先月友達にあげたスカートのことが頭の片隅から離れない。 膝丈のフレアスカートで、黒のギンガムチェックの柄で、その上を覆う形で黒のレース生地が乗っている。品のよい、誰が見ても文句なしにかわいい、と形容するスカートだった。もちろん私だってかわいいと思っていた。ただ、似合わなかった。どうしても、自分がこのスカートを着る側の人間だと思えなかった。 そもそもが、自分で買ったものではない。母親が自分用に買って、でもやっぱり若すぎるから着られない、と言って私にくれたのだ。 それは数年間クローゼットに吊るされていて、実際に着たのはほんの数回だ。それを着ていった日、かわいいねと褒められた。私も改めて、かわいいスカートだと思った。 けれど、どうにもしっくりこないというか、服と体が分離している感じがして、何回かトライして、着るのをやめてしまった。今日は何を着ようかと朝クローゼットを開けるたびにそいつは目につくけ