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2022年08月15日06:00 カテゴリその他 「憎悪」が跋扈する社会 安倍晋三元首相銃撃事件の実行犯山上徹也(41)容疑者は母親が入っている宗教団体「世界平和統一家庭連合」(家庭連合)、元統一教会を「憎む」と述べ、安倍元首相銃殺の犯行動機が教会への憎しみだったと供述したという。「憎悪」という感情は決して珍しいものではない。ただ、人が誰かを密かに恨み、憎んでいるのを知ることは聞く者に息苦しさを与える。 ▲英作家サルマン・ラシュディ氏(ラシュディ氏の公式サイトから) 安倍元首相銃殺事件から1カ月が過ぎた。今度はムハンマドの生涯を題材に書いた「悪魔の詩」の著者、英国作家サルマン・ラシュディ氏が12日、ニューヨークでナイフを持った24歳の男(レバノン出身)に首などを刺され、重傷を負った。ニューヨークに近いニュージャージー州フェアフィールド出身の男の犯行動機はまだ明らかではないが、イスラム過激派
2020年10月03日06:00 カテゴリカトリック中国 バチカンが共産主義に甘い理由 ローマ・カトリック教会の総本山バチカン教皇庁は、中国共産党政権と司教任命権問題で2018年9月22日、北京で暫定合意(ad experimentum)したが、合意期限が失効する今月22日を前に、同合意の延長の意向だ。欧米諸国では中国の人権蹂躙、民主運動の弾圧などを挙げ、中国批判が高まっている時だけに、バチカンの中国共産党政権への対応の甘さを批判する声が聞かれる。 ▲中国共産党政権との暫定合意の延長を考えるフランシスコ教皇(2020年9月28日、バチカンニュースの公式サイトから) イタリアを訪問中のポンぺオ米国務長官は先月30日、フランシスコ教皇との会見を希望したが、バチカンの外交を牛耳るパロリン国務長官(枢機卿)は、「米国が大統領選中だから」という理由で、ポンぺオ長官と教皇の会合を拒否したばかりだ。 バ
2020年09月08日06:00 カテゴリ中国 習近平氏が恐れる「党と人民は別」論 中国の習近平国家主席は3日、抗日戦争勝利75周年記念の座談会で演説し、その中で中国を批判するトランプ米政権に反論を展開させた。具体的には、同主席は、①共産党の歴史を歪曲、②中国の社会主義の道を改変、③党と人民を離間、④自分たちの考えを押し付け中国の前進する方向を改変、⑤中国が発展する権利を破壊している、等批判した(時事通信9月4日)。習近平国家主席は5点を並列に挙げているが、同主席が最も警戒している点は「党と人民を引き離そうとしている」と指摘した③だ。 ▲習近平国家主席、欧州連合首脳とビデオ会談(2020年6月23日、新華社サイトから) 以下、少し説明したい。 ①の共産党歴史の歪曲問題はその時々の指導者によって常に行われてきたことで、新しい内容でない。共産党の歴史は歪曲の歴史だからだ。②、④、⑤は中国共産党
2020年07月08日06:00 カテゴリ中国 中国政府「孔子学院」の名称変更へ 在ハンガリー日本大使館は先月末、最新「ハンガリー概況」を公表したので、PDF版をクリックして読み出したら、興味深い箇所にぶつかった。 「教育・科学分野では、ELTE大学(エトヴェシュ・ロラーンド大学)を始めハンガリー全土5つの大学に孔子学院が設置されている他、上海・復旦大学(ブダペストに欧州キャンパス設置を予定)や北京精華大学といった大学との協力に力を注いでおり、直近では、中国の出資により、センメルワイス医科大学に伝統中国医療学科を設立することが発表された」 ▲ウィーン大学キャンパス内にある「孔子学院」(2013年9月21日、撮影) ▲中国の欧州拠点ハンガリーとセルビア両国の首脳、ハンガリーのオルバン首相(右)、セルビアのヴチッチ大統領(左)(2020年3月22日、ブタペストで、オルバン首相公式サイドから)
