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長い文章を書くとき、文字が小さければ読みにくいのは当たり前です。なるべく文字を大きくすることは、ユニバーサルデザインのために欠かすことができません。とはいえ、読みやすい書体を選んで、大きな文字で書けば、必ず読みやすい文章ができるわけでもありません。ちょっとしたレイアウトや文字の使い方によって、読みやすくも読みにくくもなります。ここでは、読みやすいスライド、ポスターを作るための文章のレイアウトテクニックを伝授します。具体的には、行間や字間の調整による可読性と視認性の高め方や、一行の長さの調節による可読性の高め方を説明します。 行の調整 行間を調節して読みやすく 文章を書くとき、行間の調節は非常に重要です。しかし、PowerPointなどでは、フォントの種類にもよりますが、初期設定のままでは行間が狭すぎます(PowerPointの初期設定が英語などの欧文を書くときのために最適化されているためで
スライドやポスターでは箇条書きを作ったり、レジュメなどの配布資料では複数段落にわたる文章を書くことがしばしばあります。しかしながら箇条書きや段落は、書き方次第で、読むだけで疲れてしまうものになってしまいます。ちょっとした配慮と工夫で、格段に読みやすく、かつ美しくなります。 ここまでは、文章の行間・字間の設定に関して述べてきましたが、ここからは、箇条書き作成の注意点や、複数の段落を配置する場合のテクニックを説明します。段落や箇条書きは、適当に配置するのではなく、意味のある「揃え方」をして、意味のある「まとめ方」をして、「コントラスト」をつけることでさらに読みやすくなります。 箇条書きは、揃えて、まとめて、コントラスト ただ闇雲に箇条書きを作ると、下左のようになっている場合がしばしば見受けられます。これは、ただ「・」をうって文を書いて、それらの文を並べただけです。このままでは、項目がいくつある
同じものを見ていても見え方は人それぞれ。人のものの見え方は非常に多様です。代表的な例では、色の見え方が異なる色覚多様性が知られています。日本人では、90%以上の人はC型色覚(あるいは一般色覚)をもち、男性では20人に1人、女性では500人に1人程度は、それ以外の色覚をもっています(P型、D型、T型など)。C型色覚の人は簡単にいうと虹色を7つの色に分離して認識することができますが、それ以外の色覚の人は同じように色を認識することができません。そのため、信号の3色の色分けや、危険や警告を表すために使われる赤色などは、C型以外の色覚をもった人にとって認識しづらい場合があります。つまり、色覚多様性に配慮されていない配色は、製品の利用や情報の理解を妨げる障害になってしまいます。他にも、感覚過敏をもつ人の中には、発色の強い色やコントラストの強い色の組み合わせ、たくさんの色が使用されているものは刺激が強す
はじめに 文字や文章の「読みやすさ」は、可読性、視認性、判読性という3つの要素から成ります。「可読性」とは文章が読みやすいか、「視認性」とはパッと見た瞬間の認識しやすさ、「判読性」とは誤読がないか、という指標です。書体(≒フォント)の種類や文字のサイズを変えたり、行間や字間を調節することで、これらの要素を高めることができます。ただし、どの要素を優先させるかは資料の目的や状況によって変わります。プレゼンのPowerPointsスライドなどでは視認性と判読性を、申請書などのWord文書などでは可読性を重視します。 「読みやすく」では、まず、書体やフォントの選び方を解説し、そのあとで、読みやすい文章のための文字組や箇条書き・段落の作り方、約物とと単位の使い方のコツを解説します。それぞれ下のリンクから解説ページを見られます。 目次 はじめに/書体の使い分け/フォントの選び方/おすすめフォント/文章
情報の受け取りやすさは視覚的要素の影響を大きく受ける 学会や研究室のセミナーでは、なんの資料もなしに発表に臨むことは少なく、スライドやポスターといった媒体(メディア)を使って、研究成果などの報告を行ないます。それは、話し手にとっても聞き手にとっても、視覚的なメディアが情報伝達の大きな助けになるからです。人は、多くの部分で視覚に頼ります。言葉でいくら説明されるよりも、写真やグラフ、模式図を見るほうがよっぽどわかりやすいですし、口から発する言葉だけでなく、言葉を視覚化することは理解の助けになります。また、当然のことながら、研究という分野では、データ(研究結果)を見て議論することは必要不可欠です。このようなことから、研究発表において、よりわかりやすく、そして正確に情報を伝えるために、視覚的なメディアは欠かすことができません。 一方で、情報を受け取る人には視覚の能力や感覚、感性に多様性が存在します
