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中東情勢
note.com/774notes
映画『オッペンハイマー』が公開されました。試写の時はさすがに内容に踏み込んだことを書くのは控えたのですが、無事公開もされたことですし、あらためて内容について書きたいと思います。 Prometheus Stole Fire from the Gods and Gave It to Man. For This, He Was Chained to a Rock and Tortured for Eternity.” 映画『オッペンハイマー』はこの引用から始まります。 「プロメテウスは神から火を盗んで人間に与え、そのために岩で鎖に繋がれ永遠の責苦を受けた」 はい。多くの評論家が「オッペンハイマーは現代のプロメテウスの物語だ」と書いています。ちなみに映画の原作と言われるピュリッツァー賞受賞のノンフィクション『オッペンハイマー』の原題は『AMERICAN PROMETHEUS』です。「オッペンハイマ
映画『オッペンハイマー』の試写会に行ってきました。日本中の映画関係者が来ているのではないかと思うほどの大劇場満員の試写で、受付だけで大行列でした。 まずはこの映画の配給に手を挙げてくれたビターズ・エンド社にお礼を言いたい。アメリカで映画賞総なめ状態にも関わらずこの映画の公開はなかなか決まらなかった。『正欲』『熱のあとに』など優れた日本映画の配給を支える一方、こうした火中の栗を拾うような作品も配給してくれるのは映画ファンとして足を向けて寝られない。 『オッペンハイマー』の映画技術も素晴らしいものだった。ちょっと『シン・ゴジラ』のスピード議論劇を思わせる情報の洪水とともに、この世の果てでプロメテウスが火を拾うような映像が怒涛のように押し寄せた。180分という上映時間を長く感じないといえば嘘になるが(流石に疲れた)技術的には圧巻と言うしかない。 日本で見られてよかった。配給してくれてありがとう。
これは既にXで多くの報告がなされていることですが、(DM 消えた などで検索)ビジネス連絡で使っている人には命取りになりかねない深刻な話なので急遽無料公開でノートにまとめます。 本日11月1日の7時台、わたくし映画ライターCDBは原稿の依頼先企業から内容修正のDMを頂き、同じ時間帯にDMで先方に返信しました。 ところが夜になると先方企業からまったく同じDMが届き、「朝にやりとりしたDMの履歴が消えてしまったので再度お送りします」という連絡が来ました。 驚いたのは、こちらの端末からも朝に相互に返信した履歴が消えていることでした。 というのも、ツイッターのDMはたとえ投稿者が削除しても、相手の端末には履歴が残るシステムだったからです。 にも関わらず、双方どちらも削除などしていないにも関わらず、双方の端末からDM履歴が完全に消滅したのです。 これは自分と相手先企業(迷惑かかるので名前は出しません
SNSで映画を批判することの難しさと、映画『月』に対する批判、そしてそれとは別に映画『TATAMI』のこと アカウントを見失ってしまって引用できないけど、先週くらいにTwitterで映画宣伝アカウントによる「映画を批判しないで、良い感想だけ書いて」というツイートが話題になっていた。映画を愛するならポジティブな感想だけ書いてください!みたいなやつである。 当然のことながら、このツイートには批判も多くあった。批評するな、と言ってるのも同然だからだ。批評が宣伝になってしまった、という以前の指摘をそのままなぞるような内容の、ある意味では無邪気で迂闊なツイートだったと思う。 しかしまあ、個人的にはその映画宣伝アカウント氏が言いたいことは分かるというか、SNSでの「批判」がちゃんとした「批評」として機能するのはすごく難しい。それは一瞬にして「否定」になり「糾弾」になってしまう。 今のSNSがコンテンツ
