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虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC) 市川春子 講談社 2009-11-20 売り上げランキング : おすすめ平均 Amazonで詳しく見る ISBN:9784063106176 「結局、マンガというのは、どこまでいっても“絵”なんだなぁ、とつくづく思うよなぁ」 読み終えた単行本を本棚に収めると、タカオさんがため息混じりに呟きました。 「たとえ印象的な場面やら、心に残るセリフがあったとしても、そこだけを抜き取ったって完全には伝わらない。マンガの中でのセリフだ何だというのは、結局はコマの中での一要素に過ぎない。いや、ページの中の一部分、あるいは原稿用紙数十枚の中の……」 それで、つまり何が言いたいんでしょうか? 「この作品の圧倒的な魅力を伝えるには、一部を引用して紹介するだけでは、到底伝わりきらないのではないか、ということなんだけど」 音もなく 駆け上がる 足も 草を摘む 手も 全部
「もうだめぽ」 久しぶりの更新一発目なのに、タカオさんはいきなりダメ宣言をしました。 「流石に疲れた。でもまぁ、新刊が出てしまったんだから、仕方ないな。とりあえず、前回、一部で好評だった元ネタ拾いを今回もやってみた」 私はもう、これ以上、この地道な作業に時間を費やしたくは、ないのですけれども……。でも、見つけちゃうんだから、仕方ないですよね。ドコまでネタの宝庫なんでしょうか、このマンガ。いくら探しても、終わりが全然見えないんですよ。というか、作品自体の感想は今回書かなくていいですか? 私、ウェブログの更新方法を素で忘れてて、かなり困ってるんですけど。 「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」 とにかく、ネタについては、今のところ判った範囲で暫定upしておきます。今回は、2巻のとき以上の分量になりました。あ、なお、この文章は、そのうち書き換える可能性があるので、ご注意を。 ふおんコネクト! (3
「高校時代、同じ学年の男子に、植物と話ができるって噂のヤツが居てさぁ」 手元の文庫本を、読み終えた本で出来た山の一番上に乗せると、タカオさんは突然話を始めました。 「まぁ、俺とは違うクラスだったし、直接そいつと会話したこともなかったんで、そのとき俺自身としては、変な噂が流れてるもんだなぁとしか思わなかったんだけどさ」 えっと。草木と話をする人って、別に珍しくもないんじゃないですか。私の周りにも、育ててるサボテンに毎朝声をかけてる人とか、実際いましたよ? 何かのセラピーとかでも、そういう行為に一定の効果があるって、耳にしたことがありますけど。 「違うって。俺はいま、話が『できる』って言ったの。つまり、会話や対話の類だな。こちらが一方的に話すんじゃない。相手の声が聞こえる、自分の意思が伝達できる、相手の気持ちが理解できる。そういう双方向性を持った一連の動作を、その男子は可能らしいっていう、そう
「小説が読めなければ、マンガを読めばいいじゃないッ!」 断頭台の露と消えそうな勢いで力強く叫ぶと、タカオさんは興奮気味にこちらを振り返りました。 「我々は、仕事が忙しいとか、紹介すべき本がないとか、愚痴と言い訳ばかり繰り返してないで、前向きに良作を探し出す努力とそれを読破する時間の確保を続けるべきではないのかね? そして、本来、選ぶべきジャンルやメディアにこだわる必要もないはずだ。面白ければ、マンガでも何でも、もっと全力で採り上げるべきなんだよ!」 そんな異常に高いテンションでセンセーショナルなこと言われても、「なんだってー」とか、絶対言いませんからね、私は。*1。それに、そもそも毎回課題図書をきちんと読んでおかないのは、私じゃなくてタカオさんの方なんですけど……。あまつさえ、直前に作品を変更したりしちゃうし。 「――というわけで、俺は考えた。マンガなら速攻で読み返しが可能だし、なにより紹
「そういえばさ、“紅茶に浸したマドレーヌ”の味から生まれる物語、って何だっけ?」 どうでもいい疑問を前触れなく口にすると、思案げな顔をしてタカオさんはこちらを振り返りました。 「どうでもいい、ってことはないだろ……。いやまぁともかく、ふとしたきっかけで何かを思い出すことってのは日常よくあるわけだよ。記憶の底に追いやったつもりで居ても、その記憶が何か別のものと結びついてたりすると、その特定の刺激を受けた際、不意に甦ってきたりすることがさ」 いや、そんなこと言って、タカオさん。あなた、全然思い出せてないじゃないですか。プルースト、でしょ、それ。『失われた時を求めて』ですよ。 「ああ、そうだっけ。その本、読んでないから分かんなかった」 それ、もう“思い出す”とかいう以前の問題ですね……。忘れてすら、いないじゃない。 「忘却、っていうのも、ホントのところメカニズムがよく判らない事象の一つではあるよ
「この世には、2種類の古本が存在する。1つは、探して入手できた古本、そしてもう1つは、いくら探しても見つからない古本だッ!」 当たり前のことなのに、さも今あらためて発見した新法則であるかのように、タカオさんが叫びました。 「もっとも、ここが難しい所なのだが、古本の稀少度は必ずしも内容の評価とは比例しないのが問題なんだよな。売れないから大量に裁断処分されたけど、あとで需要が出てくる本とかな。それだけに、サンリオSF文庫の蒐集は、いばらの道だよ」 それじゃあ、復刊されるまで待てばいいんじゃないですか。ほら、ちょうど今は、サンリオの復刊ブームなんだし。「氷」も「キングとジョーカー」も「スタージョンは健在なり」*1も普通に書店で買えますよ。今後も、「エンパイア・スター」や「サンディエゴ・ライトフット・スー」とか、復刊予定があるじゃないですか。本当に、ニューウェーブ好きにとっては、良い時代になりまし
「俺たちも、日常に“?”を持たない ゆとりチルドレンから脱却するべきだ!」*1 普段は大事なことでも平気でスルーするくせに、どうでもいい事ばかり、やたらこだわる迷惑野郎なタカオさんが言いました。 「わからない部分をわからないままにしておくと、いつまでたっても人は成長しないじゃないか。わからない事ならばこそ、わかろうとする努力をしなければいけない。マンガのネタも、またしかり。ネタが細かい、とか、本編よりも小ネタが気になる、とか、そんな作品であればあるほど、相手にとって不足なしだ。つまりそれは、作者と読者のガチンコ勝負なのだから。ネタの理解やツッコミよりも、作中に潜むネタを探す処から始めないといけない作品など、そうそうないんだ。それなのに、読者がこれに応えないでどうする!」 発売日を待ち望んでいた作品の紹介だけに、今回はいきなりテンション高いですね。でもまず、タカオさん自身が何の話をしているの
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