見やすいレイアウト、わかりやすいレイアウトを作るときの重要なポイントは、ただ闇雲に文字や絵を配置するのではなく、発表者の頭の中にある「ロジック」や「事柄と事柄の関係性」に即して文字や絵を配置することです。関係性の強いもの同士は、近くに配置したり、同じ色を使ったり、線で結んだり、大切な事項を目立つ色にしたり、目立つ場所においたり、という簡単なことです。「理論やストーリーをレイアウトする」ことが大切であるということを忘れないでください。 きちんとしたレイアウトをしようとすると、多くの知識や経験が必要になります。とはいえ、近道をしようとして、カッコいいレイアウトのチラシや雑誌をマネしても、決してよいポスターやスライドは作れません。それは、レイアウトのルールを理解していないからです。ここでは、簡単にできる基本的なルールを紹介します。ここで紹介する4つの大きなルールを守るだけで、発表資料は大きく変わ
図解で複雑な情報をわかりやすく 図解はとても効果的です。文章で書いたり箇条書きにしても、全体像や事柄同士の関係性が理解しにくいことがしばしばあります。例えば下の例です。タイトルがあって、その下に箇条書きがあります。この場合はそれほど複雑ではないので理解可能かもしれませんが、図解化すると個々の単語の関係や全体像がずっとわかりやすくなります。 図解の仕方は様々ですが、例えば、以下のようなものがあります。関係性の複雑な事柄については、図解化することで効果的に伝えることができます。作るときに注意する点などは、「カッコよく」の項目を参考にしてください。 重要! 塗りと線の両方に色を付けない!! スライドを作るとき、オブジェクト機能を使って、テキストを囲う枠を作ったり矢印や円を描いたりすることがよくあります。このとき、一つのオブジェクトに「塗り」と「枠」のどちらにも色を付けると煩雑な印象を与えてしまい
フォントを選ぶ4つの基準 「書体の使い分けの項目」で、明朝体とゴシック体(英語ならば、セリフ体とサンセリフ体)の使い分けについてはわかってもらえたと思います。とはいえ、実際に使う文字を選ぶのは、楽ではありません。なにせ、パソコンにはたくさんのフォントが搭載されているからです。ここからは、「視認性」、「可読性」、「判読性」を高めることを意識した場合のフォント選びのコツを紹介します。ポイントは以下の3つです。 ※なお、世の中には数えきれないほど種類の書体があるものの(その多くは非常に高価)、現実には誰もがそのすべてを使えるわけではないので、以下では、標準的なパソコンに搭載されている書体をベースに話を進めていきます。具体的なオススメフォントは、後ほど「オススメ書体」で紹介します。 基準① きれいなフォントを選ぶ きれいじゃない文字は印象が悪く読みづらい 手書きだってそうであるように、きれいではな
書体の基本知識 日本語の文字は、「明朝体」と「ゴシック体」、「筆書体」、「デザイン書体」に大別することができます。明朝体は、横線に対して縦線が太く、横線の右端、曲り角の右肩に三角形の山(ウロコ)がある書体です。一方、ゴシック体は、横線と縦線の太さがほぼ同じで、ウロコが(ほどんど)ない書体です。筆書体は、筆で書いた文字を再現したような書体で、行書体や隷書体などが含まれます。デザイン書体は手書き風の書体やポップ体が含まれます。理由は次に述べますが、研究発表やビジネスでは、明朝体とゴシック体だけを使うのがふつうです。 欧文の書体も日本語と同様、4つのカテゴリーに大別できます。一つ目は、「セリフ体」と呼ばれ、Times New Romanに代表されるような縦線が太く、ウロコのある書体です。日本語の明朝体に対応します。二つ目は「サンセリフ体」と呼ばれ、線の太さが一様でウロコのない書体です。日本語のゴ
