(ベア)はなく、5000円程度の定期昇給(定昇)のみ。 帝国データバンクによれば、5月には417品目の食品が値上げされる。平均値上げ率は31%にも上るという。男性は「食料品を中心に値上げラッシュが続いている。何かと安いものを買い求めるようになった」と明かす。 気がかりなのは、金利の動向だ。妻と子ども2人の4人暮らしで、郊外に一軒家を建てた。変動金利による住宅ローン返済を抱え