2020年06月01日06:00 カテゴリカトリック新型コロナウイルス なぜ「神」はコロナ禍で沈黙するのか 世界で5月末現在、600万人以上が感染し、約36万8000人の死者が出ている中国発「武漢ウイルス」について、宗教界、特にキリスト教会からの発言がほぼ皆無だ。世界各地で多くの人々が苦しみ、亡くなった家人を葬ることすらできな状況下にいる時、「心の世界」のケアを担当するキリスト教会指導者は沈黙しているのだ。 ▲コロナ禍問題で神学的議論が乏しいことを批判するコッホ枢機卿(バチカンニュース、2020年5月30日) 信者たちが知りたいのは、「多くの人が新型コロナの犠牲となって苦しみ、死んでいる時、神は何を考え、何をしているのか」だが、その返答は宗教家たちからは聞かれない。辛辣な人なら、「宗教家の看板を下ろし、他の職業を探すほうがいいのではないか」ということになってしまう。 近代の精神分析学の道を
2019年10月21日06:00 カテゴリドイツ韓国 韓国は「ドイツに倣え」と言うが… ギリシャ政府はドイツに対し、第2次大戦時の損害賠償を要求、同国議会の委員会の計算によれば、その額は2900億ユーロになるという。欧州の経済大国ドイツにとってもそれは巨額であり、到底支払いできない。ドイツ通信(DPA)によれば、ドイツ外務省は今月18日、「大戦中の損害賠償問題は解決済みだ。ギリシャ政府と戦時の賠償問題で交渉する考えはない」と支払い交渉を拒否したばかりだ。 ▲訪朝で「反日」発言を繰り返すシュレーダー前独首相(ドイツ連邦首相府の公式サイトから) ドイツ政府はこれまで「賠償問題は戦後直後、解決済み」という立場を堅持してきた。日本は戦後、サンフランシスコ平和条約(1951年)に基づいて戦後賠償問題は2国間の国家補償を実施して完了済みだが、第1次、第2次の2つの世界大戦の敗戦国となったドイツの場合、
2019年03月12日06:00 カテゴリスイス スイスの高額紙幣と「現金払い文化」 スイス国立銀行(中央銀行)は5日、1000フランの新デザインの紙幣を発表した。スイスのニュースサイト「スイス・インフォ」によれば、新紙幣は光沢インク・繊維や切り抜き、紫外線や超極小文字など15個の偽造防止加工が施されている。さらに外側にコットン紙、内側にポリマーを使った3層構造で強度を高め、これまでの紙幣より長持ちするようになっているという。 ▲世界最高の高額紙幣スイスの1000フラン スイスの1000フランは紙幣としては世界で最も高額な紙幣だ。日本円で約11万円にもなる。ただし、1000フランを財布に入れて買物に出かける国民は少ない。あまりにも高額紙幣だから、買物では受け手が困るからだ。 例えば、散歩の途中で立ち寄った喫茶店で一杯のコーヒーを飲み、1000フランで支払おうとした場合、店側は多分、1000
2019年03月08日06:00 カテゴリヨーロッパ オルバン対策に悩む「欧州人民党」 欧州議会選挙は5月23〜26日、加盟国で実施される。今回の欧州議会選(任期5年)では反欧州連合(EU)政党が議席の3分の1を獲得し、EUの立法手続きを阻むことができる勢力となる可能性があると予想されるだけに、欧州議会選の行方がこれまで以上に注目されている。なお、英国のEU離脱(ブレグジット)を受け、27加盟国が選挙を実施。議会定数は751議席から706議席となる。 ▲ハンガリーの与党フィデスの党首、オルバン首相(フィデス公式サイトから) 欧州議会の選挙戦は加盟国で既に始まっているが、欧州議会は中道派政党の政治グループ「欧州人民党」(EPP)と「社会民主進歩同盟](S&D)の2大会派を中心に複数のグループから構成されている。ところで、最大会派のEPPは目下、ビクトア・オルバン首相が率いるハンガリーの与党「
