前説 OVA全盛期、なるものがあった。オリジナルビデオアニメ、テレビでも映画でもなく、最初からビデオやLDで発売するために作られたアニメのことで、今でいう配信用作品に近いと思ってもらって間違いはない。確かどこかだけがOAVという表記にこだわっていたはず。二十代前半に、私はかなりの本数、このOVAの脚本を書いている。ビデオソフト(LDやDVDも)が一次の利用となると、通常二次利用以降に支払われるビデオ印税を払わなくていいということになり(例えば映画として書いたものなら、テレビやビデオ販売は二次三次利用であり、これは印税支払いが認められる)、脚本家にとっていろいろ厄介な代物だった。そんなわけでちゃんとした脚本家さんが手を出しかねている時期、まだ二十歳そこそこでギャラも安いし、権利面もうるさくない(そもそも契約書を作らない!)私のような木っ端ライターが重用された時代がありました。最悪(笑)。私と