研究者や研究に関わる大学生や大学院生は、一年を通じて研究室ゼミや学会などで研究成果の発表を行なわなければなりません。また、近年、科学者でない人たちに対する一般向けのプレゼンや講演(アウトリーチ活動)の機会も増えてきています。他にも、研究論文や報告書を書いたり、研究費調達のために予算申請書やプロジェクトの提案書を作成したりすることも、研究者にとって欠かせない仕事です。これらはいずれも情報を他者(研究仲間や審査員、一般市民)へ伝えようとする行為であり、正確かつ効果的な情報の発信が望まれます。しかし、自己流で資料を作成して、闇雲に情報を発信していても、スムーズに情報は伝わりません。ときには誤った情報が伝わってしまい、研究の価値を正当に評価してもらえないことさえ起こりえるのです。 情報を正確にかつスムーズに他者に伝えるためには、情報をデザインすること、つまり文章を読みやすく整えたり、図表を見やすく
研究発表において、「実験結果」は「核」となるものです。そのため、実験結果を示した図表が見にくかったり、カッコ悪かったりすると、発表に説得力がなくなってしまいます。実験結果の示し方は、グラフや表、写真など、研究分野や実験手法によって様々です。ここでは、見栄えのよい図表や写真などの制作テクニックを紹介します。まずはグラフから。 ひと工夫すれば、表も見栄えがよくなります 下の例の左側のように、縦線と横線で構成された典型的な表は、どうも見栄えよくありません。罫線が目立ちすぎてごちゃごちゃして見難い上、雑な仕事をしているように見え、印象がよくありません。右の例のように余計な線を消し、行間をゆったりとり、フォントを変えるだけで、表は見栄えよくなります。いずれの変更も、ExcelやWord, PowerPoint上で行なうことができます。 上の改善例は、論文風のマジメな表でしたが、これではポスターやスラ
スライドやポスターには「色」を欠かすことができません。白黒の単調なものよりも、いくつかの色を使ったものの方が魅力的ですし、理解を助けてくれることもしばしばあります。ですが、適当に色を選んだり、むやみにたくさんの色を使うことはよくありません。色の正しい使い方を覚えておくと、快適で見やすい発表資料ができます。 ごく簡単に色彩の基本知識 色を客観的に表わす方法はいくつかありますが、直感的に理解しやすいのが、おそらくHSV色空間(HSVカラーモデル、HSBカラーモデルともいう)です。これは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Brightness/Value)の3つの要素で色を表そうというものです。 色相とは、赤や黄、緑、青などの「色味」を表す要素です。色味は細かく分ければキリがありませんが、暖色と寒色に大別することができます。なお、本サイトでは、便宜上、黄色を中心とするような色(
視覚に関するバリアフリーといえば色に関することが有名ですが、文字も目で見て読むものです。見え方の多様性に配慮するためには、見やすく読みやすい文字を選ぶことが欠かせません。 明朝体よりゴシック体 プレゼン資料などでは明朝体ではなくゴシック体を使いましょうということは既に述べましたが、バリアフリーの観点からは、要旨などの長い文章を書く場合にもゴシック体を使うことが推奨されます。視力が悪い人にとっては明朝体は線が細すぎて見えにくいですし、視覚過敏の人にとっては明朝体の細い部分を認識しづらかったり、縦横の線の太さの違いやはらいやハネなどが刺激となるようです。ただし、長い文章に太いゴシック体はNGです。あくまで、細めのゴシック体(游ゴシックのRegularなど)を使用するようにしましょう。 ただ、やはり明朝体がよいという場合もあると思います。そんな時にはMS明朝を使うのは避けましょう。実はMS明朝は
ポスターやスライド、その他の資料を作るときのおすすめのフォントをまとめておきます。書体の選び方や使い方の項目で解説したように、重要なのは、可読性、視認性、判読性を意識しながらの「TPOに合わせたフォント選び」です。すでに説明した通り、「短文か長文か?」、「読みにくいフォントではないか?」、「太字・斜体に対応しているか?」ユニバーサルデザインか(=判読性が高いか)?ということに着目しておすすめフォントを紹介します。これまで触れてきませんでしたが、フォントを選ぶときには汎用性・互換性にも注意しなければなりません。 最後にPowerPointにおけるフォント関連の便利なテクニックをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。 ゴシック体(和文書体) Winならメイリオ/游ゴシック、Macならヒラギノ角ゴシックも プレゼン用のスライドや学会発表のポスターなどでは、視認性の高いゴシック体を使
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