2019年02月24日06:00 カテゴリ時事問題 成長を妨げる「犠牲者メンタリティ」 米国のテレビ俳優ジャシー・スモレット(Jussie Smollett)は先月、2人の男に襲撃され、負傷した。スモレット(36)は警察に通達した。彼の証言によると、2人は彼を殴打しながら、「黒人」「ホモ」など罵声を飛ばし、彼に向かって「Make America Great Again」と叫んだというのだ。 ▲米国のTV俳優、ジャシー・スモレット(ウィキぺディアから) 時間の経過と共に、別の事実が浮かび上がってきた。スモレットはFoxの人気テレビ番組「エンパイア」(Empire)で活躍していたが、どうやらギャラ問題で不満があったという。「エンパイア」は今、5シーズンを撮影中だ。俳優関係者の話ではスモレットのギャラは1本10万ドルだったとみられるが、彼は自分の市場価格をアップさせるために、襲撃を演出し、2人の
2019年02月18日06:00 カテゴリ韓国 韓国に生まれて本当に良かったか 自民党の中山泰秀議員(48)が13日の衆議院予算委員会で、韓国の文喜相国会議長の天皇閣下への謝罪要求発言に関する質問をし、「日本に生まれて本当に良かった」と話したという。この台詞だけを聞く限り、美しい表現であり、日本人の全ての国民がそのように言うことができれば幸せだろう。 ▲歴史の「積弊清算」を推し進める文在寅大統領(韓国大統領府公式サイト、2019年1月24日) 韓国で中山議員の発言が物議を醸したのは、同議員の「韓国では政治家になって、まかりまちがって大統領にでもなったら、必ずその末路は、死刑か逮捕か自殺であり、常に裁判にかけられてしまう」といった趣旨の発言をしたからだ。 発言内容は正しいかもしれないが、日本人の政治家からそのようにいわれれば多くの韓国人は癪に障るだろう。「日本に生まれて本当に良かった」と感じ
2019年02月11日06:00 カテゴリ雑感 獣医が最も自殺する「職種」という話 ショッキングな記事が掲載されていた。今月1日付のスイス日刊紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング(略称NZZ)でビルギット・シュミット記者の 「獣医が職種の中で最も頻繁に自殺する」という記事だ。獣医は瀕死の重傷や重病の動物に対して「自分は彼らを助けることができない」といった無力感にとらわれるという。獣医は人間の治療をする医者(Humanmediziner)より5倍多く生き物の死の場に同伴するというのだ。 ▲当方宅で一時預かった雌犬リロ(2008年8月撮影) 見出しを読んだ時、信じられなかった。獣医は動物を愛する若者が夢見る職種の一つと考えていたが、現実は常に生き物の死と向き合わなければならない。愛する動物が亡くなった場合、飼い主は泣くが、死の場面に対峙する獣医にとっても同じだというのだ。 若者の夢の仕事と思
2019年01月21日06:00 カテゴリオーストリア オーストリアの外交が少しおかしい アルプスの小国オーストリアは欧州連合(EU)の加盟国だが、北大西洋条約機構(NATO)には加盟していない。同国は冷戦時代、民主陣営と共産圏陣営の東西両陣営の架け橋をモットーに永世中立を国是としてきた。冷戦終焉後、その中立主義の見直し論が活発に議論されたことがあったが、議論で終わり、中立主義はこれまで維持されてきた。そのオーストリアの外交が少々おかしくなってきた。欧米の民主主義価値観を共有する一方、ならず者国家と呼ばれるイランや北朝鮮との関係を深めるだけではなく、ロシアや中国の大国との関係でも欧米諸国の懸念をしり目に独自の関係を構築してきている。以下、説明する。 ▲河野外相と会談したクナイスル外相(2018年7月、ウィ―ン外務省内で撮影) オーストリアの対ロシア外交にはEU加盟国から久しく批判の声があっ
