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一般的な話題 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その2 2019/9/13 一般的な話題, 化学者のつぶやき フッ化水素酸, 高純度 コメント: 0 投稿者: Tshozo Tshozoです。前回のつづき。これまではフッ化水素の背景と合成について主に述べましたが、後半は用途の特殊性について少々追加して述べてまいります。 【フッ化水素 用途の特殊性の続き】 前回は半導体製造でのフッ化水素の役割と重要性について述べてきましたが、もう一つの特殊性は原子力用途。軍事関係技術であるため、あくまで文献ベースの話になりますことはご理解ください・・・何が問題かと言うと、あれこれして出来た二酸化ウランと無水フッ化水素を混ぜ、そこからフッ素ガスをあてて六フッ化ウランガスUF6をつくり遠心分離機にかけて濃縮すればあっという間に(∵)高濃度放射性ウランU235F6、つまり原発や原爆に使える高純度材料の出来上がり
化学者のつぶやき ジャーナル編集ポリシーデータベース「Transpose」 2019/9/18 化学者のつぶやき, 書籍・ソフト・Web ジャーナル, データベース, プレプリント, 投稿規定, 査読 コメント: 0 投稿者: cosine およそ3000誌のジャーナル編集ポリシーをまとめたデータベース「Transpose」が、この6月に公開されました。 ジャーナル毎に異なるがどうにも分かりづらい、プレプリント対応・査読システム・Co-reviewerの取扱いなどを見やすく比較参照できるため、論文投稿先を考える際に役立つデータベースだと思います。 化学系ジャーナルを調べてみた まずはNature Chemistryのジャーナルポリシーを検索して見ましょう。こんな感じで出てきました。 論文がリジェクトされ、他のNature姉妹紙に転送された場合は、レフェリーコメントも同時に転送される、と書か
一般的な話題 高純度フッ化水素酸のあれこれまとめ その1 2019/8/30 一般的な話題, 化学者のつぶやき フッ化水素酸, 高純度 コメント: 0 投稿者: Tshozo Tshozoです。 どっかの国とあっちの国とで色々やってますが、そのドタバタの理由の1つであるフッ酸(含水フッ化水素・hydrofluoric acidと無水フッ化水素・Anhydrous hydrofluoric acid)。既にZeolinite殿によってその背景と概要(リンク)がうまくまとめられているほか、化学/化学工学系で最も重要なこちらのblogで政治背景も含めて紹介されたりしていますが、過去に筆者に起きた諸々の事々を十二分によく思い出したうえで自分の勉強も含めてもう少しこの材料に絞り化学寄りにまとめてみようと思いました。 【フッ化水素の歴史と概要】 ここは抜粋だけ。フッ化水素はスウェーデンのヴィルヘルム・
一般的な話題 書店で気づいたこと ~電気化学の棚の衰退?~ 2019/7/19 一般的な話題, 化学者のつぶやき 書店, 電気化学, 電池 コメント: 0 投稿者: Tshozo Tshozoです。少し短いですが以前から気になっていたので書いておきます。 また少々電気化学系のことをやらねばならんことになり、モノを色々と扱うと同時に今度こそは基礎をきちんとおさえながら進めようd(∵)bと思って大きい書店回りをしてみたのですが、電気化学のスペースが見つからない! 理工学関係のところを何回か行ったり来たりしたあげく、ようやく下図のような程度のスペースに本棚を見つけたのですが・・・大きな本棚の1/4くらいにしか関係書籍が無いことに改めて衝撃を受けました。今の本屋さんの状況を考えるとこのスペースがあるだけマシなんじゃないかという声もあるでしょうが、筆者がよく見る独語のスペースは5段くらいありましたし
ケムステしごと 転職でチャンスを掴める人、掴めない人の違い 2019/6/27 ケムステしごと, 一般的な話題, 化学者のつぶやき 仕事, 就活, 転職 コメント: 0 投稿者: webmaster 先日、ある再生医療関係の企業で候補者が内定を承諾した。数カ月悩んだ末の返事であった。時間を要したのは、彼は現職でも高い評価を受け、順調であったため、元々すぐに仕事をかえる気持ちはなかったからだ。更に、異業種からの転職であり、マーケット成長への期待感はあるものの、ビジネス化するには技術的な課題が多いため、不安もある。新卒から入社の慣れ親しんだ会社や、人間関係を振り切って仕事を変えることは、リスクを伴う大きな方向転換だったのだ。 その返事を企業に伝えに行った際、社長は「彼は決めてくれると信じていました」と入社を喜ぶと同時に、意思決定についてこんな話をされた。「大きな決断というのは、誰でも出来るもの