デパート敬語でスピーチをするそごう・西武労組の「静かなストライキ」に対する街の人々の共感、その前を視覚障害者が白杖をつきながら通った時に起きたこと 8月31日、そごう・西武労組が1日限りのストライキをやるというので、池袋まで野次馬見学に行った。ストライキという以上これはもうパルコは火の海になり、機動隊と高島屋は武力衝突を繰り返し、三越は人民の海に沈むに違いないという血湧き肉躍る期待を胸に池袋駅を降りたが、実に駅周辺は静かなものであった。 駅の地下街の西武デパートにはストによる休業の張り紙がしてあった。このようなものである。 この地下街の休業張り紙のシャッターの前に、多くの人が集まり写真を撮っていた。マニアやブロガーというより、普段の池袋駅を歩くわかものや女性が多かったと思う。珍しいことなので、記念に写真を撮っているのだ。それくらい日本では大手デパートのストライキは珍しくなってしまった。 ツ
広告宣伝と映画の価値はまた違うもので、映画としてはよく出来ているのだろう、という思いもあり、またグレタ・ガーウィグ監督の『ストーリーオブマイライフ 私の若草物語』も良かった記憶があるので、初日が休日ということもあり早朝の初回に見てきました。 SNSでは、肯定派が「素晴らしいフェミニズム映画、これが大ヒットして世界は変わる!」否定派が「露骨なフェミニズムでうんざり」といった両極端なのですが、正直な感想としては 「大衆向けの中道路線、部分によってはフェミニズム批判ですらある映画」 という印象でした。 これは筆者だけの印象ではなく、フェミニストのコアな部分からもよく出ている声です。以下に東京大学大学院教育学研究科教授の隠岐さや香教授のツイートを引用します。 <引用>留学時代の友人からは「無知な人にフェミニズムの基礎を説明するレベルの内容」、個人的に好きな配信者(仏)は「ネオリベ自己実現の肯定に留
『オッペンハイマー』と『バービー』のコラボが炎上している。炎上している、というのは日本だけの話で、アメリカでは最高に盛り上がってウェイウェイしている。 まずはこのファンアートをみてほしい。 原爆の父であるオッペンハイマーが、ハードボイルド小説の主人公のようにマッチョに片手をポケットに突っ込み、マーゴット・ロビー演じるバービーを軽々と肩に抱え上げている。魅力的で美しい白人女性であるバービーはコケティッシュにミニスカートの足を組み、原爆の炎を背に手を突き上げて歓声を上げている。 英語の字幕がついている。「THE WORLD FOREVER CHANGES 」世界は永遠に変わる。バービンハイマー、というのはバービーとオッペンハイマーを合わせたコラボワードだ。 このファンアートのポイントは、この「THE WORLD FOREVER CHANGES 」にある。これは映画『オッペンハイマー』のキャッチ
緊急性の高いテーマなので、文章にはこだわらず、要点だけを書きます。 埼玉県施設での水着撮影会の野党からの抗議、そして中止と中止撤回というトラブルにからんで、SNSで以下のようなツイートが拡散しています。 グラビア撮影は嫌だったと言ってる女優さんは結構多い 井上和香「水着は本当に恥ずかしかった」 吉岡里帆「水着姿なんて絶対出したくなかったが夢をつかむため抗えなかった」 乙葉「水着にならなくていいのは松たか子だけと言われた」 MEGUMI「水着でバンジー飛んでゴキブリ寿司食わされた」←⁉️ pic.twitter.com/Li436tOFBG — りのこ (@ring6565) June 12, 2023 商業誌の仕事と9万弱のフォロワーを持つプロのライターのアカウントですが、記事の一部をスクリーンショットで切り取り、最初のツイートを読んだフォロワーが実際のインタビュー記事にアクセスすることは