2018年11月14日06:00 カテゴリ時事問題韓国 BTSは韓国の歴史教育の所産だ 米ロサンゼルスに本部を置くユダヤ人団体「サイモン・ヴィーゼンタール・センター」(SWC)は11日、世界的人気を呼んでいる韓国ポップグループ「防弾少年団」(BTS)のメンバーが過去、ナチス親衛隊(SS)の徽章が装飾された帽子をかぶっていたことに言及し、「ナチス・ドイツ軍の蛮行を思い出せるものでユダヤ民族への侮辱だ」と批判し、謝罪を要求した、という外電が流れてきた。 ▲韓国の少女グループPritzのナチスのユニフォームを報じるドイツ日刊紙ヴェルト電子版(2014年11月24日) BTSのリーダー、RM(24)が被っていた帽子の前方中央にはナチスのシンボルマークであるハーケンクロイツなどナチスをモチーフにした刺繍が縫い込まれていた。BTSのビデオで初めて見た時、「これはまずい。ユダヤ人の反発を誘発するだろう」
2018年04月25日06:00 カテゴリヨーロッパ EU大使「一帯一路」構想に反対 興味深い記事が独経済紙ハンデルスブラット(4月17日付)に掲載されていた。見出しは「EU大使、中国の『一帯一路』(One Belt, One Road)構想に結束して反対」というのだ。 ▲新シルクロード経済圏構想を推進する中国の習辺平国家主席(ウィキぺディアから) 欧州連合(EU)28カ国中、27カ国の駐北京大使は、中国の習近平国家主席が提唱し、国を挙げて促進している新しいシルクロード計画、通称「一帯一路」について、「自由貿易を打撃し、中国企業の利益を最優先している」と批判する内容の報告書を作成した。 独紙が入手した報告書は、「2013年に明らかになった中国側の計画書にはEUの貿易の自由化に抵抗し、中国企業に有利になるように誘導せよ」と明記されていたと指摘している。 報告書は今年7月に開催予定のEU・中国
2018年03月04日06:00 カテゴリドイツ中国 独外相、中国の「一帯一路」を批判 ジグマ―ル・ガブリエル独外相は先月17日、独南部バイエルン州のミュンヘンで開催された安全保障会議(MSC)で中国の習近平国家主席が推進する「一帯一路」(One Belt, One Road,一帯一路)構想に言及し、「民主主義、自由の精神とは一致しない。西側諸国はそれに代わる選択肢を構築する必要がある」と述べた。 ▲「一帯一路」に対して警告を発したドイツのガブリエル外相(ドイツ外務省公式サイトから) 欧州の政治家が中国の「一帯一路構想」について、単に批判するだけではなく、その価値観、世界観と一致しないと明確に指摘したのはガブリエル外相が初めてだ。 ドイツでメルケル首相が率いる与党「キリスト教民主・社会同盟」(CDU/CSU)と第2党の社会民主党(SPD)の間で新たな大連立発足が進められているが、ガブリエル
2018年02月22日06:00 カテゴリバルカン “大アルバニア主義”の台頭 2018年2月17日、コソボがセルビア共和国から離脱し、独立国家宣言して10年目を迎えた。世界で最も若い独立国の祝賀集会が18日、コソボの首都プリシュティナで開催された。アルバニアからエディ・ラマ首相が出席し、演説の中でアルバニアとコソボの大併合の可能性を示唆した。バルカンで恐れられてきた“大アルバニア主義”が再び蘇ってきた、としてセルビアでは批判と警戒の声が聞こえる。 ▲大アルバニアの地図(ウィキぺディアから) コソボは独立して国家宣言するまでセルビア共和国に帰属する一自治州だった。同自治州では約90%がアルバニア系住民で占められている。セルビアのベオグラード政府がコソボの自治権を制限したことを受け、独立運動が拡大し、北大西洋条約機構(NATO)のベオグラード空爆まで、セルビアとコソボの間で民族紛争が続いた。
2018年02月05日06:00 カテゴリヨーロッパ中国 中国の覇権が欧州まで及んできた ドイツのシンクタンク、メルカートア中国問題研究所(Mercator Institute for China Studies )とベルリンのグローバル・パブリック政策研究所(GPPi)は5日、欧州での中国の影響に関する最新報告書を発表するが、それに先立ち、独週刊誌シュピーゲル(電子版)は3日、そのさわり部分を紹介した。主要テーマは欧州で中国の影響がここ数年急速に拡大してきたことだ。 ▲シルクロード経済圏構想「一帯一路」の地図(ウィキぺディアから ) 同報告書によれば、欧州でのロシアの影響はフェイクニュース止まりだが、中国の場合、急速に発展する国民経済を背景に欧州政治の意思決定機関に直接食い込んできたという。報告書は「中国は欧州の戸を叩くだけではなく、既に入り、欧州連盟(EU)の政策決定を操作してきた」と