動詞の後に副詞や前置詞などが付く 句動詞 を使いこなすのは難しいものです。英語などの会話では、2-3語から成る句動詞(phrasal verb)がよく使われますが、もとの動詞と違う意味になることも多い上、より広い意味で解釈されることもあるので、誤った意味に取られる可能性もあります。そのため、学術論文では句動詞より、単体動詞(single verb)を使うほうがよいとされているのです。 句動詞と単体動詞の違い 例えば、「carry」という単語は、「何かをある場所から別の場所に運ぶ」ことを意味します。そして、「out」という単語には、「ある場所から出て行く、どこかから一定の距離離れている、明らかになる、終わる」など、いくつかの意味があります。しかし、この2つがつながって「carry out」という句動詞になると、それは「実行する、成し遂げる」という、別の意味になります。 また、句動詞になること
化学者のつぶやき 速報・常温常圧反応によるアンモニア合成の実現について 2019/4/26 化学者のつぶやき, 論文 アンモニア合成, 触媒 コメント: 0 投稿者: Tshozo Tshozoです。先日発表されたタイトルの件、今まで本ケムステで書かれてきた記事(こちら・こちら・こちら 及びスポットライトリサーチなど)の中身が実を結んだ本分野の大きなマイルストーンとなるであろう成果と感じますため急いで速報を書くこととしました。正確性には十分留意いたしますが、都度々々訂正していく可能性がある点だけご了承ください(4/28 諸々修正・追記しました)。 “Molybdenum-catalysed ammonia production with samarium diiodide and alcohols or water” Yuya Ashida, Kazuya Arashiba, Kazuna
ディスカッション 博士課程と給料 2019/4/15 ディスカッション, 化学者のつぶやき, 日常から DC, PhD, ローン, 博士課程, 奨学金, 学振, 給料 コメント: 0 投稿者: Gakushi 今回の記事は博士課程とお金(給料)についてです。現在日本の総勢51000名程度いる博士課程の学生のうち60万円以上の収入があるのが約25%(うち約5-7%がJSPSの特別研究員)、約25%が60万円以下、約50%程度が無給で働いています。今回の記事では現在の日本(と海外)の情勢を踏まえて、今後日本の博士課程のあり方について金銭的な面から書いてみたいと思います。尚、本記事においては各種奨学金団体から与えられる給与のことを奨学金と定義し(例えば学振DC)、後に返還義務を有する“名ばかりの奨学金”は奨学金ではなく“借金”もしくは“ローン”と定義します。 本記事は内容的にかなりセンシティブで
chemglossary 波動-粒子二重性 Wave-Particle Duality: で、粒子性とか波動性ってなに? 2018/6/30 chemglossary, 化学者のつぶやき, 量子化学 二重スリット, 光電効果, 量子化学 コメント: 0 投稿者: やぶ 原子スケールの世界では、物質に粒子性と波動性がどちらも現れる。光や電子の波動性は、それらが干渉も回折もできることによって証明された。光や電子の粒子性は、存在を数えられることによって示された。 ここはケムステだぞ!化学について語れよ? 残念ながら、この記事で扱うのは世間的には物理で取り扱われる話題になります。とはいえ化学者は分子、原子、あるいは電子を扱う人間です。そして、原子サイズの世界では私たちの日常的な常識に反する現象が見られます。それは波動と粒子の二重性です。この事実は純粋に知的好奇心をくすぐりますし、分子の構造や化学反
一般的な話題 黒板に描くと着色する「魔法の」チョークを自作してみました 2019/1/25 一般的な話題, 化学者のつぶやき Advanced Materials, 材料化学, 無機化学 コメント: 0 投稿者: GEN 昔ながらの授業・講義といえばチョークと黒板を使ったもの。ホワイトボードや電子黒板の普及により需要が減っていると言われますが、まだまだ現役です。チョークの主原料は炭酸カルシウムや石膏。貝殻や卵殻のリサイクル品も流通していますが、いずれにしろチョークといえばまず真っ白な棒というイメージです。黄色い線を引くためには黄色く着色したチョーク、赤い線を引くためには赤いチョーク、他にも水色やオレンジなど色つきのものも使用した経験があることでしょう。 ここで唐突な質問ですが、真っ白なチョークを使ってカラフルな線を引けたら楽しいと思いませんか?というわけで、単分散シリカ粒子を用いてそのよう
