以下で取り扱うような邪悪な仕事を私は「ビスカンバー・レイバー」という言葉で表現したい。Bescumberとは古英語で「糞便を撒き散らす」という意味だ。その代表例としてSEOライティングを主たる業務として行うWebコンサルタントをあげつらうことになる。ビスカンバー・レイバーという表現は無論デイヴィッド・グレーバーによるベストセラー、『ブルシット・ジョブ』を元ネタにしている。 ブルシット・ジョブとは、被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わねばならないように感じている。 最初に『ブルシット・ジョブ』を読んだとき、私は「ずいぶん優しく書くのだな」と思った。ブルシット・ジョブの定義は上の通りだが、「有害である仕事」というよりは書名の通り「クソどうでもいい無意味な