2018年01月11日06:00 カテゴリ韓国 文大統領の「心こめた謝罪」とは何? 韓国の文在寅大統領は10日、青瓦台(大統領府)で開いた新年の記者会見で日韓両国で合意済みの慰安婦問題に言及し、日韓合意の破棄や再交渉を求めない意向を表明し、日本政府が元慰安婦への経済支援のために設立した財団「和解・癒やし財団」へ拠出した10億円を返還せず、同額の金額を韓国側も拠出し、その処理方法を日本と今後協議していきたいと述べた。 ▲慰安婦の1人に謝罪する文在寅大統領(2018年1月4日、韓国大統領府公式サイトから) 韓国の聯合ニュースによれば、文大統領はその上で、「日本が心こめて謝罪してこそ(被害者の)おばあさんたちも日本を許すことができ、それが完全な慰安婦問題の解決だと思う」と指摘。その上で「政府が被害者を排除し、条件と条件をやり取りして解決できる問題ではない」と強調している。問題が多い発言だ。 先ず
2018年01月12日06:00 カテゴリ時事問題アメリカ トランプ氏は無能な大統領か?! 欧米メディアから配信されるトランプ米大統領と北朝鮮の独裁者、金正恩朝鮮労働党委員長の舌戦のやり取りを見ていると、「世界は大変だ。超大国の米国に稀に見るバカな大統領が選出され、日々、ツイッターで世界を威嚇し、北では核兵器をおもちゃのように扱う独裁者が君臨している」といった印象を受けたとしても仕方がないかもしれない。全てのニュースが根拠のないフェイクニュースとは言い切れないからだ。 ▲親の代からの聖書の上に手を置き宣誓式に臨むトランプ新大統領(2017年1月20日、CNN放送の中継から) トランプ氏はまもなく大統領就任1年目を迎える。この1年間でさまざまな出来事が生じ、メディア関係者には記事不足といった事態はなかった。トランプ氏は好きなゴルフ場に頻繁に通いながらも、夜にはツイッターで面白いコメントを発信
2017年12月20日06:00 カテゴリカトリック 「教会」は性犯罪の共犯者だった 世界最大のキリスト教会、ローマ・カトリック教会の聖職者による未成年者への性的虐待事件をフォローしてきたが、その不祥事の規模と犠牲者の後遺症を考えると、「カトリック教会はキリスト教を信望した宗教団体だが、聖職者の不祥事を組織的に隠蔽するやり方をみると、マフィアなどの組織犯罪グループではないのか」といった思いがどうしても湧いてくる。 ▲バチカン法王庁の夕景(2011年4月、撮影) オーストラリアのローマ・カトリック教会聖職者による未成年者への性的虐待事件を調査してきた「聖職者性犯罪調査王立委員会」(2013年設置)が15日、最終報告書を政府に提出した。今年2月に発表された中間報告書の内容を追認するものだ。カトリック教会所属の修道院関連施設で1950年から2009年の間に、オーストラリア教会全聖職者の7%が性的
2017年12月15日06:00 カテゴリカトリック ローマ法王「悪魔は君より頭がいい」 ローマ法王フランシスコはカトリック信者に対し、「悪魔(サタン)と如何なるコンタクトも避けるべきだ。サタンと会話を交わすべきではない。彼は非常に知性的であり、レトリックに長け、卓越した存在だ」と異例の警告を発した。13日に放映されたカトリック系放送「TV2000」とのインタビューの中で語った。 ▲昨年9月に死去した著名なエクソシスト、アモルト神父 法王は、「サタンは具体的な悪行のために暗躍する。漠然とした事象のために存在するのではない。彼は1人の存在だ。人間は悪魔と話すべきではない。彼に負けてしまうからだ。彼はわれわれ以上に知性的な存在だ。彼はあなたを豹変させ、あなたを狂わせるだろう。悪魔にも名前があり、私たちの中に入ってくる。彼はあたかも育ちのいい人間のような振る舞いをする。あなたが“彼が何者であるか