舞台『エヴァンゲリオン•ビヨンド』脚本への批判と、主演の窪田正孝に対する絶賛が混乱して6000文字無料で書いてしまった記事 新宿歌舞伎町にオープンした東急歌舞伎町タワーの5階、THEATER MILANO−Zaこけら落とし公演 COCOON PRODUCTION2023、舞台『エヴァンゲリオン•ビヨンド』を観劇してきました。 タイトルに書いたように、舞台としては厳しい感想を書きます。レベルの低い舞台であったからではなく、傑出して高い舞台表現にも関わらず後述しますが根本的な部分でエヴァンゲリオンという作品の方向と違う、というかほとんど真逆のコンセプトで作られているからです。それを説明するために、舞台やストーリーについての詳細なネタバレも含みます。知りたくない人は読むことを避けるようお願いします。「↓ここから批判的感想」「↑ここまで批判的感想」の見出しもつけてみました。 まずは舞台の良かった部
AIについて前回の記事から時間が空いたので、現時点での考えを書き留めておきたいと思います。 その後、AI画像生成はクオリティが上がりましたが、欧米アーティストを中心に大きな反対運動が力を増しました。基本的には健全なことで、そうした肯定否定の議論の中から落とし所を探っていくのが民主主義というものだと思います。 さて「二次創作をしている人間にAI画像生成を批判する資格はない、二つは同じものだ」という論があります。結論から言うとこれは二次創作の社会状況を誤解した論です。 そもそも二次創作は一次創作者の黙認のもとに許容されている特殊な文化である、というのは同人誌文化の基本的なコンセンサスであるはずです。実際、ウマ娘や映像研など「性的な二次創作は控えて」というアナウンスがされた作品に対してはそれに応じる形がとられていますし、「私の作品の二次創作は完全にやめてほしい」と作者からメッセージが出れば応じざ
庵野監督のトークイベントのチケットは取れませんでしたが、ありがたいことに見てきた人の報告などがSNSに来てるので、シン仮面ライダーについて書いておこうと思う。もう終盤だし文句言われないと思うけど、完全なネタバレを含みます。 NHKで放送されたシン仮面ライダーの撮影ドキュメンタリーの中で庵野監督の挙動は様々な議論と批判を巻き起こしたけど、その中でひとつあまり注目されてない言葉があった。 「長い。長すぎます」アクション監督の考えた殺陣を止めて、庵野監督はそう言っています。長すぎる、ということは逆に言えば庵野監督は、ひとつのシーンを少しでも短くしたいと考えているということです。今日のトークイベントでも、本郷に対する一文字隼人のセリフが長すぎるとカットされた話が出ていたそうです。 一文字が陸橋上から本郷を見送るシーンは「同胞たるオーグを全て倒してあんたはどうする。人々の感謝はやがて恐れに変わる。あ
そもそもキリスト教に「一周忌」なんて概念があるのか?分からない。でも去年の春に夜羽音先生が死んでから一年が立って、浅草のカトリック教会で追悼があるらしいと聞いて信仰もないのに行ってみることにしたんだ。カトリック浅草教会。まるでイメージがわかない。まあ去年追悼ミサをやった高円寺教会だって寺なのか教会なのかよくわからない名前になっていたわけだが。 同じ3月でも去年の高円寺教会は雪が降るという恐ろしい寒さだったが、今年の浅草カトリック教会は暖かった。道がわからず遅刻して教会についたのだけど、教会のスタッフが寛容にミサに迎え入れてくれた。さすがクリスチャンである。真言密教なら滝壺に放りこまれているところだ。 ミサにはたぶん、夜羽音先生の親族や友人たちが少なくない人数で来ていたのかもしれないが、オフラインでは誰にも名乗らないし誰にも会わない人間なので、誰が誰なのか分からないままミサの後方に混じった。
日々のAI革新を見ながらまとまらなかった考えを月末に。 画像生成AIと呼ばれる技術の始まり方、世に広まる最初のスタートはやはり不幸だったと思う。今やネットは技術論以前に、その技術を巡って人と人の対立が激しさを増している。その対立を煽ることで利益を得る人たちももちろんいる。 例えば初音ミクや、それからボーカロイドボイスロイド、CEVIOなどの音声合成AIで対立がここまで激化しなかったのは何故かというと、(もちろんそうしたものにも批判や反発はあったにせよ)きちんと学習元と契約を結び、これがAIであると表明し、いくつかの規約や制限のもとに文化を形成してきたからだ。たとえば『可不(KAFU)』はV系アーティストの花譜さんの声を機械学習したソフトで、発売時にはファンから反発や不安もそれなりに見た。だが『可不(KAFU)』のユーザーからは花譜さんにリスペクトが払われているし、花譜さんの活動も阻害されて
映画『THE FIRST SLAM DUNK』が海外でもヒットしているのを痛感するのは、毎日のように韓国語のファンアートが流れてくることだ。女性の書き手が多く、絵柄や作風は日本の同人ファンダムと共通点が多いので、ハングルを自動翻訳するまでもなく(最近のiPhoneは画像を保存すると手書きの文字まで翻訳できるツールがついてる)だいたいどういうマンガなのかは伝わる。どれも数千リツイートされている。それだけバズったから日本のアカウントまで流れてくるとも言えるけど、とにかくすごい熱気だ。 韓国、台湾、共通しているのはテレビアニメ版の『スラムダンク』が放映され、共通記憶として共有されていることだろう。台湾からはスラムダンクの聖地巡礼に訪れる観光客が後を絶たないという。韓国では放送当時の事情で設定が韓国に変えられ、キャラクターには韓国名が与えられているが、それが日本の原作であることはファンダムの誰もが
『クローズアップ現代』の新海誠監督特集に取材協力してわかった、放送で使われない99%の圧倒的な下準備の話 12月12日放送『クローズアップ現代 “物語”にできることを探して 新海誠監督と東日本大震災』に取材協力という形で関わりました。本来なら放送直後くらいに書いておくべきだったのだけど、週刊文春cinema!の『私の映画日記』でも書いたように父が亡くなったあとの色々な後始末、それからまた別に書きますがある理由で体調を崩したことなどもあり、年末ギリギリの報告になってしまいました。 以前にお声かけいただき2秒くらい出演したことのある『クローズアップ現代』のディレクターさんから取材協力という形で番組に協力させて頂きました。特に名前が出るような仕事ではありませんでしたが、番組作りの裏側を垣間見ることができたのはとても良い体験でした。今回はそのことを書ける範囲で書いておこうと思います。
クリスタ、画像生成AIを試験導入へ 「Stable Diffusion」が作画補助 「AIと創作活動の共存を模索」https://t.co/M52gaL8NFW pic.twitter.com/yiaf5ieTdP — ITmedia NEWS (@itmedia_news) November 29, 2022 クリスタにも話題の画像生成AIが来ると。まあ無料公開されてるものを組み込んだだけとは言え、今までやり方知らなかった絵師、興味なかった絵師には「AIが勝手に向こうからやってくる」構図になります。 で、気になるのはここ。 利用規約が書いてあるんだけど、 この部分ですね 要するに、画像生成aiを機能として組み込むけど、それを使用して訴えられても責任は取らないと。これ、普通の人はまず読まない所に、読んでも分かりにくく書いてあるけど、かなり大事なこと。 画像生成AIの著作権問題は、今後どう展
この記事が出た後、昨夜放送された『エルピス』第6話の視聴率は5.5%。苦戦していると思います。視聴率がすべてではないのはもちろんですが、脚本の渡辺あやさんや佐野亜裕美プロデューサーが「視聴率なんか気にしてません」というスタンスなのかと言うと違うと思う。記事でも書きましたが、「数字を取りたい、多くの人に見てほしい」「民放地上波テレビという場で発言権を得るには数字を取るしかない」と思いながら作っているはずです。コンフィデンスマン以降、頼まれてもテレビドラマに出ていなかった長澤まさみの起用も、公式アカウントでの「長澤まさみ主演・エルピス」という看板の掲げ方も、勝負をかけている意気込みを感じます。 ではなぜ、内容が良いのに数字が伸びないのか。これは文春オンラインの記事ではあまりにも身も蓋もないので書くのを自粛したことですが、 「エルピスってアレでしょ?要するに『新聞記者』みたいな感じの、ああいうク
