久々に怪獣映画らしい怪獣映画を見た気がする。『シン・ゴジラ』は傑作なのだが、こちらはドキュメント調であり怪獣映画から逸脱した特異点ともいうべき仕上がりで、怪獣映画を見たというよりも「とんでもない物を見た」という感覚に陥ったが、キングコングは心が5歳に戻る怪獣映画になっている。 過去の東宝怪獣映画では予告に「怪獣映画の決定版」という文字が出てくるが、キングコングはまさにそれが当てはまる。 今回のキングコングは怪獣映画のセオリーを踏襲しながら、過去に対するアンサーを示しているように思えた。33年版のオリジナルキングコングへの強烈なアンチテーゼとも捉えられるアンサーがそこに存在した。 ネタバレがあるので未見の方は注意してください。 人間に対する警鐘 33年のオリジナルコングでは第一次大戦に投入された新兵器の航空機が活躍しコングを倒している。人類が夢見ていた空を飛ぶことまで可能となった人間が科学力