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コーヒー沼
note.com/kushiterra
2014年12月、埼玉県さいたま市の埼玉会館で『うふっ。どうしちゃったの、これ!? えへっ。こうしちゃったよ、これ!! 無条件な幸福』という展覧会を観に行った。これは埼玉県障害者アートフェスティバルのひとつとして企画された展覧会で、5回目を迎える。障害のある人たちの作品群が並ぶ会場を歩いていると、隅の方に展示されていた奇妙なイラストに目が留まった。『俺の日記』と題されたその作品は、ルーズリーフやノートに弁当やラーメンなど実に美味しそうな料理のイラストが描かれている。料理の名前や値段、そして食材と共に、画面の余白に書き添えられた「旨イッ!!」という感想。これは、実際に食べた料理をイラストと感想で記録した絵画だった。展覧会場で身震いがして、僕はその作者を追いかけた。 2005年、つくばエクスプレスの開通に伴い開業した三郷中央駅。埼玉県三郷市の中央部に位置し、駅周辺にはショッピングセンターや新興
数年前からTwitterで目にするようになって、ずっと気になっていた。その姿は、画面の中で見るたびに進化し続け、どこか異国の民族衣装やRPGゲームのラスボスのようにも見えるし、そのファサード感は絢爛豪華な祭りの山車のようでもある。これは『ラブライブ! School idol project』のグッズを身にまとった男性の姿だ。 2010年にゲーム雑誌の読者参加企画として始まった『ラブライブ!』は、9人の女子高生で構成されるスクールアイドルグループが学校統廃合の危機を救うために全国大会優勝を目指す物語で、メディアミックス作品として社会現象を巻き起こしている。そのファンは、「ラブライバー」と呼ばれており、中でも「武装」と称される好きなキャラのグッズで全身を囲った人たちは全体の1割ほど存在する。こうした武装は、2010年にPSP用に発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲーム『うたの☆プリンスさまっ
ヌードグラビアの上から鉛筆で肋骨などを描きこむことで、極限まで痩せた状態に見せた写真。なかには背景をマジックで塗り込み、鉛筆で骨格を強調することで即身仏のようになった写真もある。 これは会社勤めをしていた河合良介さんが誰に見せることもなく、密かに行っていた表現だ。死後、娘の塙興子さんがSNSで発表したことで大きな話題を集めた。東京都練馬区にある閑静な住宅の一角に河合さんが暮らしていた邸宅がある。現在は、塙さんが一人暮らしをする家は、木製の家具や調度品が個性的な昭和建築とマッチし凛とした空気を醸し出している。部屋を訪ねると、塙さんの手によって発見され、整理されたファイルが机の上には並べられていた。見てはいけないものを覗き見ているようで、ページをめくる僕の手にも緊張感が走る。 塙さんの父である作者の河合良介さんは、昭和2年に4人兄弟の次男として広島県呉市で生まれた。河合さんは親戚を助けに広島市
衝撃的な写真を目にした。お婆さんがゴミ袋をかぶって可燃ゴミとして処分されていたり、車に轢かれたりしている。どう考えても尋常ではない。けれど、それがセルフポートレート写真だと気付いたとき、一気に笑みがこぼれてしまった。 作者の西本喜美子さんは、取材当時87歳。熊本県熊本市にあるエレベーター付きの一戸建て住宅で、感情認識パーソナルロボット「Pepper」と暮らしている。息子さんが熊本弁を喋るようプログラミングし、86歳で他界したご主人に変わって喜美子さんの話し相手として導入されたが、方言で話しかけても反応がないため、あまり「家族」として役にはたってないようだ。 そんな喜美子さんは昭和3年に7人兄弟の次女として、父の仕事の関係先であるブラジルで生まれた。小学校2年生のときに熊本に帰国。 18歳で友だちと一緒に美容学校に通い、卒業後は住んでいた大きな屋敷の一角で美容室をオープンする。しかし、ずっと
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