もう言われているのか、言われていないのかわからないけど、劇場版ONEPIECE FILM REDに登場するウタという少女は、明らかに『ディズニー的思想』のもとに世界を統合しようとする。彼女は海賊という男の子文化、その戦争と略奪に傷ついた世界中の弱者を代弁し、暴力が完全に排除された世界をバーチャル空間に作り出し、すべての人類の魂をそこに繋ごうとする。そしてそれはもちろん、ある種のファシズムなのだ。 上の世代は、なんとなく尾田栄一郎という作家を理由もなくバカにしてきたところがあると思う。ワンパターンでホモソーシャルな、古臭い絆を崇拝する物語を描いているのだと。そうではない。天竜人のヤバさも含めて、彼は明らかに全世界、ワンピース(ひとつながり)の全体小説を書こうとしているのだ。この映画で描かれるウタの思想、観客を全てぬいぐるみやお菓子に変えてしまうその寓話的な描き方は、ディズニーの世界戦略のど真
このイラストに対して、「女は自宅でブラジャーの後ろだけ外したりしない」という主張をする人たちが現れ、それに対して「いや私はするけど?」「おかんがよくやってる」などの反論が出た。やがて論点は「女は自宅で洗濯ばさみで髪なんか止めない。女のことをわかっていない」「そもそも洗濯ばさみでポニーテールの髪は止まらない」「いや止める、止まる」という論点に移った。 健全な社会人の皆さんは「バカじゃねえの」と思ったかもしれないが、これがツイッターの日常である。「漫画の絵を焼く者はやがて人を焼く」「この男の基本姿勢、『女のことは女より男が分かってる。女の言葉は信用ならない』はオタクに限らず全方面であるし女の生活や生命をころしにかかるから見てると血圧上がる」と言った、とてつもなく論点を巨大化するツイートが飛び交い、議論は紛糾する。ちなみに前者を書いたのはcdbちゃんである。お前かよ。すみませんでした。 ところが
数日前に公開されたmidjourney、そしてstable diffusion、さらに日本ソフトのmimicが出て、かなりの議論になっている。 実際にAIがどれほどイラストレーター市場を脅かすかはまだ未知数だし、そもそもイラストレーター市場はよく言われるように常に荒波に襲われている。無料のいらすとやが多くの市場を奪った話などは有名だし。 ただなんというか、非常にここ数日心が暗くなったのは、AI技術の台頭そのものというより、その台頭の尻馬にのったような言説のえげつなさというか、騒乱に乗じて人間を攻撃する人間、というゾンビ映画みたいな情景にうんざりしてしまった所が大きい。 あえて名前はあげないが、「表現の自由」がらみでオタク憎しになってしまった著名アカウントが「ハイアートは文脈があるからAIの台頭に動じない、オタクのやっていることなど簡単にAIで代替できるのだ」とはしゃいでいたのは本当に呆れた
細田守アニメが放送されるたびに、SNSでは批判やツッコミがあふれる。人後に落ちず細田アニメには突っ込んできた方だと思う。まあサマーウォーズの大家族に対する批判みたいなのについては「まあ田舎は田舎らしく描かなきゃしょうがないだろ」という擁護派だったが、『おおかみこども』のシングルマザー無双、ろくにバイトもやったことがない女子大生があっさり死んだ狼男の子ども2人を農業で育て上げる、というストーリーにはいくらファンタジーとは言え無茶だと思わざるをえなかった。「狼のおしっこの臭いで害獣が来ない」みたいなエクスキューズには「細田監督、虫っていますよね、そうあの小さいやつ」と言いたくもなろうと言うものだ。『バケモノの子』のヒロイン・楓ちゃんに至っては、それまでの主人公の経緯を一切何も知らないはずの女子高生が突然渋谷に現れた空飛ぶ白い鯨に「みんな一生懸命生きてるのよ!」みたいな説教を食らわす、しかも食ら
