オラのじいちゃん、 名前は正美。 原田正美。 「正美(まさみ)て、女の子みたいな名前だね!」 そう言ったら、「なんだあ!」と、 嬉しそうに笑う。 記憶で1番古いのは、子ども用のビニールプールで自分が溺れたとき、こっちを見て指差して笑っていたじいちゃんだ。 後に聞くと「あんな浅いビニールプールで溺れたのがおかしくてなあ!ハハハ」と笑ってたけど、あのまま死ななくてよかったと思う。 小学校のときは、夏になると、一緒に近所の山にセミの抜け殻をとりに行ったり、カミキリムシをとったり、一緒に遊ぶことが多かった。 じいちゃんは人を驚かすのが好きで、 じいちゃんの家で、僕がお風呂に入ってるとき、外から窓をいきなり「バンバン!」たたいて脅かしてきた。びっくりしていると、外から「カンカラ」笑い声が聞こえる。 また、とびきり料理がうまくて、作るもの作るもの、なんでもうまかった。 カツ丼をはじめて食べたときは、そ