一般的な話題 【速報】2018年ノーベル化学賞は「進化分子工学研究への貢献」に! 2018/10/3 一般的な話題, 化学者のつぶやき ノーベル化学賞, ファージディスプレイ, 進化分子工学 コメント: 0 投稿者: webmaster, Shirataki, cosine スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は3日、2018年のノーベル化学賞(Nobel Prize in Chemistry)を、米国人のフランシス・アーノルド(Frances H. Arnold)氏(酵素の指向性進化法の解明に対して)、同じく米国人のジョージ・スミス(George P. Smith)氏、英国人のグレゴリー・ウィンター(Gregory P. Winter)氏(ペプチドと抗体のファージディスプレイの開発)に授与すると発表した。 今年はなんとタンパ
Tshozoです。何回か書いていますが、筆者が産まれたあたりに活動していた全共闘世代。大学の中を学生さんが角棒持ち歩いて火炎瓶で警察に応戦するケースもあったという、まさに”This is 昭和”でした。それを象徴するのが東京大学安田講堂でのこの事件。これを思い出したのは敬愛する山本義隆先生のこの本を書店で見つけて読んだからなのですが、再放送当時は子供心に「ウルトラマン出てきてウルトラ水流で水かけないかなー」と不謹慎なことを思っていたものです。 このころ国家に対する「抵抗側」には、左系(共産主義)に影響されたメンバーが現在よりもだいぶいろんなところで影響力を発揮していました。今考えると色々とアレな雑誌とか主張とかみられたのですが、こうした方々が安保闘争からはじまり大学紛争とかの時代まで色んな所に頭を突っ込んで散々引っ掻き回していたわけで。 当時はまだソ連とか中国とか北とかが結構な力を維持・発
化学者のつぶやき 化学者だって数学するっつーの! :シュレディンガー方程式と複素数 2018/8/1 化学者のつぶやき シュレディンガー方程式, 化学者だって数学するっつーの!, 数学, 量子化学 コメント: 0 投稿者: やぶ 本記事では、波の関数の物理量に運動量やエネルギーを対応させ、そこから粒子のエネルギーの公式を数学的に抽出することでシュレディンガー方程式が得られることをお話します。くわえて、複素指数関数の性質について復習し、複素指数関数がどのような波を表すかを考えます。 はじめに: 化学者に数学は必要ですか? 数学ができると化学がもっと面白くなると思い、この記事を書こうと思いました。 s 軌道が球状であるのに、p 軌道がダンベル状なのはなぜでしょうか。軌道のエネルギー準位が上がるにつれて、軌道に節が増えるのはなぜでしょうか。こういった疑問を解くために量子化学を学ぼうと意気込むと、
一般的な話題 死刑囚によるVXガスに関する論文が掲載される 2018/5/28 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 論文 VX, サリン コメント: 0 投稿者: ペリプラノン 我が国は原子爆弾が投下された唯一の国であると同時に、毒ガスという化学兵器による無差別テロが起きた唯一の国でもあります。地下鉄サリン事件と言っても今の若い人たちには通じないかもしれませんが、筆者の大学卒業式の日に起こった事件であるため、鮮明に記憶しております。 一連のサリンを用いたテロ事件の前に、首謀団体であるオウム真理教はVXを用いた暗殺という恐ろしい犯罪に手を染めていました。1994年12月12日、オウム真理教の信者と交遊を持ったために不幸にもVXによって殺害されてしまった当時28歳の会社員は、世界で初のVXによる殺人被害者となってしまったのです。この際に用いたVXは塩酸塩であったため皮膚からの浸透性は悪かったと
HFCにも地球温暖化係数(GWP)が高いという問題があり、使用量の削減するための規制と技術開発が求められています。 そこで考え出されたのが自然冷媒というアイディアですが真新しい物質ではなく、炭化水素ガス、アンモニア、二酸化炭素、空気、水のことを指しています。残念ながら用途が限られているのが現状で、 炭化水素ガス(ブタン等):引火すると爆発の危険性があるため小型の密閉された機器でのみ使用可能 アンモニア:高い毒性 二酸化炭素:圧力が高い 空気、水:効率が悪い といった懸念点があります。しかし、ヒートポンプ式電気湯沸かし器(二酸化炭素)や冷蔵庫(炭化水素ガス)ではすでに自然冷媒を使った機器が普及していて、自然冷媒は正しく使えば地球温暖化の防止に役立つ素晴らしい技術だと言えます。 ここで問題に戻って考えると、自然冷媒である炭化水素ガスを適合していないエアコンの冷媒として入れ替えると爆発・炎上の恐