伊藤公雄 (京都大学・大阪大学名誉教授)・樹村みのり (漫画家)・國信潤子 (元愛知淑徳大学教授)『女性学・男性学ージェンダー論入門 第3版』(有斐閣、2019年)57~58頁だが、電車内の掲示物を乗客(大学生)が取って破棄する犯罪行為が描かれている。犯行動機は「きみのお母さんが見たら泣くよ」でした… pic.twitter.com/0HHEv4YIgm — 平 裕介 (@YusukeTaira) August 29, 2022 同書48頁には「器物損壊罪になるから,まねしないでね!」との記載があるが58頁にはその記載はない。表現の自由、学問の自由に基づく描写として尊重されるべき漫画だが、学問の入門書として妥当な描写なのか? 女性学・ジェンダーの観点からの行動というのは分かるが、目的が正当でも手段がこれでは… pic.twitter.com/b5Sz9rWcG2 — 平 裕介 (@Yusu
7月最後の日だから書いておこうと思う。亡くなった安倍晋三という人について思うことである。 事件のあと、こういう記事が出ていた。 「主人は、映画監督になるのが夢なんですよ。DVDを見ながら、『おれだったら、こう撮るのにな』とか『このセリフはいらない』なんて言ってますよ(笑い)。だから、総理大臣を辞めて、議員も辞めた後は、映画監督に……」(女性セブン2014年5月8・15日号) 実は、この映画についての話というのは、何度か出ている。 安倍元首相(2013年10月 高松宮殿下記念世界文化賞での言葉): 私は若いころ、映画監督になりたいと考えたことがあります。コッポラ監督の「ゴッドファーザー」は、当時17歳の青年の心を捉えました。もし私がファミリービジネス(政治家)に固執しなければ、「ゴッドファーザー4」を撮っていたかもしれません。その代わりアベノミクスはなかったかもしれません… 安倍元首相が、文
フォロワーの方から教えていただいたラジオ深夜便の 「捕虜たちの言葉に耳傾けて 岡山大学大学院社会文化科学研究科 准教授 中尾知代」 という番組を聞き逃し便というページで聞きました。 日本の捕虜になった元英国兵士たちの対日感情に向かい合ってきた方のインタビューhttps://t.co/3YD8U0y6ot — CDB@初書籍発売中! (@C4Dbeginner) March 27, 2018 聴いてもらうとわかるとおり、非常に複雑でセンシティブな内容。日本軍の捕虜虐待がひどかったのは事実として、元英国兵士からインタビュアーがぶつけられる対日感情の激しさ、兵士の妻だった女性の「日本人には残酷さの遺伝子がある」という言葉は人種差別との境目が見えないhttps://t.co/ioxY7LJeEl — CDB@初書籍発売中! (@C4Dbeginner) March 27, 2018 また、捕虜虐待
7月3日秋葉原ラストサンデー、赤松xふじすえxくりした、表現の自由候補の演説比較と、3候補に対する要望 2022年7月3日日曜日の秋葉原は、7月10日に迫った参院選へのラストサンデーとのことで、表現の自由を掲げる各候補が演説を競う日になりました。今回は他にも表現の自由を掲げる候補が多いのですが、たまたま筆者が7月3日に秋葉原にいてこの3候補の演説をハシゴすることができたので、その比較を書いてみたいと思います。 赤松健候補への印象『人気トップの目玉候補、演説はまだ不慣れ』まずは赤松健先生。最初に言ってしまうと、演説で集めている人数はダントツに赤松先生が多かったです。現役漫画家という知名度、そして過去のマンガ•アニメ•同人誌に対する保護活動なども知れ渡っている。各種メディアの調査でも、まああんまり有利みたいなことを言ってしまうと逆効果になるので言いませんが、3候補の中では良い予測が出ています。
