ずっとずっと、裕福な家庭環境に憧れていた。 最新のサッカーシューズを諦め、型落ちしたセール品を与えられる度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 PlayStationが進化する度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 家族での旅行や、流行りの洋服、新品の真っ白い体操着やYシャツ。僕の倍のスピードで変わっていく友達のナイキのスニーカー。与えられるお小遣いの金額。 目に映るすべてを自分と比較した。 貧乏な家庭に生まれてしまったことを一生呪い続けるだろうと、ずっとずっと疑わなかった。 ・・・ 貧乏家庭に生まれた子供は、決して塞がることのないカサブタをいくつも持っている。学校という場所は、勉強したり、友情を育んだり、大人になるだけの場所ではない。何の悪気もなくそのカサブタが刺激される場所でもある。 スマブラやドラクエ、幼い子どもの好奇心をものすごい強さで刺激するゲームが販売される度、カサブタは肥