ケムステニュース メガネが不要になる目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」 2018/3/12 ケムステニュース, 医薬, 海外ニュースより ナノ粒子, 視力矯正 コメント: 0 投稿者: Zeolinite A new eye drop developed by Israeli ophthalmologists, has successfully fixed corneas in pig eyes, and could potentially do the same for people.(futurism.com 2月24日) イスラエルのバル・イラン大学のDavid Smadja 博士は、近視や遠視を調整する目薬「Nanodrops(ナノドロップス)」を開発しました。Nanodropsは特定の光学的特性を有するナノ粒子を含有していて、これを点眼することで視力が矯正されるという仕
一般的な話題 5分でできる!Excelでグラフを綺麗に書くコツ 2018/1/24 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 書籍・ソフト・Web Excel, グラフ, デザイン コメント: 0 投稿者: kanako そろそろ卒論・修論の時期ですね。みなさんはデータをグラフにまとめるとき、どんなソフトウェアを使っていますか? 私の周りでは、DeltaGraphやKaleidaGraph、Matlabが定番のようです。こういうソフトを使えばデザイン性の高いきれいなグラフが描けるのですが、有料なのでソフトが手に入らなかったり、使い慣れているExcelでグラフを書きたい、という人も多いはずです。とは言っても、やっぱりExcelでグラフを書くとどうも見栄えが良くならない…。そこで今回は、私がオススメするExcelを使ってきれいなグラフを作成する方法をご紹介します。 グラフをきれいに描く手順 まずはE
化学者のつぶやき 化学系ラボでSlackを使ってみた 2018/1/3 化学者のつぶやき, 書籍・ソフト・Web Slack, アプリ, コミュニケーション, チャット, ツール コメント: 0 投稿者: cosine 皆さんこんにちは。最近のマイブーム≒生産性向上となっているcosineです。 昨年度初めより、グループ内コミュニケーションの円滑化・効率化を意図して、Slack(スラック) を導入しました。様々な局面でメールよりずっとラクだと感じることには事欠きません。 ただそれを言葉で説明するのはとても難しく、実際体験してみないことにはおそらく分かりません。その一方で化学系ラボでSlackを導入しているところは、まだまだ多くないことと思います。 そこで導入への参考になればと思い、本記事ではSlackを筆者のグループで使った印象、具体的な活用事例を紹介したいと思います。 Slackって何?
一般的な話題 研究者目線からの論文読解を促す抄録フォーマット 2017/12/29 一般的な話題, 化学者のつぶやき まとめ, 抄録会, 論文読解 コメント: 0 投稿者: cosine 先日より、筆者の論文紹介記事がしばしば独特のフォーマットになっていることに、読者の皆さんはもうお気づきのことと思います(たとえばこちらの記事など)。 これは筆者のグループで行なっている「論文抄録会」の産物で、これをケムステに提供している形です。実際要項は以下の通り。 週一回一人ずつ持ち回りで、圧倒的水準にある合成化学系論文1報をピックアップして日本語要約を作り、それに基づき議論する。 学生に日頃から論文を読む習慣を付けさせることが主目的ですが、筆者自身も多忙になって新着文献に細かく目を通せなくなりつつあり、補完目的で始めたところもあります。 こういった会は、どこのラボでも定期でやっていることだと思います。