2017年05月24日06:00 カテゴリカトリック トランプ氏とローマ法王の会見 トランプ米大統領は24日、バチカンを訪問し、ローマ法王フランシスコと会見する。バチカンの情報によると、会見は一般謁見前の午前8時半の予定だ。 ミラノ代表紙コリエーレ・デラ・セラ(21日付)によると、トランプ大統領のメラニア夫人はローマ法王に個人的な書簡を送り、「ローマ法王を謁見できることは大きな名誉です」と述べたという。夫人はスロベニア出身のカトリック信者だ。トランプ氏はプロテスタント派の長老派教会に所属。幼い時から聖書に強い関心があったという。就任式には親の代からの聖書を持参し、その上に手を置いて宣誓式に臨んでいる。 ▲駐バチカン米国大使に任命されたカリスタ・キングリッチ夫人(キングリッチ・プロダクション社の公式サイトから) バチカン筋によると、トランプ大統領とフランシスコ法王との会談では6つの議題が挙げ
2017年05月17日06:00 カテゴリその他 マルクスは「労働者」をバカにした! カール・マルクスの「資本論」第1部が出版されて今年で150年目を迎えた。来年はカール・マルクス生誕200年も控えている。カール・マルクス(1818−1883年)は一体如何なる人間かについて関心が高まってきている。 ▲カール・マルクス(1875年) オーストリア日刊紙クローネンは14日、出版者ハリー・ロボルト氏、ドイツの「左翼党」グレゴリ・ギシ―議員、そして女優のアンナ・タルバッハさんの3人による朗読本(2009年)、テーマ「カール・マルクスとエンゲルス間の書簡」の内容を紹介し、マルクスがフリードリヒ・エンゲルス(1820〜1895年)宛ての書簡で労働者をバカにし、金銭問題では信じられないほど冷酷な人間であったことを暴露している。 マルクスとエンゲルスの書簡は公表を目的としたものではなかった。エンゲルス宛の
2017年05月11日06:00 カテゴリカトリック 同性愛者の元バチカン高官の「暴露」 同性愛者であることを告白したポーランド出身のハラムサ元神父(Krzysztof Charamsa)が「最初の石」(独語訳)というタイトルの本を出版した。同元神父は単なる一神父ではなく、バチカン法王庁の中核、“カトリック教理の番人”と呼ばれる教理省(前身・異端裁判所)に従事していた高官だけに、バチカン内部に渦巻く同性愛問題を体験に基づいて暴露した新著は大きな反響を呼んでいる。 ▲バチカン内の同性愛問題を暴露したハラムサ元神父の本 ハラムサ元神父(45)は2015年10月3日、世界代表司教会議(シノドス)の開催直前、記者会見を開き、そこで「自分は同性愛者である」と告白した。家庭問題をテーマとしたシノドス開催直前の告白は元神父の計算された演出であったが、その反響は大きかった。同神父は自身の同性愛の経験やバチ
2017年03月27日06:00 カテゴリカトリック 100年目迎える「ファティマの予言」 ローマ・カトリック教会のローマ法王フランシスコは5月12日から13日にかけ、ポルトガルの聖母マリアの降臨の地ファティマを訪問する。「3つの予言」で世界的に有名な巡礼地ファティマで聖母マリアが再臨して今年5月で100年目だ。それを記念してフランシスコ法王は就任後初めてファティマを訪ね、「ファティマの予言」を聖母マリアから受けた羊飼いの子供たちの2人、フランシスコ(1908〜1919年)とヤシンタ(1910〜1920年)の列聖式を挙行する予定だ。 キリスト教の教義では、「神の啓示」や予言はイエス時代の使徒たちで終わる。それ以降の「啓示」はあくまでも「個人的啓示」と見なされ、「神の啓示」とは一定の距離を置いて扱われてきた。その意味から言うならば、ファティマの「聖母マリアの予言」はカトリック教会でも異例の啓
