現在、コロナ禍において医療と経済、また権力の関係が問題となっており、哲学の領域ではまさにその問題を先んじて論じていたミシェル・フーコーが再読されている。公衆衛生から人口統計にいたる権力として概念化された「生権力」が特に注目されているが、フーコーが直接的に「医学と経済」の関係を語った講演録「医学の危機あるいは反医学の危機?」(一九七六年)がある。 今の状況下で読むに値すると思えるので、その一部(特に「医学の経済学」というテーマに関する文章)を抜粋した。短いテキストなので、興味を持った方は本書を手にとって読んでみることをオススメします。 以下のテキストは、すべて『フーコー・コレクション 4 権力・監禁』(ミシェル・フーコー 著 , 小林 康夫 編集 , 石田 英敬 編集 , 松浦 寿輝 編集、ちくま学芸文庫、二〇〇六年)より引用。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー