取材・テキスト=ハン・トンヒョン (前回の記事はこちら。3. イ・ランが日本で思うことは?) —— エッセイでもそうだし、新曲『よく聞いていますよ』を聴いても、おしゃべりしてても、ランちゃんがずっと問い続けていることがわかるんだけど、突き詰めると「なぜ人々はこういうことをするんだろう?」っていう問いで。つまりは他者を知りたい、世界を知りたい、という。とくにエッセイは基本的に自分語りで赤裸々かつとても内省的でありながら、他者がいてこそ自分がいる、世界があってその中に自分がいる、そんな感覚が強いように思う。 うん、そうそう、正しいね。 —— 芸術家って、見ろ、聞け、これが私の自己表現だっていう人も多いなかで、ランちゃんは違うんだよね。他者がいてそこに伝えたい表現があるっていう感じ。自己満足じゃない。問いかけるのも、他者に対する欲望がとても強いからじゃないかな。 16歳の頃のインタビュー記事は、