2017年03月14日06:00 カテゴリトルコヨーロッパ 欧州トルコ人の「二重国籍」問題 欧州連合(EU)は今、厄介な問題にぶつかっている。トルコ問題だ。 トルコで昨年7月、軍の一部勢力によるクーデター事件が発生したが、失敗に終わった。危機を乗り越えたエルドアン大統領は警察力で強権を駆使し、根本主義的なイスラム教国の建設に乗り出してきた。それを受け、トルコ議会は今年1月21日、「議会制」から「大統領制」に移行する憲法改正を承認したが、立法化の必要な票数には満たなかったため、是非を問う国民投票が4月16日に実施されることになった。 ところで、欧州居住のトルコ人には選挙権を持つ有権者が多い。だから、トルコ与党「公正発展党」(AKP)や野党関係者は欧州に出かけ、選挙運動をする。すなわち、外国で自国の選挙運動をするわけだ。 それに対し、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリアは国内でのトルコ人政治
2016年12月27日06:00 カテゴリイタリア 伊「マフィア」はテロを防いでいる! フランスやベルギーでイスラム過激派テロが頻繁に発生していた時、「なぜドイツではテロ事件が起きないのか」といわれたものだが、今年の夏、テロが発生し、クリスマス6日前の今月19日にはベルリンで12人の犠牲者が出た「トラック乱入テロ事件」が起きたばかりだ。残念だが、ドイツは、欧州最大のイスラム教徒を抱えるフランスやベルギーと共に、イスラム過激派テロのターゲットとなってきた。 ▲テロの標的の一つ、バチカン法王庁(2011年4月、撮影) ところが、ここにきて「なぜイタリアでテロ事件が起きないのか」という声が聞かれ出した。欧州共通通貨ユーロ圏の第3の経済国であり、ギリシャと共に欧州文化の発祥の地だ。その国でなぜかテロ事件が起きていない、という問いかけは看過できない。 イタリアでは1970年代から80年代にかけ極左・
2016年08月02日06:00 カテゴリ雑感 選挙をやめ、クジ引きで決めれば? 東京都知事選が終わった。大方の予想通り、小池百合子氏が新知事に選出された。都民の期待に応え、新生東京の実現のために頑張って頂きたい。都知事選が終わったばかりで少々恐縮だが、「選挙は民主的ではない」という命題を掲げ、民主主義の「選挙制」の問題点とその代案として一種の「クジ引き制」の導入を考えてみたい。 ベルギーの著作家、歴史家のダビット・ファン・レイボロック(David Van Reybrouck)氏(44)は独週刊誌シュピーゲル最新号とのインタビューの中で、民主主義国の「選挙制」の代わりに「クジ引き制」(独語 Losverfahren、英語 Sortition)の実施を提案している。その背景には、民主主義国で実施されている選挙が結果として民主的でないことが多く、国民の意見が正しく反映されていない、という認識が
2016年07月26日06:00 カテゴリドイツ ドイツで何が起きているのか? ドイツで過去7日間(7月18日〜24日)、銃乱射事件、難民(申請者)によるテロ、殺人事件が続けざまに起きている。先ず、時間の経過に従ってまとめる。 <7月18日(月)> ドイツ南部バイエルン州のビュルツブルクで18日午後9時ごろ、アフガニスタン出身の17歳の難民申請者の少年が乗っていた電車の中で旅客に斧とナイフで襲い掛かり、5人に重軽傷を負わせるという事件が起きた。犯行後、電車から降りて逃げるところを駆け付けた特殊部隊員に射殺された。少年の犯行動機、背景などは不明。目撃者によると、少年は犯行時に「神は偉大なり」(アラー・アクバル)と叫んでいたという。 バイエルン州のヨハヒム・ヘルマン内相が19日明らかにしたところによると、少年の部屋から手書きのイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の旗が見つかったという。少年
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