一般的な話題 周期表の形はこれでいいのか? –その 1: H と He の位置 編– 2017/12/19 一般的な話題, 元素の基本と仕組み, 元素トピック, 化学者のつぶやき ヘリウム, 元素, 周期表, 水素 コメント: 0 投稿者: やぶ 現在の周期表は、およそ 120 種の元素を原子番号順に並べ、基本的には電子配置が似ている元素同士が縦の列に並ぶように配列したものです。このような周期表は、化学的性質が似た元素同士が縦に並ぶため、元素の仕組みを理解するために役に立ちます。しかし、「この元素は本当にこの場所でいいのか?」と不満に思うことがあるのです。というわけで、21 世紀の周期表のあるべき姿についてちょっと考えてみました。(本記事は、文献 1, 2 および 7 にインスパイアされて執筆したものです。) 水素をどこに置くべきか 水素は、アルカリ金属と似ても似つかない 2017 年現在
Tshozoです。 皆様よくお使いのこれのグリップ、ようやく手に馴染んで気に入ってきたと思ったらネタネタする時ありませんでしょうか。 ネタネタしつつあるのは下側のグリップのほう 上側は嫌になってグリップを外したほう 以前から何なのかなあと気にはなってましたがその正体は実は、と勿体ぶるまでもなくゴム/表面コート材の分解物、又はゴムに浸みこませていた油分と可塑剤というケースがほとんどです。 おわり。 ・・・ではつまらんので少し拡げましょう。上のネタネタする原因材料はキュレーションメディア((Г(∵)Г))含むあちこちのサイトに採り上げられているのですが、もう少し詳しく突っ込んだ記事が書けたらと思って話を進めてみます。短い話ですがお付き合いを。 どういう材料で、何から出来てて、どうやってつくってるのか そもそもがこのグリップゴム、どういう材料から出来てんねん、ということから(以下、ゴムという名称
tanukiのペンネームで有機化学現象に関する量子化学での研究結果をできるだけわかりやすい形で紹介させていただきます.ペンネームがタヌキだからいい加減なことを書いていると思わないでください.参考文献も記載します. 共役とか共鳴という考え方は有機化学で最も有用な概念の一つですね.その原因を考えたことはありますか?有機化学の教科書は原因までは書いていないし,有機化学者にとっては量子化学の本は,なにが書いてあるのかわからないというのがおおかたの意見だと思います.今回は,この問題をなるべくわかりやすく説明したいと思います. 共鳴・共役とは あらためて説明する必要がないと思いますが,共鳴・共役は次の現象をいいます. たとえば,ブタジエン(A)では,二重結合のπ電子の一部が一重結合に流れる現象です(B).有機化学の教科書では,p電子の移動によるC1〜C3の電子構造の状態が合わさった状態ができると説明し
一般的な話題 【速報】2017年ノーベル化学賞は「クライオ電子顕微鏡の開発」に! 2017/10/4 一般的な話題, 化学者のつぶやき ノーベル化学賞, ノーベル賞 コメント: 1 投稿者: cosine, webmaster スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞を、欧米の研究者3氏に贈ると発表した。授賞理由は「溶液中の生体分子の構造を高い解像度で観察できるクライオ電子顕微鏡の発明」。授賞が決まったのは、スイスのジャック・デュボシェ氏、英国のリチャード・ヘンダーソン氏、米国のヨアヒム・フランク氏。(引用:毎日新聞) 今年のノーベル化学賞は、「クライオ電子顕微鏡の開発」に授与されました!今年は構造生物学の可能性高いか!?プレゼンターの傾向予測から膜タンパクか!?・・・とまでは予想してたんですが、ここが来たかー!またもや斜め上!!というべきか・・・。「解析対象」じゃ
一般的な話題 【速報】2017年のノーベル生理学・医学賞は「概日リズムを制御する分子メカニズムの発見」に! 2017/10/2 一般的な話題, 化学者のつぶやき 時計生物学, 概日リズム コメント: 0 投稿者: webmaster スウェーデンのカロリンスカ医科大は2日、今年のノーベル医学生理学賞を、米国のジェフリー・ホール、マイケル・ロスバッシュ、マイケル・ヤングの3氏に贈ると発表した。業績は「概日リズムをつかさどる分子的な仕組みの解明」。睡眠などに関わる約1日周期の体内時計の仕組みを明らかにした(引用:朝日新聞)。 2017年のノーベル生理学・医学賞はなんと「生物時計の概日リズムを制御する分子メカニズム」に!ここは化学のウェブサイトなので直接関係がないかもしれませんが、分子メカニズム解明→医農薬の開発というところに化学が関わってくるはずなので、今回の概日リズムとそのメカニズム(主に哺