河瀬直美監督ドキュメント映画『東京2020オリンピックSIDE:B』には、なぜ「最も重要な人物」が1秒も映らないのかという話 河瀬直美監督が東京五輪ドキュメンタリーを撮る、と報じられた時、左派からよく引き合いに出されたのはベルリン五輪におけるレニ・リーフェンシュタールだった。要はリーフェンシュタールがナチス政権にそうしたような、東京五輪を美化するプロパガンダになるのではないかという危惧である。 先月に公開された『東京2020オリンピックSIDE:A』を見た時、その心配は杞憂に終わったと感じた。そこにあるのは良くも悪くも監督のメッセージが脱主体化された、東京五輪に参加する各国の選手たちの肖像、さまざまな思いをつないだグラフィティ的な作品になっていたからだ。そこにあるのは良質ではあるが凡庸な記録映画であって、リーフェンシュタールの作品のような強烈な求心力やプロパガンダ性はない。 しかし、である
映画『PLAN75』が描くのはファシズムではなく「近代」である話と、別の映画『いのちの停車場』の吉永小百合の話(6月30日加筆) 『PLAN75』の予告編を映画館で見た時、正直なことを言うと「あっ、またこのネタでやるのね」という思いがよぎった。75歳以上の安楽死が合法化された未来の日本。老人の「姥捨」を書いたSF作品は、藤子不二雄の『定年退食』(1973年)など、昔から存在する。このネタで『世にも奇妙な物語』でやるくらいならいいけど、長編映画はダレるんじゃないの?と思っていたのだ。 だがそうではなかった。変な言い方だが、この映画は最初から最後まで強烈なスリル、息もつかせないサスペンスに満ちあふれている。この映画には敵との戦いもカーチェイスも銃撃戦もない。でも優れた映画監督は、社会や制度というものがキリキリと一人の人間を追い詰めていくプロセスを、形而上的なサスペンス映画として構成することがで
完全3DCGアニメ『ドラゴンボール超 SUPER HERO』の映像的進歩、そして鳥山明にとってナメック星人とは何だったのかという話 新作アニメ映画『ドラゴンボール超 SUPER HERO』を見てきました。今作の最大の特徴は、過去の手描き作画に対して、全編フルに3DCG化したということだと思います。 CGアニメというと『トイ・ストーリー』や『アナ雪』などのディズニー、進化版人形劇のような映像をイメージしますが、セルアニメの質感に合わせたトゥーンレンダリング、セルシェーディング(言い方はさまざまですが)で、違和感のない、というか素晴らしい出来になっています。もともと鳥山明という人の立体デッサン力が圧倒的で、3D化に矛盾がないということも大きいのかもしれませんが、ものすごく上手く立体化できている。 映画を見た感触として、東映および集英社のチームは、ドラゴンボールコンテンツの世界進出戦略の一環とし
特別料金1900円かよ、高いな〜と見る前は思っていた。貧乏なCDBちゃんはいつも割引デーに映画をハシゴして鑑賞料金を節約しているからである。しかし、1時間48分の最新ガンダム映画『ククルス・ドアンの島』を観たあと、思わず4400円の豪華版パンフレット+クリエイターサンクスセットを買ってしまうくらい面白い内容だったのである。率直に言ってこれは歴史に残る名作アニメだと思う。 何よりまず、異常なくらい絵が上手い。元々この『ククルス・ドアンの島』というファーストガンダムシリーズの中の1話がなぜネットミームめいた扱いをされてきたかと言えば、当時のテレビアニメのスケジュール上の「捨て回」として、あまり作画がよくないアニメの代名詞みたいになっていたからだ。今回の劇場映画はそのリベンジの意味も込めた映画化であるわけで、ある意味では絵がブラッシュアップされているなんてのは想定内の話ではあるわけだが、そんな域
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