「ノーベル賞のジョーク版」イグ・ノーベル賞が今年も発表されました。 授与対象となるのは、”first make people LAUGH, and then make them THINK”――すなわち、まず笑わせ、そして考えさせてくれる研究です。 選定者の頭の柔らかさと抜群のセンスが毎度感じられる、非常に楽しい賞の一つです。日本人も毎年のように受賞していることから、最近では話題性も大きくなっています。 さて、ケムステで過去数年にわたり取り上げてきた(2007年、2008年、2009年、2010年)気になる化学賞は・・・? なんと今年は日本人がその栄誉に輝きました! 【受賞者】 田島幸信(香りマーケティング協会理事長) 今井真(滋賀医科大講師) 漆畑直樹(シームス社長) 種村秀輝(シームス取締役) 後藤秀晃(エア・ウォーター防災 技術者) 溝口浩一(エア・ウォーター防災 技術者) Juni
一般的な話題 ぼくらを苦しめる「MUST (NOT)」の呪縛 2017/9/13 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 日常から うつ, メンタル, 失敗した話, 研究生活 コメント: 0 投稿者: ねこのきもち みなさんこんにちは。通りすがりのアラサー科学者です。 突然ですが、私、メンタルの調子を崩しました。 どうも最近やる気がでなくて、「頑張らなきゃ」と思っても頑張れず、仮に気合いで少しだけ頑張れたとしても、すぐまた失速します。その繰り返し。 紆余曲折あって、精神科医に診てもらうことになったのですが、「いわゆる『ガス欠うつ』というやつですね。」と言われてしまいました。 それまで長いことモヤモヤしていたので、「まじか!ショック!」というよりは、「ああ、そうなのか」という感じでした。 さて今日は、「化学って面白そう!」と思って化学界に入った(入ろうとしている)人に「どうやったら私のようになっ
一般的な話題 論文執筆で気をつけたいこと20(2) 2017/9/5 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 化学英語・日常英語 化学英語, 論文執筆 コメント: 0 投稿者: webmaster さて、前記事「論文執筆で気をつけたいこと20(1)」の続きです。後半は日本人がよく間違える動詞の使い方と、その他文章でよく使われる「癖」についてです。 11. 時制の不正確さ 論文を書いている「今」という視点からみた過去と未来。そして、説明している「実験」から見た過去と未来。 日本人が書く論文の時制には、これらの視点がフラフラと変わってしまうために起こる間違いがよく見られます。 たとえば、Introduction(はじめに)で、すでに知られていることを書くときには現在形を、その問題に対して行われてきた研究について書くときには現在完了形を、自分がこの論文で行うことについて書くときには現在形を使うのが普
一般的な話題 プレプリントサーバー:ジャーナルごとの対応差にご注意を【更新版】 2017/8/24 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 書籍・ソフト・Web ChemRxiv, ジャーナル, プレプリントサーバー, 投稿規定 コメント: 0 投稿者: cosine 先日のケムステニュースで、化学系プレプリントサーバーChemRxiv(ケムアーカイブ)が投稿を受け付け始めたことをお伝えしました。 新しもの好きの筆者としては、とにかく試してみたい衝動に駆られています(笑)。とはいえ成果発表には何一つ手が抜けないので、特徴を理解して進めないと、思わぬ落とし穴にハマりかねないのも事実。 今回はその一つ、ジャーナル毎にプレプリントの取扱いが違うノダ!をご紹介したいと思います。 ※本記事公開から日数が経ち、プレプリントに寛容なジャーナルも増えてきたことを受け、投稿規定情報をアップデートしました。最終更
化学者のつぶやき いざ、低温反応!さて、バスはどうする?〜水/メタノール混合系で、どんな温度も自由自在〜 2017/8/1 化学者のつぶやき, 実験・テクニック 実験, 有機合成 コメント: 9 投稿者: Trogery12 さて、今回はちょっと変わり種の話題。低温実験のお供、寒剤についてです。英語の実験系ウェブサイトChemTipsで紹介されていた寒剤をご紹介します(2015年掲載記事ですので、すでに知っておられる方も多いかもしれません)。 『寒剤はメタノールと水の混合液でつくろう!』 結論は上記の通り。まずは理由から。 この方法で作る寒剤のいいところは、以下の通り。 水/メタノール混合溶媒とドライアイスのみで0 ~ -80 °Cを自由につくれること。 比較的、法規の厳しくないメタノールを使用すること。 使い方は簡単。目的の温度に対応する水/メタノール混合溶媒をつくります(図1)。(図1
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